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生成AI×キャリア開発―最先端のプロティアン・キャリアドック(全4記事)

キャリアの第1相談相手は“人以外”に AI時代に必要な「選び方」と「自分の軸」

【3行要約】
・生成AIがキャリア相談の第一選択肢となり、情報不足から情報過多へと キャリア開発の前提が大きく変化しています。
・一般社団法人プロティアン・キャリア協会の栗原氏は「AIを使うかどうかで発達格差が生まれる」と指摘し、今後は「意味付け」と「自分はどう生きたいか」が新たな課題になると予測します。
・AI時代のキャリア支援者には、情報整理ではなく「人間らしい伴走」が求められ、時に立ち止まり、時に背中を押す「人生のバランサー」の役割が重要です。

自己紹介と本日のテーマ共有

栗原和也氏:一般社団法人プロティアン・キャリア協会、並びに4designs株式会社でCGOを務めております栗原と申します。では、よろしくお願いいたします。

さっそくですが、ここから進行したいと思います。今日みなさんにお届けする内容ですが、「生成AI×キャリア開発」ということで、今日お集まりのキャリア開発支援者、もしくは人事の役割として企業のみなさんの働き方やキャリアを応援されているみなさんのお役に少しでも立てる情報を提供できればと企画をさせていただいております。

今日は、キャリア開発の現場がどうなっているのかというところをご共有できればと思います。また、あまり理論やデータに走らず、現場で実際に(プロティアン・キャリアドック)を活用してみた結果、どういう手応えがあるのかという話もできればと思っております。

とはいえ、ちょっと背景なども踏まえながら進行させていただきますので、ぜひぜひみなさん、チャットにご質問などもお寄せいただきながら、後半、田中(研之輔)先生と共に進行できればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

チャット参加型の問い「AIはキャリアにどう影響する?」

では、まずはちょっとエクササイズということで、チャットにお書きいただければと思いますが、「AIはキャリアに対してどのような影響を及ぼすと考えますか?」。

今日お集まりのみなさんは、本当に現場で苦心されていろいろと取り組みをされていると思いますが、みなさまのお知恵もお借りしながら進行ができればと考えております。AIはキャリアに対してどのような影響を及ぼすと考えますか? ぜひチャットに、どしどしご意見をお寄せいただければと思います。

今日は、みなさんのご意見も拝見しながら、後半では田中先生とのダイアログも進行できればと思いますので、ぜひ積極的にご参加をいただければと思います。

いかがでしょうか。AIは、仕事だけではなくて、世の中的にインパクトが大きいなと思いますけれども。(チャットを見て)今「クライアントがAIに頼り自分で考えなくなる」とか「二極化していくんじゃないか?」というお声もありますね。「簡易的なルーティンワークの減少」……ありがとうございます。さっそく、さまざまな情報をどしどしいただいております。

キャリア相談の第1相手は“人以外”に

こういったご意見も踏まえながらちょっと見ていきたいと思います。まず、先日私たちが「プロティアン・フォーラム2025」を実施をした際に採ったアンケートで見えてきた情報ですが、今やキャリアの第1相談相手は人以外ということで、家族や友人を超えたというのを一番上に置いています。

こういう問いをしました。「現在、キャリアについて相談している、相談できる相手や方法は何ですか?」とお聞きしたところ、書籍やオンライン記事、キャリア診断ツール(生成AIを含む)というものが1位になりました。



先日、1級キャリコン技能士の方と意見交換をさせていただいたんですけれども、それまでは家族や友人が長らくトップだったそうです。

専門家……キャリコンなどはまさに第3番手にありますが、どうやって家族や友人を上回って私たちの知見を提供しようかというのに苦心をされていたという話をされていて、「(結果が)衝撃でした」と。「一気に抜かれちゃいました」という、お話をされていました。

裏をひもといていくと、やはり相談する際の日程調整が大変だったり、誰に相談したらいいのかわからなかったり、効果が見えていなかったり、専門家に相談するハードルもさまざまあるんですけれども。

特に生成AIは、いつでもどこでも携帯を開いてすぐにアクセスできる。また、すぐにフィードバックが得られるということで、手軽に使える相談相手として人気が高まっているというのが実情なのかなと見ております。

前提が「情報不足」から「情報過多・意味付け困難」へ

実はこういった生成AIの登場によって変わっている前提の変化があると考えております。成人発達理論にも、言われているとおり、若い世代は情報が不足しているとか、選択肢が選びにくく経験が不足している、など、さまざまあったと思います。

今までは確かに、情報アクセスは限定的、思考(材料)も経験中心で視点不足でした。内省も時間が必要、等々の理由でなかなか難しくて、経験依存でゆっくり成長というかたちだったので、やはり共通の課題として、情報不足・経験不足から来るキャリアのもやもやや悩みが多かったのかなと考えております。

しかし、生成AIを活用すると、情報探索が容易になりますし、仮説なども出してくれます。みなさんもChatGPTなどを今使われていると思いますが、「こういう考えはどうですか?」とか、いろいろ提案してくれますよね。自分が思考できなくても思考の材料を提供してくれたり。

さらに内省も、キャリコンの方とだったら、例えば日程を調整して、「再来週にしましょう」。1時間経ちました。その後、「また、どうしましょう?」ということで、2週間、3週間、1ヶ月という単位で内省をしていくということも現実的にはけっこうあったかなと思います。

