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ハラスメントにならない「アドラー流フィードバック」(全2記事)

ハラスメントを恐れて部下に言いたいことが言えない上司の方へ 成長実感・離職リスクの低下も獲得する、目的論的フィードバックの実践法 [2/2]

適切なフィードバックは成長時間を与え、離職のリスクも下げる

これはまた別のデータにはなりますが、リクルートマネジメントソリューションズさんのもので「成長を実感していますか? していませんか?」というような調査があって。「成長を実感していない」と回答した53パーセントの方が「転職の意向がある」と回答している。

成長を実感できるか・できないかがどこに起因しているかというと、「先輩や上司からたくさんフィードバックをもらえると、成長実感が高い」というような調査結果も出ております。

なので、これは間接的ではありますが、ちゃんとフィードバックがある、フィードバックをもらえていればもらえているほど、成長を実感できて、そのことによって離職のリスクも下がっていくというようなデータになります。

管理職の方、上司の方が遠慮をしてなかなか言えなくなってしまうと、こういった離職にもつながっていきますので、ハラスメントにつながらない、でも言いたいことはしっかりと言う・伝えるということが非常に大事になってくるんじゃないかなと思っております。ここ(まで)は前置きでございました。

アドラー心理学がどのような場面で使われるか

ここからフィードバックをする上での必要な考え方をご紹介させていただきます。アドラー心理学を少しご紹介させていただくんですが、みなさん、アドラー心理学をどのくらいご存じでしょうか? 日本だと青い本ですね。『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』がベストセラーとなっています。あの青い本がアドラー心理学(について書かれた本)ですね。

(コメントを見て)「大好きです」。ありがとうございます。では、ちょっと復習と言いますか、認識合わせのために少しだけご紹介させていただきます。

アドラーさんは今から100年以上前の、オーストリアの精神科医のお医者さんです。その方が提唱した心理学になるんですが、現代のビジネスの現場においても非常に使われている考え方になります。

どういったところで使われているかというと、みなさんご存じですかね? マズローの「欲求5段階説」とか、世界で一番売れた自己啓発書とも言われている『7つの習慣』とか。あとはカーネギーの『人を動かす』。ドラッカーの『マネジメント』といったような、多くの考え方のベースとなるような考え方が、アドラーさん(が提唱した考え方)と言われております。

あとは鬱病治療で使われている「認知行動療法」というものがあるんですが、この認知行動療法も、アドラー心理学の考え方をベースにしている考え方で、対人関係を築いていく上での、原理・原則となるような考え方になっております。

アドラーは自律した人間、主体的に自分の人生を作っていく人材を育てていくことを大切にしていたので、「これはビジネスの現場においても使えるな」ということで、我々も採用しております。

アドラー心理学における目的論の考え方

今日はこのアドラー心理学の中で、目的論の考え方をご紹介したいと思っております。

「どういう考え方か?」と言いますと、「どこが悪いのか?」とか「なぜできていないのか?」ではなくて、「どうなったらいいのか?」「どうしたらできるのか?」から考えましょうというのが、目的論の発想になります。アドラー(が活動していた頃)の同時期にフロイトとユングという心理学者もいたんですが、その方たちは原因論の考え方だったんですね。

どういうことかと言いますと、「何か問題の行動を起こす人には、過去にトラウマがある」「過去の原因があって、その人の性格に問題があって、だからこの行動が起きるんだ。問題行動が起きるんだ」という考え方なんですが、アドラーの発想はそうではなくて目的。「人は目的に向かって行動している」と。「どうなりたいか?」「どこに向かって生きたいか?」という目的があって、そこに向かって行動しているんだと。なので「原因を追及するんじゃなくて、目的を考えるのが大事だ」というのが、アドラーの考え方になります。

原因追及的なコミュニケーションと、目的論的なコミュニケーション

「これがどうフィードバックにつながるのか?」というところですが、みなさんに実験的に考えていただきたいなと思っております。みなさん、「ちょっと気乗りしないなぁ」という仕事とか、あとは「これをやらなきゃいけないんだけれども、なかなかできていないなぁ」というお仕事を1つ思い浮かべていただいてもよろしいでしょうか? 

