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はじめてのリーダーを“孤立させない”未来デザイン(全4記事)

リーダー層を疲弊させる“経営と現場の板挟み”問題 キャリアの迷いを断ち切る“自分軸”の作り方

【3行要約】
・リーダー層は上下からの板挟みで疲弊しやすく、主体性の欠如や変革疲れなど構造的な課題を抱えています。
・森隆剛氏は「リーダー層支援」として、自己のキャリア自律(Lead Self)を土台にしたアプローチを提案します。
・組織変革を成功させるには、リーダー自身が「ありたいリーダー像」を明確にし、アイデンティティとアダプタビリティのバランスを取ることが重要です。

板挟み状態のリーダーをどう支えるべきか

森隆剛氏:本日のテーマは「リーダー層支援」です。偶然ですが、私は昨日、ある会社さまでリーダーさま向けに研修をご提供させていただきました。我々は、今のリーダー層は管理職とメンバーの間に位置し、いろいろなことが求められているポジションであると認識しております。

では、具体的にどのようなことが起きているのか? まず、経営層や上司から何を求められるのか? 例えば会社全体としての方針の遂行、そして成果の創出です。また、あらゆる企業が今、この変化の時代に組織の変革を行っておりますので、その変化の担い手の中心人物としてリーダーがどう活躍するのか? このあたりが会社側の期待としてございます。

一方で、メンバーからは、どのような期待があるのか? 例えばメンバーの方が目の前の仕事に納得感を持って取り組めるようなご支援。あとは、「メンバーの方がどんなことに悩んでいて、また、どんなことを実現したいと思っているのか?」に対する共感。

そして、メンバーの方が仕事の中で自分の無力感や不信感を感じずに、目の前の仕事に取り組めるような心理的安全性をリーダー層がどう確保していくのか。つまり、上下からの板挟み状態で、多くのリーダーが疲弊しやすいといった構造的な問題があります。

リーダーによくある4つの課題

(スライドを示して)また、「よくある状態(現場の声)」として、私は年間におそらく150から200社ぐらいの会社の方とお話をさせていただくんですが、多くの企業で起きているリーダー層の課題として、大きく以下の4点が挙げられます。

1点目が「主体性が弱い」。つまり、言われたことはやるが、それ以上の提案や行動が出てこないという受動的な姿勢が目立つ状態です。(スライドの)右側にいきます。2点目は「部下育成が業務の延長」。つまり、人材育成を重要なミッションとして捉えられずに、日々の業務指示や管理の延長線上でしか関われていない状況です。

そして(スライドの)左下は、「変革に疲れ、守りに入る」。度重なる方針変更や改革要求に疲弊し、新しいことへの挑戦よりも現状維持やリスク回避を優先してしまう。つまり、目の前の数字を追いかけることが大きな目的になってしまい、メンバーのキャリア育成や、はたまたリーダーご自身がどのように自分のキャリアを作っていくのかに目を向けることがなかなかできない。

(スライドの)右下の4つ目です。「自分のキャリアを考える余裕がない」。目の前の業務と部下対応に追われ、自身の将来や成長について考える時間をまったく持てていない。こういった声が挙げられます。

この4つは大きな論点に過ぎず、現場を見ていくとさらに細かな問題が多数発生していると、我々もいろいろとお話を聞く中で感じています。

ここでの疑問として、「この状態で果たして前に進めるのか?」「前に進むとはどういう状態か?」があります。人事の方々の目線でいきますと、そこに向けて組織変革や人的資本経営をどのように実現していくのか。

このあたりにミッションを抱えていらっしゃる方が多いかとは存じますが、果たして本当にこの状態で前進することができるのか? 多くの場合、「No」と答える方が多いのではないでしょうか。リーダーが疲弊し、キャリアの展望を持てないままでは、組織全体の変革も停滞してしまいます。

リーダーシップを3つに分解して考える

ではここで、具体的にどのようにリーダーの未来をデザインしていくのか? 私から大きく分けて2つのお話をさせていただきます。この2つというのは、ハード面の話とソフト面の話です。

つまり、ハード面は「仕組みとしてこのような状態をどう解消していくのか?」。ソフト面は「どのようにリーダーをトレーニングしていくのか?」。大きくこの2つの話をさせていただきます。

最初にソフト面の話から入っていきます。リーダー層には、いわゆるリーダーシップが求められています。このリーダーシップとは非常に曖昧で抽象的な言葉ですが、我々の中では大きく3つに分解をします。それが「Lead Self」「Lead Others」「Lead the Team」です。

つまり、リーダーとしての成長や挑戦は、まずは自分自身を主体的に動かし、そして横の人を主体的に動かし、最後は全体を主体的に動かす。この3つのプロセスがあると捉えています。

「おのれが立つ」自立から「おのれを律する」自律へ

まず1つ目の「Lead Self」。こちらは言わずもがな、個人としてのキャリア自律の実現でございます。我々のセミナーに何度かご参加いただいている方にはよくご覧いただいている図かと思いますが、本日初めての方もいらっしゃると思いますので、簡単にご説明します。

まず、キャリア自律の「自律」という言葉に目を向けた時に、「おのれを律する」という「自律」と、「おのれで立つ」という「自立」の2つに分けることができます。

まず、「おのれが立つ」のほうの自立は、(スライドの)右下です。他に依存しないで自力でやっていける、つまり「自ら立つ」状態です。自分で業務を遂行できる状態であり、一メンバーとして新しく組織に入ってきた方が最初に目指す状態です。

