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<奥伝>『評価運用道場2025』 ~公平と納得を両立する、評価運用の極意~(全5記事)

「がんばりが報われない」評価の仕組みを解消 “目標外の対応”を適切に反映する方法

【3行要約】
・中間面談は目標の確認だけでなく、メンバーの本音や困りごとを引き出し、パフォーマンス低下のサインを早期に捉える重要な場となっています。
・ 特に20代・30代はキャリア教育を受けた世代であり、仕事の先にあるキャリアへの不安を抱える傾向が強まっています。
・効果的な面談には、目的の明確化や面談ポートフォリオの活用、また緊急対応案件を「1分ログ」で記録し適切に評価する仕組みが必要です。

前回の記事はこちら

メンバーの本音・困りごとを引き出す中間面談

相坂幸子氏:次に中間面談にまいります。中間面談は本当に多くの企業さまで実施されていると思いますが、その実施の内容について、5つのポイントを書かせていただきました。事業計画の達成に向けて、目標と現状のギャップを見える化して、打ち手まで合意をするのが中間面談。その他に4つほど上げていますけれども、3つ目のところですね。

メンバーの本音・困りごと・つまずきを引き出し、パフォーマンス低下のサインを早期に捉える場としても、中間面談を使っていただく必要があるかなと思っています。

ケース3で、これは中間面談のやり方で、コンサル・人事の双方でよく耳にする言葉ですけれども、上司から「最近どう?」「特に問題なければこのままいきましょう! 引き続きよろしくね」と言われたと。

メンバーとしては「特に大きな問題はなく、なんとか回せています」とは言っているものの、本音としては「忙しそうで切り出しにくい」というようなケースがあります。上司の方の本音を書かせていただきましたが、「メンバーが多くて、中間面談の時間が取れない」。この声は人事の方々も本当によく耳にするところですし、管理職の方々も思っているところではないかなと思います。

あと最近増えているところですが、「この仕事の先に評価やキャリアにつながるのか不安」みたいな声も、メンバーの気持ちとして上がってきています。このキャリアの問題というところは今日はお話できないんですけれども、やはり管理職であったり、組織に対して自分のキャリアを問う世代、20代、30代が増えている中で、企業の取り組みが遅れているケースがあります。

この世代は、小・中・高校のどこかで学校全体の取り組みとして、キャリア教育が整備・推進された世代でもあるので、私のような世代が思っているよりも、20代、30代の方々は、キャリアに真摯に向き合っていますので、こういった問題が出てきます。

上司の最近のお声としても「実際に面談で深掘りしていくとキャリアの話が出るんだけど、自分ではどうしようもないよね」みたいな話が出てきています。

そういった問題の時にどうしたらいいかですが、管理職の方が1人で背負うことなく、ぜひ人事の方に相談をして、人事の方と一緒に解決策を探っていくというのがよろしいんじゃないかなと思っております。

中間面談の中で話したい内容

(スライドを示して)それ以外によく聞くのは上の部分ですね。これは先ほどのグラフの中でもありましたけれども、「数字以外の業務は自分のがんばりが見えにくい」といった声も出てきています。じゃあ、具体的にどうやっていったらいいのというところで。

これは上司の方と人事の方という視点で区分けして見ていきたいんですけれども。

まず上司の方ですね。上司の方は、冒頭で目的をきちんと定義して「ここは目標と現状の確認で、今後の打ち手を考えるところだよ」というところをお話いただいて、メンバーの方に話しやすい環境を作っていただきます。それで「最近、どう?」ではなく、次の2点を確認します。業務直結の話で、「この目標は今どこまで来ているか?」というところですね。

あとは見えにくい業務の話で、「今、一番苦労している仕事は何?」というところをしっかりと聞く。併せて、現時点での達成度と、想定評価のレンジを共有する。

ここの部分が意外としっかりなされていないがために、最後のフィードバック面談のところで少し揉めてしまうケースもあるので、実際に「今の状況だと、どの評価のラインにいるのかな?」「A評価にいくには、B評価にいくには、どういったことをしていかなければいけないのかな?」というように、中間面談をしっかりと目標達成のフォロー、支援、人材育成の場にしていく必要があります。

「面談ポートフォリオ」を活用して効果のある対話を生ませる

人事のほうですが、「面談ポートフォリオ」というものを例示として挙げさせていただきました。中間面談の時間を単一とはせずに、状況により各層の面談ポートフォリオを作成して、管理職の方の負担を軽減する方法がまず1つあります。あともう1つで、中間面談シートに、目標の進捗と併せて、数値で表しにくい・現われにくい業務、役割の両方の記入欄を設けて、テーマの抜けを防ぐような型の提供をしていただく。

これだけで、ググッと面談の密度というか、質が上がってきます。これは一例で面談ポートフォリオを挙げていますけれども、これは会社の方針とか状況によっても変わってくるので、あくまでも参考に見ていただければと思っております。

まずは標準層に加えて、支援強化層と安定稼働層というものを設定します。標準は60分を3ヶ月ごとだとすると、若手とか異動直後、問題やリスクを抱えている方については支援強化層として、3ヶ月ごとではなく毎月行うといったようなかたち。