では、ここに対して私が原因追及的なコミュニケーションと、あとは目的を聞くようなコミュニケーションの2つをやってみます。「みなさんの中で何が起きたか?」を少し教えていただければと思います。

では1番目。原因を追及するような質問をしてみますね。ではあらためて気乗りしない仕事とか、できていない仕事を思い浮かべていただいて。仮に私が上司だとします。上司である私から、「どうしてできなかったんですか?」「なんでやれなかったんんですか?」「何が悪いんですか?」と聞かれて、どんな考えが浮かんだでしょうか? 何と言いたくなったでしょうか?

ちょっとそれを覚えておいていただいて。では、そうではなくて目的を聞く、考えていただくような質問をしてみます。同じようにできていない仕事とか、気乗りしない仕事を思い浮かべていただいて。「その仕事がどうなったらいいですか?」「どうしたらできそうでしょうか?」「それがどうなったらいいですかね?」「どうしたらできそうでしょうか?」と聞かれると、どんな考え方が浮かんできたでしょうか? どんな気持ちになったでしょうか?

短い時間だったので「そこまで違いがなかったよ」ということもあるかもしれないんですが、「どんなことが起きたか?」をチャットで教えていただいてもいいでしょうか? 

(コメントを見て)「(1つ目は)ネガティブ」。いいですね、ありがとうございます。「ネガティブな感情からポジティブな感情」。2つ目のほうが、比較的ポジティブですかね。「すみません」「謝罪、原因を述べる。2つ目は比較的行動を取りたくなるかな」「対策・改善策を考えられるようになりました」。はい、ありがとうございます。

原因追及的なコミュニケーションは脳の処理能力を下げる

みなさまに今体験していただいたとおりになるんですが、「なんでできないのか?」「どうしてできないの?」「何が悪いの?」と言われると、やはり精神的にマイナスなんですね。

ある調査データからもそれはわかっておりまして、原因論のコミュニケーション、「なんでできないの?」「なんでやれてないの?」というコミュニケーションは、脳の処理能力を約6割下げると言われております。

こちらとしては改善してほしくて「なんでやれてないの?」「どうしてやってないの?」とつい言いたくなっちゃうんですが、それは相手にとってはあまりプラスにはならないんですね。やはりダメ出しをされたり、何かできてないところを追及されたりすると「すみません」とか謝罪が出てくる。原因追求のコミュニケーションを取ると、自分を責めるか、相手を責めるか、環境を責めるかという反応になり、建設的な考えになりにくいです。

「こんなにできていない自分はだめなんだ」というように自分を責める、または、「あなたにはこういうことを言われたくありません」「そう言ってくるあなたもできてないじゃないですか」と、相手を責めるような反応になる。

あとは3つ目、環境を責めるところにもつながってしまいます。「そんな仕事を任せてくる会社とか、上司がそもそも悪いんじゃないんですか?」「会社はどうなっているんですか?」と、あまり建設的な脳の動きにならないんですね。あとは脳の処理能力を下げてしまう。あまりメリットがありません。

あとは言葉を理解する能力とか、未来を予測する力とか、間違ったことから学んで変えていこうというような脳機能が、軒並み下がってしまうという結果も出ております。

できていないところを見つけた時に「なんでできてないの?」「どうしてできてないの?」って言いたくなっちゃうんですが、そこはぜひ「どうしたらできそう?」「それがどうなったらいいんだろう?」と投げかけていただくことがおすすめでございます。

繰り返しの問いかけでメンバーも変化していく

これをやっていただいた、ある鉄鋼メーカーの部長さんがいらっしゃったんですけれども、意図的に「これ、どうしたらできる?」「どうなったらいいんだろうね?」と事あるごとにお声がけをするようになったそうです。そうしたら、これまで1on1の時に愚痴しか言わなかったようなメンバーが、「自分としては、こういうふうにやったほうがいいと思います」「自分はこういうふうに改善ができると思います」というように、思考もすごく前向きに変わってきたというところもございまして。

「1、2回やったら変わるか?」というとそうではないんですが。繰り返し問いかけていくと、メンバー側の発想も変わっていくということがございますので、ぜひ「なんでできないの?」の代わりに「どうなったらいいの?」「どうしたらできそうか?」と問いかけていただけると、うれしいです。

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