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<奥伝>『評価運用道場2025』 ~公平と納得を両立する、評価運用の極意~(全5記事)

「語りの勝負」になる評価会議から脱却する方法 「根拠の審査」として機能させる調整会議のつくり方 [2/2]

上司の信頼と評価制度自体の信頼を同時に失ってしまう例

ケース7としてですが、これも本当によくあるケースだと思います。今期の評価はB評価だと。ただ、上司である自分は一次評価ではA評価で提出したんだけれども、「最終結果で相対結果でB評価になっちゃったんだよね。私も納得してないんだけれども、会社が決めたことだから……」とお話をしてしまう上司の方はいらっしゃらないでしょうか?

これは上司の方も「部下の努力を認めてあげたい!」というところや、「自分も味方なんだよ」と寄り添う思いがあるというところはわからなくはないんですけれども、実際にこういうかたちで行ってしまうと、メンバーの方の気持ちは「上と人事が勝手に決めたんだ!」「上司は『味方だ!』って言いながら守ってくれない」という失望。

あと前向きな方ですと、結局「何をがんばれば評価がAになったの?」という不安や無力感も出てきます。最悪のケースは、上司自身も制度に納得していない評価だったら、「制度自体が信用できないんじゃないか?」というような、制度不信(になる)というところにもなります。

(スライドを示して)このケースのポイントとしては、ここのグレーにもお示ししたんですが、このようなケースをやってしまうと、上司の信頼と評価制度の信頼を同時に失ってしまうというところが、とても残念な内容だなと思っています。

なので、対応方法として、もしこのようなケースがあった場合については、まずは最終評価をお伝えする事実の共有。それから、一次評価とものさしの説明ですね。ものさしの説明は、あとでちょっとさせていただきますが、この絶対評価と相対評価の存在というところを、しっかり説明する必要があるかなと思っています。

会社の考え方を咀嚼して部下の成長につなげるのが上司の役目

3番目に最終評価のプロセスの説明です。4番目、次に向けた具体的な期待・支援というところを話していくということです。よく「上司は、会社の代弁者だ!」とおっしゃる方もいますが、まぁそれもあながち外れてはいないんですけども。

会社の考え方を咀嚼して部下の成長につなげていくようなところをお話ししていく役割ではないかなと思っております。

実際にお伝えいただくイメージを資料の中に少し入れさせていただいております。

ここでのポイントは、しっかりとご自身がA評価で付けたのであるならば、その理由というのをしっかりとお伝えいただく。

一次評価者、一番身近で見ている方のコメント・評価でそこをお話すると。ただ、実際には相対評価というものさしがあるんだよというところで、ものさしの相対評価の説明もしていただくというかたちですね。

円で見せることで納得感が得られやすくなる

絶対評価と相対評価の説明は、今さら何をするということもないんですけども、実際にこの評価をお伝えする時に私が「いいな」と思っているのが、この相対評価についてです。

私の経験値として、円でお見せするという方法を取っていただくと、みなさんからの納得感が得やすいと思っています。

例えばご自身の評価を過大評価しているようなケース。これは8番としてお示ししているんですけれども、最終的に「自分はこういうことをやってきました」「最終評価がBになったことに納得がいかない」というケースですね。

上司の本音としては、「絶対評価で100パーセントできていたんだけれども。相対にしたら上から30パーセントの位置で、B評価だったんだよね」というところなんです。この場合、自分の中では100パーセントやっているので、「Bではなく、さらにいろいろな貢献もしてきているから、私はA評価でしょ」みたいにご本人は思っているので。

実際にこの円を見ていただいて、「ご自身の中の位置づけってどこだと思う?」というようなところをお話をしていくとよろしいのかなと思います。この時に少し書かせていただいたんですが、ここで従業員の方の満足を得ようと思うと、正直難しいです。悔しい気持ちも不公平感もあるので、満足まで持っていくというのは、なかなか難しいです。

(なので)まずは納得解を得るというところに注視して進めていただく。あと、こういったコメントが出てくる要因として、中間面談の時のコメント。先ほどの「あなた、このままだとCですよ。Bに上げるには……」の話ですけれども、きちんと予見性を持たせておくというところが大切になってきます。

もし仮に、こういった方々を「モチベーションを下げたくないから」ということで、本来だったらB評価の人をA評価にしてしまった場合、もう一方で、本来は適切なA評価をする方のモチベーションが下がっていきます。

ここはもう少々厳しい現実があるかもしれないんですけれども、このケースの場合は次につながる教育・育成というところでしっかりお話をしていただいて。「じゃあ、次はどうあればあなたはA評価になるのかな?」というところをしっかりつかんでいきながら目標を設定して、中間面談の中でフォローをサポートしていく必要があります。

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