手元でAIに相談した場合、もしかしたらそのもやもやが1時間後には解決しているかもしれません。そういうスピードになっています。

ということで、けっこう高速ループ学習が加速するようになって、逆に、情報過多・意味付け困難ということで、どんどん提示される情報、あふれている情報をどう判断するか、どう使うかが、これからのキャリア開発の課題になっていくんじゃないかという仮説を立てております。


生成AIで「解釈まで含むアウトプット」が高速化する

これもGeminiに、投じたところです。こういった問いかけをしていって投げ込んだら、こういう画像イメージも、本当に10秒とかで作ってくれるんですよね。今まではデザイナーがしっかりと作り込んで、意味を解釈していたと思うんですけれども、このスピード感で出てくるようになりました。

これはあくまでもイメージなので完璧なものではありませんが、さまざまな経験を通して意思決定をしていた時代から、(スライドを示して)まさにこの高速道路みたいな見え方になっていますが、かなりスピードが速くなっていく時代になってきているのかなと捉えております。

じゃあ、もう1個ですね。発達格差による拡大の懸念。先ほど二極化が生まれるんじゃないかという話もありましたが、まさにAIを活用するかしないかで、意思決定や情報の探索のスピードの格差は生まれてくるんじゃないかというのも見えてきています。


本人だけで整理できる範囲が広がり「準備」をAIが担う

もう1点、ちょっと見たいと思います。メンバー自身で整理できる範囲が広がるというのが、私が提示したい論点です。

今までは、自分でキャリアの棚卸しをしたりするのは難しかったので、例えば厚労省が提供している「job tag」を探しにいったり、ツールを使ったり……もしくは専門家に相談したりしていたと思います。

ここに対して、個人がAIに問いかけをして、そのレスポンスによって探索をしたり、自分の強みとか過去の経験をどう構造化するかを考えたりすることも、実質的にはできるようになりました。ということで、キャリア開発の準備における役割も生成AIが一部担うことができるようになったんじゃないかなと捉えております。


それでもキャリア開発支援者は不要にならない

「じゃあ、キャリア開発支援者とかキャリコンっていうのは要らなくなるのか? マネージャーの伴走っていうのは要らなくなるのか?」というと、私はそうではないと思っています。人間の力を、心から信じておりますので(笑)、そうではないんじゃないかという考えです。

例えば世代別に見ていくと、例えばこれまでの若手の課題は情報・経験不足。ミドルシニアのミドルのみなさんであれば、視座は広がるもののライフイベントや昇格による変化に対応しなければならないとか。

ベテランのみなさんだと、経験が豊富になって価値の源泉になるんだけれども、一方で体力的・精神的な変化の影響も大きく、なかなか思うように価値を発揮できないという課題もあったのかなと思います。

つまり、経験年数がボトルネックになったり、そういった経験を経た変化によって成長差が生まれたり、情報の格差によって成長の差が生まれていたというのが課題だったと思います。

新しい課題は「意味付け」と「自分はどう生きたいか」

これからの新しいキャリア課題として、ある種、高速で進んでいく情報を取捨選択する中で、それをどう自分の中で意味付けをすればよいのかとか、自分自身の価値観はどうなのかという、ある意味オーナーシップやエージェンシーみたいなものが脆弱になってくるところにあるのではと気にしています。

つまり、「自分はどう生きるのか? どう生きていきたいのか?」という問題のほうがはっきりとしてくるんじゃないかなと考えております。

世代別の支援は「問い・リスキリング・心理サポート」へ

そうすると、キャリア支援のあり方というのは、(スライドの)右側にもありますが、生成AIを使う前提で、若手に対してはどう問いを立てるかとか、言語化するかとか、意味付けをするかという力が必要になります。

ミドルのみなさんであれば、専門性のリスキリング。これまでの経験からどう生成AIを前提にした技術や働き方を再編していくかというようなリスキリングが必要になるかもしれません。

ベテランのみなさんにおいては、もしかしたら従来と変わらない部分もあるかもしれませんが、心理的なサポート。さらには経験価値をどう再構築するかということが必要になってくるのかなと思っております。

AIと二人三脚のキャリアコーチングへ進化する

つまり、AIとの二人三脚によるキャリアコーチングに進化していくというのが、これからのキャリア支援のあり方になってくると思います。今まではキャリア支援者が情報の整理から時間をかけてすべてをやっていたというところから、うまくメンバー自身の内省も促しながら支援者として人間らしく伴走していく。

人間らしく、時には高速化しているところをちょっと立ち止まって考えませんかというところも提供していくということも影響力という点で発揮できるんじゃないかなと捉えております。


「人生のバランサー」として意思決定を支える

まとめです。AI時代に入っても関わる支援者、リーダー、専門家の影響は大きいと私は捉えておりますし、間違いなくそういった力が必要になると考えております。時には立ち止まって、時には背中を押して、倫理的・心理的な観点から意思決定をサポート・メンテナンスできる、ある種の人生のバランサーのような方を増やしていくこと。

これがキャリア支援者の私たちのあり方でもあり、さらに一人ひとりがオーナーシップを持った時には、そういった考え方が持てる一人ひとりに育てていく、開発していくということが役割なんじゃないかなと捉えております。

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