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生成AI×キャリア開発―最先端のプロティアン・キャリアドック(全4記事)

AIでキャリアがうまく回る人・回らない人の分かれ道 置いていかれないためにできること [2/2]

アダプタビリティは「日常の小さな変化」から伸ばせる

田中:質問が来ていますね。

栗原:はい、そうですね。「アダプタビリティを伸ばすにはどうすればいいかということで、まさに生成AI活用も1つ含まれますが、それをどう評価できるかがわかりません」ということでいただいております

田中:
アダプタビリティって、小さな変化なんだよね。私がよくお伝えしているのは、本当にそれもメタファー的な行動原理なんだけど、「右手でお箸で食べているんだったら左手でやってみて」。これはもう完全にアダプタビリティです。あるいは「違うことをやってみて」。

だから、「生産性を高めることができたら、社内の公募制に出るとか、2割違うことを社内でやってみて」。あるいは「ホールディングス体制で違うグループにプロジェクトをアサインできるんだったら自分で手挙げしてみて、チャレンジしてみて」。小さな変化を日常の中で起こすことがすごく重要。

労働集約型で、自分の業務が120パーセントで今もう一生懸命やっているのに、その上でアダプタビリティワークをしましょうみたいにしちゃうと、140パーセントになっちゃって、過多じゃないですか。行動過多じゃん。さっき、情報過多という話があったけど。そういうところをうまく乗り越えていく。

なので、「アダプタビリティを伸ばすには」ということにおいて言うと、1人でやるのは難しいかもしれません。小さなユニットを作って、いわゆる業務改善とか組織改善とか、AIを使ってオペレーショナル改善なんかをやって、実際に行動に結びつけていく。

例えばこのオンラインセッションも、最初は2時間やったり、90分でやったり、いろんな検証をするわけ。これも全部アダプタビリティです。45分でやってみた時もあったんですね。

でも、結果、今、水曜日の11時から12時。この時間って、月曜日の定例会議とか、金曜日のお忙しい週末の最後の締めに比べると、この午前中あたりがいいよねという着地を見つけて、1時間でダイナミックなお届けができるねみたいなことを、アダプタビリティを活かしながら発見してきたわけ。

だから、アダプタビリティって、本当に変化に適応することなんですよね。そのためには動いてみることがすごく大事なので、小さな目の前のペイン、環境改善から始めると良くなりますし、それこそ、実感とか評価に関して言うと、キャリア開発診断が把握できるから、このあたりを使う。

栗原:ありがとうございます。アダプタビリティのヒントをいただきました。

生産性4倍は「議事録・戦略・資料」が日常的に置き換わる延長線上にある

栗原:続いて、「AI活用者とそうじゃない人がやった時には格差が生じるという印象を持ちましたが、これの生産性を4倍に上げることもできる。どうやってそれが実現するのでしょうか?」ということですね。

田中:いや、これはね、もうたぶんみなさん現場でできていると思います。例えばChatGPTで議事録を起こすとか、経営戦略を書かせるとか、あるいはGeminiで栗原さんが今きれいなスライドをデザイナーに発注せずに、作れたということが日常的に起きるわけです。

4倍というのは本当にものすごくコンサバな数字。私個人的には、もう、10倍ぐらいの生産性のアウトプットをしているなと(思っています)。

自分で言うならば年間2冊で今書いていたんですけど、10倍というと20冊。それはちょっと無理なんだけど、年間4冊ぐらいのペース、つまり2倍なんかはぜんぜんできるし、4倍、8冊できるかなと言いながらプロジェクトを動かしたりもしているわけです。

例えば人的資本経営の中で、伊藤先生が「ROE、8パーセント」って言ったんだよね。8パーセントって言ったことによって、共通目標化するじゃない。

目標を達成したか未達かということを問題視するんじゃなくて、ある種の、方向性。キャリア開発ってそういう数字がなさ過ぎるから、キャリア開発診断を受けて、例えば生産性が3.8倍、4倍弱になりましたということが出せるんだったら、みんなが目指すべき方向としてぶれずにやれる、持続的行動ができるのかなと思います。

今後、キャリア開発診断データの経年分析をしていけば、どこが生産性が上がっていくかとかがわかるからね。ということが、今後お届けできるかなと思います。

次の質問にいきましょうか。

栗原:ありがとうございます。「管理をやめましょう」というコメントをいただいています。

田中:うん、まさにそう。

「よーいドン!」の場を作り、小さな成功体験から自走を促す

栗原:続きまして、「キャリア面談はある種強制的に実施することができますが、キャリアコーチの活用は個人がやろうと思わないと始まらない。個人がキャリア開発にAIを活用しようと思えるような仕掛けに関するご助言をいただきたい」ということです。

