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(2026年再掲版)だかぼくオープン講演「難しい人間関係を解決する、コミュニケーションの技術」(全1記事)
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斉藤:お互いの価値観の違いも感じながら、「じゃあ、こうするのはどう?」と第三案をともに考える。第三案を共創するためには「私メッセージ」や「能動的な傾聴」がすごく大切です。解決策を引き出す時、コーチングの技術はすごく役に立ちますが、中でもおすすめなのは「GROW」という手法です。1on1の時もとてもよく効きます。

「GROW」のステップについて説明すると、まず「GROW」の「G」は「Goal(目標)」です。最初は、その人に「どういうところを目指しているの?」とゴールを聞く。その人の口から「こういう結果を目指しているんだ。こうなりたいんだ」というゴールが出てくる。
そうしたら「今はどういう状態?」と現実の確認をする。これは「GROW」の「R」で「Reality Check(現実の確認)」です。
ゴールとリアリティ(現実)がわかったら、今度はそこに行くまでのオプション「Options(選択肢)」を聞く。「どうやってそのゴールに向かっていけばいいと思う?」と聞きます。レベルがそこまでいっていない場合には、例を出したり自分の経験を話したりしながら、オプションを考えてもらう。
最後の「W」は「Will(意志)」です。「なるほどね。じゃあ、最初の一歩はどういうことをやろうか?」ということです。この「GROW」はかなり使えるので、ぜひ1on1で使っていただきたいと思います。問題解決にも使えますよね。
斉藤:では、今まで基本的なメソッドをお話ししましたので、ここからは実際に、今お話しした技術を使って、難しい部下とどうやって対話をするのか。ちょっと例を考えてみましたので、ご覧ください。今から3つのタイプを、難易度の順にお話ししようと思います。
最初は同調ゾーン(指示待ち・忖度)の人。このタイプは自分(上司)のことを見てくれているから、実はすごく解決しやすいです。続いて独善ゾーン(反発・愚痴)の人。この独善ゾーンにいる人は、けっこう能力が高いことが多いです。
自分がリーダー格になっていたり、能力が高いゆえに自己追求が行き過ぎて独善型になっちゃっていることが多い。一番難しいのが、無関心ゾーン(無気力・自己中心)の人ですね。では、どういう対話をすればいいのか、ちょっと考えていきましょう。
まず同調型からです。「普通に話すとこんな感じ」というものをご紹介します。(進捗が遅れ気味である指摘をした時に)「はい。遅れて申し訳ありません」「いや、なんで遅れているの。問題はどこにあると思う?」と言ったら、「申し訳ありません。とにかくがんばって、来週までに遅れを取り戻します」。
「でも短くてもいいから、進捗を共有してみようよ。僕も知りたいし」「はい。明日からそのようにさせていただきます」「うん、わかった。じゃあ、がんばってね」と。こういう感じで一方通行になっちゃいますよね。こういう部下にはどう話をしたらいいのか、ちょっと考えてみました。

まず「私メッセージ」では、「思ったことをなんでも言い合える場にしたいんだよね」と伝えてみます。その上でこのプロジェクトに関して、相手の視点で情景を想像して、相づちやうなずきを交えて傾聴する。
今日のステップの中では、「能動的な傾聴」はあまり多く入れていないんですが、現実の対話の中では「能動的な傾聴」がめちゃくちゃ大切になります。この「能動的な傾聴」ができているかどうかで、今日お話ししたことが、「なかなか難しいな」となるのか、「だいぶできました」となるのか、かなり変わってきます。
斉藤:そして信頼関係ができたら、「第三案の共創」をしてみる。じゃあ、ちょっとやってみましょうか。最初はだいたい同じです。「プロジェクトの進捗が遅れ気味だけど、どうすれば改善できると思う?」「はい。遅れており申し訳ありません」「遅れている原因は何だろう? どんな小さなことでもいいから、聞かせてくれるとうれしいな」「申し訳ありません」という感じになっちゃうんですよね。
ここで「私メッセージ」ですが、「大丈夫、進捗は遅れ気味でも、僕は君と一緒にこの問題を解決したいんだ。そのために、悪いことや気になることがあれば、真っ先に共有できる、何でも言い合えるチームになりたいんだよね。そういうチームを作りたいんだよ」と。
「だって、何か問題があったら、それこそチームやこのプロジェクトを良くするための学習のチャンスだからね。だから、ちょっとしたことでもいいから、気になることを共有してくれるとうれしいな」と言ったらどうでしょう?

