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天野妙氏(以下、天野):本日の司会を担当させていただきます、天野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、「午後4時に帰る国の経済がなぜ回るのか? 『競争力』も『幸福度』も高いデンマークに学ぶ働き方」ということで、始めさせていただきたいと思います。
まず、みなさんは(デンマークの)場所はわかりますか? 「あれ? 北欧のほうかな?」「ヨーロッパなの?」みたいな感じで、少しふわっとしているところもおありかと思うんですが、私も同じくでございます。
場所を申し上げると、スウェーデンとドイツの間のあたりにあるということです。人口が約600万人、場所で言うとだいたい九州全土ぐらいの面積だそうです。人口は、福岡県の500万人と佐賀県の80万人を足した人数ぐらい。九州全土にこの2つの県の県民が住んでいるという、そんな広さのイメージだということでございます。
主要産業は運輸やサービス、製造といったところでございます。みなさんも、よく子どもたちが愛用しているレゴのブロックとか、あとはノボノルディスクという製薬会社、運輸で言うとマースクという会社を耳にしたことがおありかもしれません。
輸出に頼る輸出志向型の産業ということで、なんとなくちょっと日本に似ている部分があったりしますが、働き方のところはなぜ違うのかな? というところも(理解を)深めていただければと思います。
これは井上さんの本(『第3の時間 デンマークで学んだ、短く働き、人生を豊かに変える時間術』)にもありましたとおり、デンマークの1人あたりのGDPは日本の2倍以上。そして、IMD世界競争力ランキングでは2年連続1位ですね。それから幸福度ランキングは2位ということで、日本とは非常にかけ離れた状況になっているということです。
天野:でも、私がこのタイトル(「午後4時に帰る国の経済がなぜ回るのか?」)を読んだ時に、「え、なんでうちらはこんなに働いてがんばってるのに! どういうこと!?」ということが、大変大きな疑問でございました。
今回、井上さんがこちらの本を出されることになりまして、せっかく帰国されるということですので、この機に乗じて「井上さんの話を聞かずにいられるか!」ということで、小室淑恵さんとともに、今日はこちらで院内集会をさせていただいたという運びです。
今日、井上さんは15時にこの部屋を出なければいけないということでございますので、みなさんはもう大丈夫ですかね? 準備OKということで、始めていきたいと思います。
井上陽子氏(以下、井上):じゃあ、始めますね。どうもありがとうございます。井上陽子と申します。「今日は600人以上が参加してます」と言われまして、私はいったい何をしてしまったのかな? 大丈夫でしょうか? と、ビックリしております(笑)。よろしくお願いします。
私は読売新聞の新聞記者を20年やっておりまして、そのあとデンマークに移住して10年になります。最初にデンマークに行ったのが2014年だったんですが、その時の私は読売新聞でワシントンの特派員をしていたんですね。新聞記者も忙しいんですが、特派員になるとさらにそれに時差がプラスされます。
当時はホワイトハウスを担当していたので、オバマさんを追っかけてイギリスまで出張して、めちゃくちゃ忙しい。それが終わってやっと気が抜けたところで、当時のボーイフレンド(現在の夫)の出身の国ということで、その足でデンマークに初めて行ったんですね。そういうテンションで行ったので、うちの夫がまず最初に車で迎えに来てくれたんです。
空港からコペンハーゲンの街に入ったんですが、16時になってちょうど渋滞にぶつかるんですよね。それで、「今はラッシュアワーだから(車の進みが)ゆっくりになっちゃった」と言われて。「え!? 16時でラッシュアワーなの!?」という感じで聞いたら、「あぁ、金曜日だと15時台だけどね」みたいに言われました。
井上:私は当時、デンマークについては幸福度ランキングで1位というのは知っていたんですが、だから「まぁ、こんなに早く帰れれば幸せだよね」とは思ったんです。ただ、「いや。でも、この国の経済はそれで大丈夫なの?」というのが、私の初日の疑問だったんですよ。
大丈夫なのか? と思って調べてみると、実は日本よりも経済パフォーマンスが良くて、1人あたりのGDPが2倍。北欧ってよく褒め称えられますが、私は最初は「そうは言っても(人口)600万人の国だし……だからどうした?」と思っていたんですよね。
それから7年ぐらい経って、2022年にデンマークが競争力ランキングで首位に立つんですね。その時、私はすでに7年住んで日常生活を見ていたので、「このゆるい人たちで競争力ランキング1位はさすがにないだろう」と思ったんですよ。その当時、日本は競争力ランキングがどんどん落ちて、もう下から数えたほうが早い状態になっていたんですね。
(デンマークの人たちが)「ゆるい」というのは、例えば高校受験とかがないんですよ。高校って、距離が近かったらだいたい第1希望に行けるんですね。大学もどこが一番かと言っても、それは学部によるかなという感じでした。
井上:(仕事から)早く帰るだけじゃなくて、デンマークの年次休暇は法定では5週間なんですが、だいたい企業はプラス1週間するので、6週間をもちろんフルで取る。夏休みは3週間バッチリ取る。育休もちゃんとしてますが、病欠もめちゃくちゃ取る。
「なんでそれで経済競争力ランキングが1位なの?」というのが疑問で、そこから私は競争力ランキング1位になった2022年から連載を始めました。
今日は私を(ゲストで)呼んでいただいたんですが、『第3の時間』という本を書きました。これはちょうど2022年から連載していたんですが、やはりデンマークを伝える上で難しいのは、たぶん日本人はデンマークなんて一生のうちで一度も行かない人のほうが多いと思うんです。
アメリカとかとは違って、やはりイメージもしづらいと思うんですよね。だから、断片的に伝えるとけっこうすごいイメージになっちゃうというか(笑)。ニュアンスをちゃんと伝えないとよろしくないなというのは、最初から思ってたんですよね。
私は真逆な働き方からポンッと放り込まれたので、「そもそも何のために、こんなに効率的な働き方をしているのか?」ということを含めて、私の追体験ができるような本にしたい。
だから、この本を読んでいただけたらわかると思うんですが、すごく個人的なストーリーが書いてある本です。「How to」とか「何とかの30の方法」みたいなものもないですし、「日本政府はこうすべき」みたいなことも何も書いてないです(笑)。
井上:ただ、実は私は先日この本の取材を受けたんです。あるメディアの論説委員の記者をされているすごくベテランの方から、「あなたの本を読んで以来、私は毎日17時に帰っている」と、言われたんですよね(笑)。すごいことだと思います。
私よりベテランなので、本当に猛烈な働き方をされていたと思うんですが、なんでその方が(17時退勤を)できたのかというと、それは視点を持ったからだと思うんです。私はこの本では答えを書いてないですが、たぶんその視点を持てたというのは、いかに彼女が「余計なことに力を削がれていたか」に気がついたからだと思うんですよね。
やはり残念なのは、「あぁ、わかるよ。デンマークってすごいよね。でも日本は○○だから……」って言われちゃうことなんですよ。それは残念ですが、当たり前なんです。デンマークでできていることは、デンマークの文脈があるからできているんですよ。
だから、そうじゃなくて。その論説委員の方は個人というレベルですが、視点があれば、変えるルートは自分で見つけられるはずなんです。今日はこちらの講演にも物事を変えられる方が参加していただけるということで、こんな機会をいただけるんだったら、ぜひそういう希望を持って聞いてください。
私の言うことに、ちょっとでも「確かにそうかもね」と思っていただけるんだとしたら、解決までのルートにはたどり着けるはずだと、ぜひ思っていただけたらなと思います。
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