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これでイイのか⁈「指示を待つ部下」webセミナー(全4記事)

指示を出すほど部下は劣化する 4社の事例で判明した「指示待ち」の本質 [1/2]

【3行要約】
・指示待ち社員の存在が多くの企業で課題となっていますが、その根本原因と効果的な育成方法については十分に理解されていません。
・髙桑由樹氏は4社の具体事例を通じて、指示待ち問題の本質は部下の「わからない」と上司の「任せられない」という相互の課題にあると分析しています。
・企業は部下の現在地を正確に把握し、段階的な育成ステップと環境整備により、自律型人材を育成する必要があります。

前回の記事はこちら

4社の事例で見る「指示待ち社員」の実態

髙桑由樹氏:セミナーにご参加いただいたみなさんにも、ご自身の会社にいる「指示待ちの部下」を1人思い浮かべていただきました。そのうえで、その方の現在地を捉える、というワークをやってもらいました。

考え方は、先ほどお話ししたものと同じです。まず縦軸で、「今、どこに問題があるのか」「どこで壁に突き当たっているのか」を考える。そのうえで、その段階において「何ができていて、何ができていないのか」を整理するというやり方です。

ここで言う「何ができるのか」というのは、「指示がなくても、どこまでできるのか」ということです。逆に言えば、「指示がないと、どこから先ができなくなるのか」ということですね。この2段階で考えてもらいました。

そうすると、これは一部抜粋ですが、4社ほど具体的な例が出てきました。例えばA社さんでは、「標準的な業務は回せるけれども、イレギュラーなことになると苦痛に感じている」という整理がありました。

B社さんも少し似ています。「指示された業務は進められるけれども、周囲を動かすことが苦手」という声です。C社さんでは、「言われたことはこなせる。でも、自分のアイデアを出すところまではいっていない」という話がありました。

D社さんの場合は、「マルチタスクを自分でやり切る力はあるのが強み。ただし、それを周囲の力を借りながら進めることができない」という整理でした。

このように、いろんな会社から、いろんな意見が出てきました。部下が10人いれば、10通りの現在地、10通りの課題があるということですね。

指示待ち社員を抱える4社に共通した課題

ただ、今回このワークを通じて、少し共通して見えてきたことがあります。

1つ目は、「仕事のおもしろさ」や「手応え」を感じるところで、止まってしまっているケースが非常に多いということです。体感としては、かなり多くの会社さんがここで足踏みしている印象でした。

つまり、指示待ちを抜け出すうえでの突破口として、「おもしろさ」や「手応え」をどう感じさせるか、ここが大きなキーワードになってくるということです。

もう1つ見えてきたのは、整理はできているものの、「それって本当に、部下の本音を捉えきれているんだろうか?」と疑問を持たれた方が多かったという点です。

例えば、「部下が感じている『わからない』を、上司として本当に捉えられているのか」とか、「部下が感じている『仕事のおもしろさ』を、ちゃんと理解できているのか」といった問いですね。

部下の立場からすると、「わからない」ということを、上司に対して正直に言うのは、やはりハードルが高いものです。そう考えると、上司が「本音を捉えきれているか」というのは、簡単な話ではありません。

だからこそ、まずは推し量ろうとすること、そして、きちんと聞こうとすることが大事だよね、という声が多く出ていました。

指示出しマネジメントを続ける限り、上司以上の部下は育たない

ということで、このワークを踏まえて、少し整理をしてみます。「指示待ち問題の本質」という話です。

まず部下側の問題としては、「仕事がわからないから指示を待つ」という側面がありました。やる気がないわけではなくて、やりたい気持ちはあるけれど、何をどうすればいいのかわからないから、結果として指示を待つ状態になっている、というケースですね。

もう1つは、上司側の問題です。これは先ほどからお話ししているとおり、本当は上司も、逐一指示を出し続けたいわけではありません。できることなら、部下に任せていきたいと思っているはずです。

ただ、問題はそこにあって、部下の現在地が見えづらい。先ほどのワークでもありましたが、「部下がどこまで理解しているのか」「何を考えているのか」が見えにくいんですね。そうすると、「どこまで任せていいのかわからない」「どこから先は危ないのかわからない」。

結果として、「丸ごと任せるのが怖いから、逐一指示を出す」という行動になっていきます。そうすると、指示を出せば出すほど、部下は指示を待つようになる。この悪循環が生まれている、という構造です。

先ほどのワークでも出てきましたが、やはり重要なのは、部下の現状の精通度、つまり「どこまで理解しているのか」と、習熟度、「どこまでできるのか」を、事実ベースで上司が把握できているかどうかです。

これが把握できていれば、必ずしも逐一指示を出さなくても、「ここまでは任せられる」「ここはまだフォローが必要だ」という判断ができるようになります。つまり、「指示」ではなく「任せる」という選択が取れるようになる。ここが、課題解決の1つの糸口だと考えています。

あらためてですが、指示出しというのは、上司がこれまで培ってきたやり方を、そのまま部下にコピーして渡している状態です。コピー&ペーストですね。ただ、コピーを重ねていくと、どうしても劣化していきます。

そう考えると、指示出しマネジメントを続けている限り、上司以上の部下は育たない、ということになります。だからこそ、指示を出し続けるマネジメントから、どう脱却していくか。ここが、非常に大事なポイントになってくるわけです。

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