田中:やはりパーソナライズドトレーニングと一緒の世界でいいと思っています。24時間、人と人で伴走することはできないから、スポットで伴走するんですよね。

だから、これからは、私と栗原さんで1on1とかをやって、次までの間の3週間もしくは4週間は、こういう目標に関してこちらのキャリア開発AIを使っていこうねみたいな感じの共存型になっていくと思うんですよ。

持続的行動を分析すると、例えば今すでにリスキリングのeラーニングは導入しているじゃないですかと。でも、やっている人は10パーセント、5パーセントしかいない、少ないですよということにおいて言うと。

我々、4dやプロティアン(・キャリア)協会で言ってきたのは、スタンスの部分だよね。自分でキャリアを作っていくというところをしっかり定期的に握っていくということですね。

それによって、手触り感、自分でキャリアを作れているんだという小さな成功体験が感じられると、「あっ、キャリアの状態って自分で変えていけるんだ」となる。だから、その入り口をみなさん側がプロデュースする。

例えばキックオフで我々みたいな外部の人間を呼んでもらって、そういうセッションをやってもいいですし、「キャリア診断をやってもらって可視化して」でもいいですし、社内でできるんだったら社内の方で集まってもらってもいいんですけど。

やはり、ある種パーソナライズドアプローチなんですけど、なんていうんでしょうね、場を作ってあげる。「よーいドン!」の場を作ってあげて、みんなで走ろうというのはそういうことなんだよね。

いろんな道をたどっていいんだけど、3ヶ月後までにここに行こう。例えば4象限の左上に行こうでもいいんだけど、12ヶ月でここまで行こうとやってみる。

やはり全部自分をセルフコントロールしてやり切れる人は本当に少ない。だからこそ我々人間社会は集団、コミュニティとして育ってきたんだよね。

だから、進化の土台はコミュニティだったんですよ。イノベーションは、やはりコミュニティペインの解決だからこそ進んできたと捉えることができるかなと思います。

栗原:ありがとうございます。ご参考にしていただければと思います。

「ハッスルし続けろ」ではなく「その状態がハッピーか」を問う

栗原:「今の欧米社会の生産性の高さは、静かな退職あるいはカタツムリ女子の存在……二極化があるとの話があります。これからの日本社会では全員がハッスルすべきというご主張でしょうか?」。いい表現ですね、ハッスル(笑)。

田中:ハッスルし続けろとはぜんぜん言うつもりはまったくないんです。つまりライフイベントや、いわゆるフィジカルコンディションって本当にさまざまなんですよね。

にもかかわらず、組織が一様に同一のキャリア開発スキームをやり過ぎた。だから静かな退職もあるし、疲弊しちゃってある種バーンアウト的なメンタルロスになってしまう。

あるいは、Z世代とかキャリア自律が求められる世代で言うと、私も聞いたことがありますけど、「もうマイペースでいいじゃん」みたいな。亀じゃなくてカタツムリみたいな。メタファーで言うと、すごくゆっくりみたいな(笑)。

カタツムリ女子でもいいですよ。その時に我々が追いかけなきゃいけないのは、そのカタツムリ女子の状態がハッピーであるかどうかだよね。すごくハッピーだったらそれでいい。

でも、会社側がこういうことを求めているのに、なんかそこに適応できない。心理的負担があったり、そもそもそのペースに対して満足していなかったり。だとすると、少しギアを上げたり、チューニングしたりする必要がある。

ただ、全体として全員がハッスルしない社会はまずいとは思っています。例えばGDPベースのトップ30を見ても、やはり日本の企業群のプレゼンスは少ない。

個人の多様なライフキャリアコンディションに寄り添いながら、無理せずに、それぞれの良い状態、生産性やパフォーマンス状態を少し高めていく。組織としては、その集合的なパワーをしっかり発揮していくということをみんなで作っていくことが今は欠かせないと思っているので、それを我々、プロティアン(・キャリア)協会や4dは伴走役としてやり抜いていきます。

栗原:やはり「AIは使いたくないです」っていう人もいたりする中で、タナケン先生が今おっしゃった、「本当にそれでハッピーかい?」ということや、ご本人の内省も促しながら伴走していくというのは、本当に今後も残っていくものなのだと私も捉えておりました。ありがとうございました。

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