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「人が動く組織をつくる」~変革を“やり切る”ための人事とPMの構造知~(全5記事)

働き方改革の失敗から学ぶAIの使い方 日本企業が取り戻すべき「付加価値経営」と「問題発見力」

【3行要約】
・日本の働き方改革は労働生産性向上につながらず、むしろ「見ていられないほど下がっている」という厳しい現実に直面しています。
・元ニトリ執行役員の永島氏は「DXの失敗はAIで取り戻せる」と指摘し、AIを単なる人間の代替ではなく能力拡張に活用すべきだと主張。
・これからのAI時代、企業は単なる効率化ではなく、観察と意思決定ができる変革型リーダーの育成に注力すべきだと提言しています。

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日本では働き方改革の効果がなかった

西田友宏氏(以下、西田):すごく楽しいんですけど、あと10分ちょっとしかなくて。最後に5分ぐらい残しておかなきゃいけないので。あと5、6分とかなんですけど。QAもやりたいと思っているので、「これを永島さんに聞きたい!」っていうのを、どんどん打ち込んでいってください。打ち込んでもらっている間に、残りをいきましょうか。

永島寛之氏(以下、永島):はい。なので、分断は克服するべきものじゃなくて、つなげていくものなので。その架け橋を考えるというところですね。

最後に数分お話ししたいんですけど。

西田:どうぞ。

永島:やはり生産性の部分ね。付加価値経営ですけれども、働き方改革をやってから、実は見ていられないくらい(生産性が)下がってきているんですね。

その理由の1つが、労働生産性って付加価値、つまり粗利益のある労働量のことなんだけど、下を減らすことばかりやってきたんですよ。だから、日本ではDXとかがあまり付加価値につながらなかった。

アメリカだと、労働量を減らすことでその人たちに辞めていただいて、付加価値率が上がるんですけど。日本の場合は、残った人に対して何もしなかったから、結局あまり変わらなかったということなんですね。だから今後は、付加価値を作る経営に投資を変えていかなきゃいけないということがあって。

AIを能力の拡張に使っているか?

永島:最近よく話すのが、「DXの失敗はAIで取り戻せ」って最近よく言っているんですけれども。AIは当然、人間の代替として使えるんだけれども、「能力の拡張に使っているかどうか?」ということなんですね。「この話の一番言いたいところは何か?」というと、要は、今やっているプロジェクトにしても施策にしても「それは、どっちに効いているか?」ということなんですね。

西田:利益がね。

永島:労働投入量を減らすという。

西田:効率化のほうばかりいく。

永島:(効率化を目指す)プロジェクトのほうが多くて、付加価値を目指すプロジェクトは、やはり少ないんですよ。

西田:僕も今ここに来て思うのは、成果って見づらいじゃないですか。新しいモデルも、「これはやれば絶対に当たる」っていうのがわかっているんだったらみんなやってるけど。10割やって3割って、大谷翔平さんも一緒じゃないですか。打率って3割ぐらいしか当たらないわけですよ。

そこの中でどうやっていけばいいかって、みんな悩んでいると思うんですけど。

永島:そうですね。(スライドを示して)1つは「どういうプロジェクトをやっていくか?」っていうのもあるんだけれども、先ほどの僕がやっていた人材ポートフォリオって、これなんですね。このパーセンテージで、左下が7割。左上が3割だったんですよ。

自発的人材がほぼいないんですよ。なんだけど、商品部ではお値段以上の商品を作っていかなきゃいけないですから。(そういう)ニトリの状態があるんですね。

それで「これが続いていくと、どうなっちゃうか?」というと、将来、着実なリーダーは増えるんだけど、変革型のリーダーは生まれてこないんですね。

西田:そうですね。

永島:なので、付加価値を生み出すリーダーを作っていかなきゃいけないという施策をずっとやっていました。

人材ポートフォリオを作る

西田:どうやって作られるんですか?

永島:資料にはいろいろ書いてあるんだけど、1つだけお話をしていくとして……。

西田:ぜひ!

永島:「どんなタイプがいるか?」ということですね。このパーセンテージを決めることが、人材ポートフォリオ(を作る)ということだと、1つ考えておきたいですね。僕はこれを簡単なふうにやりました。なぜかというと、簡単にしておけば合意形成が取りやすいので。役員とか、現場と話しやすい。

人事とかって、難しいことをやろうとするんです。難しいことをやると、合意形成を取りにくいんですよ。「何を言っているかわからない人事」となるから、こういうわかりやすいやり方でやっていたんですね。

まぁニトリは生産性が高い会社でした。

西田:おぉー。はい。

永島:日本の平均の3倍ぐらいの生産性がある会社なんですけど。今日1つだけご紹介しておきたいのは、観察分析判断ですね。(スライドを示して)このレポートを毎週、新卒からみんなで書くんですよ。

西田:新卒から。

永島:分量は一緒だから。これはどう分かれているかっていうと、左側から観察して、分析して、判断する。どういう内容かというと、例えば「売上がどうだった」という話があって、それに対して「原因がこうだろう」と推察するんですよ。仮説を立てて、最後に「じゃあ、来週はこれをやる」という、短期的な目標と対策案を立てる。「全体としては、商品部はこれを変えるべきだ」とかね。その未来の目標を書くというのを毎週やります。

この観察分析判断なんですけど、昔は判断をする人に分析能力が問われていることがあった。「問題解決が大事だ」って言われてたんですよ。なんだけど、今は問題解決とか、分析とか、判断って、AIでかなりできるんですよね。
 