もう少し具体的に言いますと、HOWを習得している。つまり、「目の前の業務に対して、どうすればそれを克服できるのか? また、その課題を乗り越えられるのか?」がわかっている状態が、「おのれが立つ」のほうの自立でございます。

一方で「おのれを律する」のほう(の自律)は、(スライドの)右上です。自らの律を持ち、それに基づいて評価し、判断し、行動できる。つまり、自らを律し、方向付けできる状態です。

もう少し具体的にお話をさせていただきますと、ご自身でWHYを設定し、そこからWHATも設定できる状態を指します。

つまり、「目の前の業務に対して、今なぜそれをやらなければいけないのか?」(というWHY)を自らで判断できる。ということは「今やっているHOWではなく、やるべきこととしてはこっちをやったほうがいいんじゃないのかな?」と、他のWHATを作り出すことができる。「その新たなWHATに対してどのように遂行していくのか?」というHOWまでを立てることができる。

いわゆる、このWHY、WHAT、HOWを自分で作り出し、他を巻き込める状態。これが、「おのれを律する」ほうの自律と捉えております。

この自律をする上で、我々のキーワードとして2つ挙げております。アイデンティティとアダプタビリティ。アイデンティティとは、つまり自分らしくある状態です。自分が将来どうなりたくて、そして目の前の業務でどのようなことに取り組みたいか。こういったことが明確な状態が、アイデンティティを確立できている状態です。

キャリアは仕事だけではなくライフの部分も含める

一方で、アイデンティティのみに偏重してしまうと何が起きるかでいくと、「自分にはやりたいことがあるのに、組織はやらせてくれない」。リーダーとしてこういった発言が出た場合に、組織としては非常に困ってしまうのではないかと思います。

なぜなら、メンバーの方が今と同じような言葉を発した時に、リーダーとしてそこをどのように導いていくのかは(リーダーにとっても)大きな問題だからです。

ここは取り組むべき大きなテーマかと思います。そこに対して重要なコンセプトがアダプタビリティです。アダプタビリティとは変化を活かす力です。つまり、社会情勢全体が変化する中で、もちろん組織として取り組むべきことも変わっていきます。その中で、ご自身のアイデンティティをどのように実現していくのかをアダプトさせていく。

つまり、「今ある環境に対して、自分をどう適応させていくのか?」と「どうアイデンティティを実現していくのか?」の循環を生み出すことで、真の意味でキャリア自律を実現できると我々は考えております。

ですので、このアイデンティティとアダプタビリティを確立できている状態、つまりキャリア自律ができている状態ですと、そうではない人材に比べて個人パフォーマンスや人生満足度が高いのは当たり前です。

特筆すべきは、(スライドの)左から2番目のワーク・エンゲージメント。つまり、組織に対してのエンゲージメントも向上するというデータがパーソル総研さまからのデータで出ております。

まとめますと、いろいろなテクニカルスキルやリテラシー、ポータブルスキルなど、リーダーとして身に付けていかなければいけないスキル面はもちろんございます。

ですが、それらをすべて扱いこなす上で、「仕事にどう向き合うのか?」「おのれを仕事に対してどう適応させていくのか?」というスタンス面の土台を大きくする。そうすることで、より多くのテクニカルスキルやリテラシー、ポータブルスキルを乗せていける。そして、我々が目指すところとして、「キャリアは仕事だけではなくライフの部分も含める」と定義しております。


リーダーの当事者意識が強化される

なので、「このビジネスを通してどのような生き方をしたいのか?」という意識や思い、人生哲学をしっかりと構築する。そうすることによって、例えばビジネスの中でどんなことが起きようとも、それを「当事者として何が起きているのか?」とご自身が捉え直すことができ、主体的に目の前の業務に取り組むことができると考えております。

ですので、まず「Lead Self」としましては、キャリア自律を軸にした支援が、組織としてリーダーに対してまず提供する部分であると我々は捉えております。

また、リーダーですので、ありたい姿は「個人としてどうありたいか?」ももちろん重要ですが、「あなたはリーダーとしてどうありたいのか?」という問いを投げかけてみる。

そうすることによって、「今その人物がリーダーとしてどのような現在地にあるのか?」も言語化します。また、「ありたいリーダー像と今の自分のリーダー像のギャップは何なのか?」を埋めることによって、リーダーとしての前進ももちろん見込まれます。

例えば、パーパスを設定して「どのようなキャリアを歩んでいきたいですか?」という問いかけに対してワークをしていくような研修を実施されている会社さまは多いと思います。

リーダーとしてどうありたいのかを言語化する

けれども、あらためて「リーダーとしてどうありたいのか?」「今、リーダーとしての現在地はどこなのか?」といったこともワークショップの中で取り入れていただく。そうすると、リーダー自身がご自身をリードしていく、つまり「Lead Self」という状態を生み出せると考えております。

そして、ありたいリーダー像を実現した状態とは。つまり、先ほどピラミッド状(の図)で見せたところにいきます。

ビジネス資本については、専門的なスキルやポータブルスキル、リテラシーがどれぐらい溜まっている状態が目指すべきリーダー像としてふさわしいのか? また、社会関係資本については、そのリーダー像を達成している時にどのような社会関係資本、つまり社外の人とのつながりを持っているのか? そして最後は、そのリーダー像を実現した時には、どのような経済資本を獲得しているのか?

このあたりまで具体的に明記していくことによって、リーダーの方の頭の中でご自身のリーダー(像)の解像度が上がっていきますので、よりご自身をLead Selfしていける状態を作り出せると考えております。

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