「現場で一番困っているのは、お客さんのニーズが変わりやすいことでしょうか」とポロッと出てくる。「なるほど、そっか。お客さんのニーズが変わりやすいのか。具体的な例があったら聞かせてほしいな」と言うと、「はい。例えば……」と、いろいろな話が出てくると思います。
その時、ここがポイントなんですね。こっちの言いたいことを言うためになんとなく聞くんじゃなくて、相手の視点になって、現場のプロジェクトの状況を想像する。現場のことは、上司はあまりわからないことが多いですよね。相手のほうがずっと情報量は多いと感じながら、相手の視点になってしっかり傾聴する。

相づちを打ちながら、途中で「それは大変だったね。その時はどう対応したんだろう」と聞くと、「その時はこうだったんですよ」と、またいろいろと話をしてくれる。その時もしっかり傾聴する。
ある程度話し終わったら、「話してくれてありがとう。なるほどね。なかなか難しいところがあるんだね。じゃあ、この困難な状況に対応するために、例えば納期の期日を遅らせることは現実的だと思う?」と。
こういうふうに、指示待ちの人があまり考えていなかったことを、ポンと言ってみる。そうすると「あ、そこまでは考えていませんでした。とにかく今、言われたことをやるのに一生懸命で……」という感じになります。
斉藤:「例えば、お客さんに率直に現状をお話しして、期日を守ることと、新しい機能を追加すること、どっちを優先したいかを聞いてみることはできるかな?」と、このぐらいまで分解してあげることですね。たぶんこの部下は、経験したことがないだろうから、まだそこまで考えが至らない。
でもリーダーであれば、だいたい経験していますよね。だから先読みして、こういうことを言ってあげる。そうすると「そうですね。その選択肢を聞いてみることは可能ですね。今まで、僕が受け身すぎだったことが問題の真因かもしれません」と。指示待ちで忖度するような人は、すごく真面目なんですよね。
「いいね。君がさらに成長するヒントにもなりそうだね。チャレンジできる?」「はい。明日にでもお客さんに聞いてみます。そのために今日中にちょっと現状を整理してみます」。
「こういう問題を話すのは、なかなか難しかったりするよね。昔、そういう時に『信頼のトライアングル』という考え方を大切にして、うまくいったことがあったんだよね。僕のケースではけっこう効いたから、参考になるかもしれないよ」と。
「あ、これはいいですね! ありがとうございます! 参考にします!」となる。こんな感じはいかがでしょうか。ここでちょっと分析すると、最初に「私メッセージ」です。それから「能動的な傾聴」、そして「第三案の共創」というステップです。
「私メッセージ」では、「どうしてそんな答えしかできないんだよ」と相手の行動を非難するんじゃなくて、「こういうチームにしたいんだよね。悪いことでもなんでも、真っ先に安心して言えるようなチームにしたいんだよね」と自分自身の理想を話す。
「トラブルが起きていると、なかなかそうはいかないよね。だからそうなったらうれしいな」とポジティブに伝えることです。
斉藤:その上で「能動的な傾聴」。今日はさらっと書いていますが、ここがすごく大切なので、比重を置いたほうがいいと思います。特にまだ信頼関係ができてない時、相手がちょっとビクビクしている時は、「相手の視点からどう見えているのか」を想像して、共感しながら傾聴する。
その気持ちが目の輝きやうなずき、相づちなど表情になって、必ず非言語で相手に伝わります。だからここで嘘をついたり、別のことを考えながら「あ、なるほど」なんて言ったりしたらだめなんです。想像力を働かせて、本気で傾聴します。
こういうタイプの人は、自ら考えることにまだ慣れていないんですね。そういう人にポンと大きな課題を出してもできない。できなくてパニックになっちゃったりするんです。だから、「第三案の共創」では、「例えばこういうのはあるかな」と問題を分解して例示してあげます。例示する時も、「じゃあ、これとこれをやってみなよ」と押しつけたり、無理強いしない。
あと長々と話さないことですね。どうしても長々話しがちですが、むしろ短い言葉で「こういうことはどうかな?」「どう思う?」と常に会話のリレーを意識し、そこから価値を生み出す。「一緒に共創しているんだ」という感覚を作っていくことが大切ですね。
今日は、指示待ち・忖度を感じる部下をお持ちの方がとても多かったですよね。3分の2の方はそう感じていらっしゃったので、実際こんなふうに話してみたら、もしかしたら問題が解決に向かうかもしれません。
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