ただ、降格対象になっているような方のPIP支援プログラムなどは、もう少し細かな対応が必要になってくるので、ここは、あくまでも若手の異動とか、多少のリスクがある方というところで捉えていただくほうが良いかなと思います。

もう1つが安定稼働層ですね。これは30分ということで、タイトにはなるんですけれども、クイックにやるかたちになります。ここについては所属長、上司の方がしっかりとコメントを併せて付けていただくようなかたちです。

この方は自走ができていて、現時点でもリスクとかが少ないので、クイックにチェックをしながら行っていきます。あくまでも放置ではないので、本人希望を確認しながら、もし本人が「標準スタイルで実施したいです」ということであれば、もちろんそちらにまわっていただく必要があるかなと思っています。

放置にさせないために、人事がPMOとして中身をしっかりとチェックしていく。コメントを回収をして、チェックをしていくことが大切になってきます。こういったところをしっかりと人事が見ながら適正な面談を行っていくことによって、「時間がないから省略する」という中間面談から、最小限かもしれませんが、事業と人をつなぎ直すための、効果のある対話に変えていきましょうというところです。

目標に入っていない案件対応の評価を、一次評価でどう拾い上げるか

続きまして、一次評価・二次評価です。一次評価・二次評価ですが、「一次評価はどんな役割か?」というと、事実と根拠をしっかりと拾いきっていただくというかたちです。二次評価では、根拠を点検して、部門をまたいで整えていただくところがポイントになってきます。

ケース4。事例を読み上げますと「Aさんの緊急案件の対応は助かった。ただ、目標にのっていないから根拠が弱い。今の目標に照らすと本当はC評価寄りだけど、揉めそうだからB評価で提出するしかない」といったようなケースですね。これはつまりは、緊急対応案件をAさんにお願いをしていたために、目標達成としては結果的にあまり評価が良くないんだけれども、お願いしてしまった手前、B評価で出さないと揉めてしまうかな? というところの案件になってきます。

緊急案件がどうしても頼みやすい人に寄ってしまっている環境もあろうかなと思うんですが。

ここでの問題点なんですけれども、そもそも評価が「証拠」ではなく「揉め回遊」で決まっている。揉めてしまうかどうかで決まっているかたちですね。

あとは部門ごとの割り込み、緊急案件が入ってきたりした時に、それが評価の中に適切に織り込まれていないような場合というのは、制度上の評価不能を起こしてしまうというかたちですね。

こういうことが起こってくるとどうなるかというと、結果として無難なB。要するに、評価の中央化現象が行われてしまって。優秀な人たちが「がんばりが報われないから」ということで、学習が止まってしまう、エンゲージメントがダウンしてしまうというような危険も出てきます。

先ほど言った、緊急対応が特定個人に偏っていくというような属人化になっているわけですが。この「緊急対応」の重要業務が、役割プロセスではなく、個人のがんばりで成立してしまっているというような状況があると。

評価可能な仕組みを整えて、安心感につなげる

こういった対応について、組織であったり、人事の人はどうするかというと、「評価者の力量不足だよね」ということで片づけてしまうのではなくて、評価可能なかたちに変換する仕組みを作っていきましょうというご提案です。

実際に割り込みの量が、どの程度の影響度を及ぼすのか? 見えていないところを見える化して、割り込み対応を評価の根拠に「なし」ということではなく、一定のルールを越えたものについては、しっかり評価していきましょうということです。

実際にクライアントで実施をしてうまくいったケースなので、1つの例としてご紹介をさせていただきます。緊急案件で、とても急いで対応しなければいけない時に、目標どうこうの話というのは、(そのタイミングでは)なかなかしにくいというところがあります。

なので、ここに挙げた「1分ログ」というようなかたちで、「誰の指示で、どんな背景で、いつまでに、どれぐらいの稼働が必要なのか?」とか、「これによって、止めた業務にどんな影響が出るの?」というところのログを残します。

追加業務、緊急案件が積み上がっていって、ここの会社さんのパターンで稼働が1割から2割が変わったような場合、(その場合)というのは「もう会社都合だよね」ということで、評価の見直しをしていくというようなかたち。

この見直し、目安があることによって、上司は漏れを防ぐことができますし、メンバーも「緊急案件もしっかり評価されるんだ」という安心感につながっていくというところでございます。

二次評価の型

(スライドを示して)一次評価の型はこういうかたちで進めていっていただくんですけれども、二次評価の型のチェックを簡単に載せさせていただきました。割り込み案件の多い企業さまや部署の場合においては、割り込みの事実のログを二次の方にも確認していただく。

あとは、次回きちんと、円滑にまわるように手順化、仕組み化されているのかどうかとかを見ていただきながら、二次評価の方からもしっかり評価に反映していただくと、従業員としても納得度が増していくのかなと考えております。

二次評価が一次評価に引っ張られてしまう現象

今回のケースとはちょっと内容が異なってくるんですけれども、二次評価者が、一次評価に引っ張られてしまう現象が数多く寄せられているものですから、「引っ張られてしまう主因って何かな?」というところを書き示させていただきました。

二次評価の本質というのは、一次評価をただ採点し直すということよりも、会社としての説明可能な評価にするガバナンスというところにありますので。引っ張られてしまうことを認識していただきながら、しっかりと評価の根拠を見ていくようにしていただくといいのかなと思います。

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