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<奥伝>『評価運用道場2025』 ~公平と納得を両立する、評価運用の極意~(全5記事)

「去年ベースで立てたとりあえずの目標」が評価への不信感を招く コンサルタントが語る、曖昧さを排除した目標設定の進め方 [2/2]

人事評価の納得度に大きく影響する目標設定

では実際に「目標設定面談」から、お話をしていきたいと思います。人事評価の納得度を高めるためには、期末の評価よりも目標設定が重要となってきます。

しかし、多くの企業さまでは期末の評価の納得度の低さというものを、目標設定の曖昧さと気がつきながらも、評価結果のフィードバックの不適切さというところに焦点を当ててしまって、評価研修などで対応している企業さまも多いのではないかなと思っております。

評価・報酬制度の運用における課題

(スライドを示して)こちらは評価・報酬制度の運用における課題について、約6,000社の方が回答しているアンケート結果になります。ここでも見てわかるように「評価者による基準や運用のバラつきがある」というところが67.7パーセントで、(多くの企業が)課題感としてお持ちですけれども、このバラつきの出発点って、実は評価の入り口の目標設定とも言えると思っています。

部署や人によって目標の難易度や測定基準が揃っていないと、同じ成果でも評価が揺れてしまって、いくら評価者研修とかフィードバックを強化しても、歪みというのは、残るのではないかなと思っております。

ここは例にも挙げましたが、「新規10社開拓」というところで、「売上10万円以上/四半期」としているのとか、新規開拓を増やす「測定無し」では、そもそも評価の土台が違うといったようなところを、細かに見ていただく必要があるのではないかなと思っております。

なので、公平で納得感のある評価というのは、目標設定を揃えることで対応していくことがポイントだと思っております。

(スライドを示して)ちょっと下のところに目線をズラしていただきまして、企業別のデータも出ています。今回もさまざまな企業規模の方にご参加いただいておりますけれども、やはり企業規模が100人を超えてくると、拠点・部署で目標の難易度がズレてきます。500人を超えてくると、職種が増えてきますので、目標のタイプが多様化して混在してきます。

そのため、目標設定の目合わせが難しくなってきます。さらに5,000人を超えてくると、事業とか地域間で目標連鎖が複雑になってきますので、人事の方々も「目標と報酬の連動ロジックの透明性」というところが難しくなってくるというわけです。

目標設定時に起こりがちなこと

さっそくケース1に入っていきたいと思います。目標設定面談です。目標を設定していただくことが最初のスタートになるんですが、この時に、まだ部門目標が決定していないんだけれども、期限は動かせないので、「去年のベースを叩き台にして目標を作ってよ。あとで修正する前提でいいから」というようなかたちで上司の方がメンバーに言われるケースを、実際に私も見聞きしております。

この場合、上司の本音としては「提出遅れで人事に迷惑をかけたくない」という気持ちであったりとか、「部門長の決定待ちで動けない」とかが往々にしてあります。メンバーの気持ちは、「はい」と答えながらも、内心は「今年の期待がわからない、優先順位がわからない中で去年ベースで作るのは、まぁ難しい」「あとから『これ、違うよね』みたいなことになってしまうのではないか?」という不安があります。

これは実際に聞こえてきた声なんですが、「どうせ修正するんだったら作成する意味ないですよね」みたいに人事に言われるケースもあります。

この問題が発生する組織は、どういうところに問題があるのか?

「こういったことが発生する組織って、どういうところに問題があるのか?」というと、予算とか組織改編、重点施策がなかなか期初に確定しにくいところであったり、部門KPIが売上などに偏っている場合であったり、あとは最近増えているのが、管理職がプレイングマネージャーで、「目標の言語化」が自分自身で後回しになってしまっているので、メンバーに落とせないといったケースもあるのかなと思います。

ここで今一度ではありますが、成果目標の目標設定というところで、しっかり押さえておく必要があるかなと思っているんですが、本来はビジョンとかですとか事業計画から組織目標が下りてきて、それが課に下りて、個人の目標になってくるわけですね。それで個人へ今年の期待とか役割を伝えて、目標を設定していくわけです。