人間がやることは「観察」

永島:だから「人間がやることは何か?」っていうと、結局観察なんですよ。

西田:観察したあとにやり切るんですよね。

永島:結局それが後ろにあるんだけど。観察と判断で出てきた改革案を、「どれをやるか?」という意思決定をすること。それがやり切ることにつながるので。

観察して自分で選んだものだから、やり切れるんですよ。人は判断に時間を使い過ぎているというのが問題で、特にこれからは観察、問題発見(が大事)。問題解決なんてどうでもよくなってきているんですよ。

問題発見が大事で。そういう部分ができない会社が、人が多いと中でなかなか問題がわからないということで。

西田:なるほど。

永島:本当におもしろいんですよ。現場の人たちが考える問題発見って、僕らも本部にいるとぜんぜんわからないんだけれども、いろいろな問題が発見されていくと……。

(スライドを示して)店長と一緒に他社を見学しに行って、こういうグラフを書くとかね。「他社はどんなプライスラインか?」みたいなことをやっていって。

そうすると商品部とかで新しいもの(が出てきて、それ)を作っていくっていうことが生まれてきたりするんだけれども。

この問題発見というところですね。僕らがこれからのAI時代にやっていかなきゃいけないのって、たぶん問題を発見することと、問題を判断されたものから選んでいくこと。シナリオを選ぶということと、それを実装していくということなんですね。

西田:お互いにソニーにいたこともあるから、昔の例で、「(人って)いつでもどこでも音楽って聞きたいはずじゃん?」と。

永島:そういうこと。

西田:そういうことですよね。

永島:まったくそのことで。そのままなんですよ。それができる人が増えていかなきゃいけないというのが、会社の課題感です。言われたことをキッチリとできる人はすごくいっぱいいて、優秀な人も多いんだけど。

西田:特に日本ではね。

永島:そう。今あるものを「ちょっとこれは違うんじゃないか?」「こうしたほうがいいんじゃないか?」「こういうお客さんがいるんじゃないか?」ということに気づくことですね。こういうことをやっていくことが大事になったということですね。

ここの項目で何が一番言いたかったのは、1つは人材として付加価値を生み出す人材を、どう育成しようとしているのか。まぁ会社によりますけどね。あるいは、事業を意思決定する時に、それが付加価値を生み出すものになっているのか、それとも労働投入量を減らすためにやっているのか。その判断は常に意思決定者がしていかなきゃいけないんですよね。

コンフォートゾーンから抜け出すためには、動かさないといけない

西田:話が尽きないんですけど。せっかく質問をもらっているので、質問にいきましょうか。

「典型パターンを知りたい」「コンフォートゾーンから抜け出すための対話を教えてほしい」と。コンフォートゾーンにチャレンジしていかないといけないよという先ほどのお話で、「どうやって話せばいいの?」っていう質問。

永島:どうやって話すかということですよね。コンフォートゾーンから抜け出すためには、動かさないといけないんですよ。配置を変えたり、アサインメントを変えたり。今やっている仕事をまずは変えていくんですね。それでいったん不安になるような状況にして。そこにフィードバックとか、1on1とかのやり取りをしていかないと、成長のしようがない。

西田:対話するだけじゃなくて。

永島:環境は何も変わらないですよ。

西田:例えば、我々が英語をできないのに「海外赴任に行け」って言われたみたいな、そんなことをやれってことね。

永島:それができなければ、お客さんを変えるとかね。

西田:お店を変えるとか。

永島:大手に変えるとかね。

西田:なるほど。

永島:何でもいいんですけど、ちょっと動きを付けて、できなくなっているところへのフィードバックをちゃんとやるというのが大事。

西田:わかりました。

人事が重視すべき今後のタレントマネジメント

西田:次に「報酬提示が効果的と聞いて、あえておうかがいすると、昔はやらなくてよかった?」。

永島:やらなくてよかったです。

西田:勝手に成長していっているから、「言うこと聞け!」みたいな。

永島:「言うことを聞く」という前提があったので。若い方は空気を読んで今もそういうふうに振る舞ってますけど。

西田:それは空気を読んで振る舞っているだけ?

永島:振る舞っているだけですね。

西田:なるほど。

永島:そういうふうになってきました。僕とか西田さんみたいなタイプは、昔からそっちだったのかもしれないですけどね。

西田:まぁ、ソニーにいる人は勝手にやる人がけっこう多いですね。勝手に作っちゃったりとかね。

永島:ちょっと参考にならないんだけど。

西田:「変革的なリーダーがなんで作りづらくなるの?」と。

永島:僕が言っていたのは、オペレーショナルな会社だったから。僕がいたところはね。変革型リーダーしかいないような会社もあるんですよ。

西田:例えば?

永島:広告会社とか。わからないけどね。

西田:アーティストとかそうじゃないですか?

永島:そういう世界はそうなんだけど。(スライドを示して)例えばオペレーションの会社って、ほとんど左側なんですよ。

西田:なるほど。

永島:左側の人は評価されていくんですよ。右上の人って評価されないんですよ。

西田:されづらいですね。

永島:「あいつは自分のことばかりやっている」ということで、どこかに埋もれちゃったりするんですね。今後のタレントマネジメントというのは、早いうちに右下の人を探して、そういうところから外してあげるっていうことが、人事では大事になってくるっていう話ですね。

西田:ありがとうございます。時間がアレなので、今日はここまでとさせていただいて。答えきれなかった人はすみません。今日はありがとうございました

永島:いっぱい質問があったら、質問に答える動画を撮って公開しましょうかね。

西田:そういうのもやりたいと思いますので。今日はお忙しいところ、みなさん、ありがとうございました。

永島:どうもありがとうございます。

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