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(2026年再掲版)だかぼくオープン講演「難しい人間関係を解決する、コミュニケーションの技術」(全1記事)

指摘したら「申し訳ありません」で終わってしまう部下 メンバーが心を閉ざす上司の「言い方」 [1/2]

【3行要約】
・指示待ちや忖度する部下との対話がうまくいかず、「申し訳ありません」で終わる一方通行の会話に悩む上司は少なくありません。
・斉藤徹氏は、このような部下は実は真面目で解決しやすく、問題は上司の「あなたメッセージ」による非難的な伝え方にあると指摘します。
・上司は自分の困りごとを「私メッセージ」で伝え、相手の現場状況を想像しながら傾聴し、具体的な選択肢を示して共創することが必要です。

本記事では、特に反響が多くあった同イベントの3記事目を再掲します。
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部下との「対話」がうまくいくステップ

斉藤徹氏(以下、斉藤):ここからは、対話をどうしていくのか、対話でどうやって問題を解決すればいいのかという基本パターンのお話です。ここでは「ゴードン・メソッド」をベースにします。

ゴードン・メソッドでは、最初に相手の持っている問題か、自分の持っている問題かを切り分けて、それによって話し方を変えます。今回のテーマは、プロジェクトの進捗が良くないという自分のチームの問題です。だから、(上司である)自分が問題を持っているケースのメソッドを使います。

自分が問題を持っている場合は、3つのステップがあります。まずその問題に対して、「私メッセージ」で伝えるのが最初の一歩です。

自分が問題を持っていると、相手に伝えること。続いて、相手の話を能動的に傾聴する。3つ目は、その上で信頼関係ができて、相手が話す気持ちになってきたら、第三案を共創する。こういうステップで解決をしていきます。

部下の行動を非難しない「伝え方」の工夫

斉藤:このケースのような場合、まず「もっと積極的になってくれよ」みたいなことが、どうしても頭の中に出てきます。しかし、頭の中に浮かんだまま「あなた」を主語にして、ストレートに相手の行動を非難すると、ほとんどの人は心を閉ざしてしまって、そこから先に進まなくなります。

だから、まず「私メッセージ」で、「私はこう考えているんだ。こう思っているんだ」と伝えることが大切ですね。「私メッセージ」はなかなか難しいので、もう少し具体的に考えていきましょう。

「あなたメッセージ」というのは、相手の部下の問題、言動とか結果を非難して、あるべき行動を要求することです。それに対して『私メッセージ』は、自分の課題と感情として伝えること。例えば「このチームをこうしたいんだ」「でもこういう問題があって、困っているんだ」とか。

自分にとっての理想と、現実とのギャップを伝える。自分の課題を伝えたら、その後に「だからこうなんだよね」と一次感情 (怒りは二次感情で、その前に不安とか心配とか悲しさといった一次感情がある)を添えて、率直に話す。これが「私メッセージ」です。

具体例で見ましょう。例えば「あなたメッセージ」というのは、「君はいつも意見がないよね。もっと発言すべきだよ」というやつですね。それに対して△なのが、中途半端な「私メッセージ」です。「ちょっと場が盛り上がらずに困っているんだよね。もっと発言してもらえるとうれしいな」と。悪くないんですけども、もう一歩踏み込んで、自分の理想と現実を伝える。

例えば、「僕は、このチームを自発的に動いて助け合うチームにしたいんだ。そうしたら、みんな仕事が楽しくなるし、成長できると思うんだよね。でも、なかなか実際にはうまくいかなくて悩んでるんだよね」という伝え方をする。これが「私メッセージ」です。

相手が「人生の主人公」だと考える

斉藤:続いて「能動的な傾聴」というのは、自分の気持ちを「私メッセージ」で伝えた後のお話です。「私メッセージ」で伝えると、どうしても自己主張が頭の中に残ります。でも、相手が話し始めたら、いったん自分のことは脳の顕在意識から取り除いて、さっきと同じように、相手が人生の主人公なんだと考える。

相手の気持ちに切り替えて、「相手の目線で世界がどう見えているんだろう」と、相手の思考や感情に想像力をフルに働かせてみる。「今どんな気持ちなんだろう?」「何が不安でそういう言葉が出ているんだろう?」と、他者の内面に意識を向けて、耳を傾ける。これが「能動的な傾聴」です。

私の問題を「私メッセージ」で伝えると、私の(目線から見えている)問題が場に出る。でも相手もいろいろ言ってくるので、相手が感じている問題も場に出る。「能動的な傾聴」はスティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』にも出ていますが、こんな感じですね。

多くの上司はレベル3までしかできていない

斉藤:普通、ビジネスでは「自分の目線で解釈して、評価しながら聞く」というのが一番多いですね。さらに上は、「相手の問題が何かを理解しようと努力する」ですが、「能動的な傾聴」はレベル5のことです。「相手の目線で、世界がどう見えているのかを理解しようと思って聞く」ということで、共感による傾聴ができると。

たぶん、職場でこういうふうに(レベル5で)聞いてもらうことは、ほとんどないと思うんですね。多くの人は、レベル3で(相手の会話を自分の目線で解釈し評価して)聞きますし、ひどい上司はレベル2(聞くフリをする)だったりします。

良い上司でもレベル4(相手の問題は何かを理解しようと努力する)ぐらいだから、部下の話をレベル5(相手目線で世界がどう見えているのか理解しようとする)で聞いてあげると、表情も変わってくるし、非言語コミュニケーションも変わってきます。

うなずいたり目を輝かせて、「なるほど。そういうことだったんだ」と言われると、相手は「この人は、自分のことを本当にわかってくれようとしているんだ。その上で、チームを良くしようとしているんだ」と感じます。

「自分を責めるんじゃなくて、チームを良くしようとしているんだ。プロジェクトをうまくやって、お客さんに喜んでもらおうとしているんだ」とわかると、信頼関係が生まれてくるんですね。

その上で第三案を共創する。先ほどのように、自分の問題は「私メッセージ」として場に出しました。相手の問題も「傾聴」することで場に出ているんですね。つまり、お互いの問題が場に出ていて「これを一緒に解決しよう」というのが「第三案の共創」です。

自分の持っている問題も、その人が持っている問題も「一緒に解決しようよ」と。言っていることだけじゃなくて、その人の背景をよく理解すると、解決にぐっと近づいていきます。

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