その目標を設定して、達成度3を期待役割の100パーセントだと仮定した時には、個人目標がすべて100パーセント、達成度3になることで、部門の目標が達成されて、それで会社の目標が達成される。それが業績向上に結びついて、その結果、昇給に反映されるというかたちなわけですよね。

なので、本件のようなケースの場合というのは、そもそも目標の積み上げが、会社の業績にどういうかたちでつながっていくのかが見えないので、目標が立てられないわけなんですよね。

こういうことが、結局のところ冒頭で示したグラフのように、バラつきの出発点の1つになってしまう。ただこれは、まぁまぁよくある話ではあります。

暫定のまま走らせることが問題

ここで「何が問題点か?」というと、暫定で立てたものを暫定のままで走らせることが問題なわけですよね。目標設定の本質はもちろん「今年の期待値の合意」ではあるんですけれども、もし仮に暫定で出すんだとするならば、目標としては「今期の期待値の合意」が未成立な状態で走らせることはできないわけですね。それをしてしまうと、期末に説明不能な状態になって、評価不振に直結してしまう。

この場合の対応策としてご紹介をしていきたいのは、2つあります。1つは、本来あるべき姿というところで、現場の「とりあえず」をなくして、上流の意思決定を制度プロセスに埋め込む・決め込むというものですね。もう1つは、どうしても上流が遅れる場合、後出しの評価をなくすために、仕組みで封じていくかたちになります。

現場の「とりあえず」をなくして、上流の意思決定を制度のプロセスに埋め込む

じゃあ「人事の方の役割って何?」っていうところですが、ここはプロセス設計者ということで、暫定を暫定のままに流さないためのルールであったり、運用点検などの基盤だったりを設計していくことになります。

(スライドを示して)ここに、まさに人事の方に進めていっていただきたい「現場の『とりあえず』をなくして、上流の意思決定を制度のプロセスに埋め込む」方法を書き示しております。締め切りを日付管理でしていくところがほとんどだと思うんですけれども、日付管理だけになりますと「とりあえず」の姿がどうしても出てくるかなと思っています。

ですので、ここでお願いしたいのは、日付だけではなくて、「その工程の中で、何を・どこまでに決めておかなければいけないのか?」というところを、しっかり明文化していただくのがいいのかなと思っています。

未確定な場合の例外ルールですね。暫定で進める場合のルールも、現場に丸投げするのではなくて、しっかりとルール化して行っていくと。

日付だけでの管理や、ともすると人事がお願い役に走り回っていて、PMO、評価制度の運用基盤の設計者とか、運用責任者になっていない場合も多いかなと思っております。そこのところをしっかりと、人事が仕組みを作っていくところが大切かなと思います。

暫定版でも評価可能なかたちにしておくことが大切

とはいえ「どうしても上流が遅れてしまう組織」もありますので、その場合の方法について少し書かせていただきました。まずは暫定で作るわけですが、「とりあえずを出す」ではなく、「前提合意の場」として使っていただくかたちです。(スライドを示して)下に留意点として掲げさせていただきましたが、暫定でも評価可能なかたちにしておくことが大切です。

私がクライアントさまで見ていた時に、「暫定版は我が社もやってます」ということで、「では実際にやられているものを見ていきましょう」と確認をしたら、実際的には評価可能なかたちではなく、業務リストみたいなかたちになってしまっていた。結局、評価できる成果や指標、KPI、期限が書かれていなかったので、「実際にはこれは評価としては使えないですよね」と。

なので、今申し上げたような成果、指標、期限をしっかりと明記する。併せて、どうしてもこういったケースの場合、定性目標が多くなる傾向があるんですけれども、その場合には状態定義、「どうなっていれば達成か?」をきちんと書いていただく必要があります。

ここまでしていただいて前提合意の場として使い、部門方針が出たあとに、しっかり確定をさせる。ここからは人事の方であったり、管理職の方にもご協力をいただかないといけないんですが。この変更管理というところを、きちんと「エビデンスを取っておきましょう」ということです。

方針変更なのか、体制変更なのか、追加業務なのかといったところを、しっかりとエビデンスで残しておくことによって、評価のところに入った時に、変更履歴が説明材料となっていきます。

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