お知らせ
お知らせ
CLOSE

なぜあなたはマネジメントを間違えるのか?『 会社の常識を打ち破るチェンジリーダーの教科書』 出版記念セミナー(全6記事)

日本企業を助け合わない職場に変えた「成果主義」 「モノづくりはヒトづくり」の原点から立ち返る成長主義への道

【3行要約】
・成果主義の導入により日本企業の職場環境が悪化し、協力関係が失われているという問題が指摘されています。
・岸良裕司氏は「日本企業の本質は成長主義」と指摘し、原点は人づくりだと語ります。
・目標設定と障害の明確化を通じて成長を実感できる職場文化を構築することで、日本企業の未来を拓くことができます。

前回の記事はこちら

成果主義の考えで日本は良くなったのか?

岸良裕司氏(以下、岸良):さらに人事評価ですね。人事にまつわる間違いもあります。

「セイカシュギ虫」ってやつですね。とんでもない嫌われ者ですが、「結果がすべてだ」って言いながら、アメとムチを持ってやっているんですよ。

年功序列の問題を退治する益虫として1990年代に海外から持ち込まれた外来種で、欧米の成果主義を「先進的」と盲信する日本企業の人事部門で増殖し、今では日本中の職場に蔓延している。手がアメとムチのような形状になっているので、特徴を見つけるのは容易である。

どうですか? これが入ってから日本は良くなりましたか? これを最初にやった先進的な会社がうちのメンバーにいるんですが、その瞬間にどんどん会社の部が壊れたと。ぜんぜん助け合わなくなった。

これを退治したければ『組織をダメにするのは誰か? 職場の問題解決入門』をぜひ読んでいただければと思います。おかげさまでこれもベストセラーになっています。ありがとうございます。

変えられる未来に集中する成長主義

岸良:よく考えてみればこれも同じなんですね。成果主義って過去云々を言っているんですよ。でも未来は変えられますか? 貴重なみんなの時間をどっちに集中したらいいだろうか。変えられない過去を云々言う成果主義じゃなくて、変えられる未来に集中する成長主義のほうがいいんじゃないだろうかと。

我々の先達は「モノを作る前にヒトを作る」って言っていたじゃないですか。松下幸之助さんも言っているわけですよね。あんなすごい人、経営の神様がそう言っていて、トヨタも「車を作って人を作ります」と言っているわけです。「モノづくりはヒトづくり」って言っています。

これをやるためにはどうしたらいいかですが、「ザ・ゴール」で自分の目標パスを作ろう。そうすることでゴールに近づく。これだけのシンプルなプロセスです。どうですか?

人事って今、何をやっています? 評価には絡んでいるんだけど、成長はOJTに任せきりなので、(入社したら)もう職場に連れてきちゃうんです。

目標は自分で決めなければいけない

岸良:で、どうするかってことですね。日常で、OJTの中でちゃんと公式でできることで、最初にやるのは何か。それがこれです。

(動画再生開始)

ジョナ:ザ・ゴール! 生産的であるということは、目標と照らし合わせて何かを達成したということだね。

アレックス:ええ。

(動画再生終了)

岸良:ザ・ゴールがはっきりわかっていないと、自分が成長しているかはわからない。失敗したとしても目標に近づければ「俺、成長した」と思えるじゃないですか。

でも目標がなかったらどうですか? 成長したかわからない。それどころじゃない。目標を会社に決めてもらったらどうですか? 会社のために人生を捧げることはどうですか? そんなことしたい? ってことは目標は、自分で決めなきゃいけないってことになりませんか。

せっかく起きている時間をほとんど会社で使うんだから、仕事の目標と人生の目標を重ね合わせるのがいいよ。もったいないでしょ。仕事の成功と、なりたい自分の実現がオーバーラップするようにちゃんとやってごらんよ。

「せっかくうちの会社に入ったんだから、自分の人生の目標と重ね合わせないと」と言うんです。「難しいでしょ」って(いろいろな人が)言うんだけど、いろいろな所でやってみて、意外に簡単でした。だって、自分のために生きているんだけど、それが会社のためにもなるんだから良いよね。

日本は成長主義だったんじゃないんだろうか

岸良:目標を設定したら近づくためにどうすればいいかってことなんですけど、人間はマイナスに強い生き物だから、その時に「できない理由を言うな」じゃなくて「できない理由を言え」「これの障害は何ですか?」って聞くんです。そうすることで、障害がわかる。

(例えば)「世の中の間違った思い込みが、どこにあるかわからない」という問題があったとする。じゃあどういう状況になればいいか。これをレバレッジしてひっくり返すんです。

そうすると、次々と会社の無駄が見つかる。そのために何に集中するかといったら、フォーカスしたい無駄な課題の領域を決めて、その領域でどうやって無駄を見つけるか考えて、会社の仕事を通じて問題解決の力を磨く。

「じゃあ今度この仕事やってみない?」「ありがとうございます!」と。自分の成長のために仕事をアサインしてくれた。やる気になるよね。

こうやってやっていくと、1ヶ月後に「成長したろ?」ってなるわけですね。(スライドを示して)スライドにいるメンバーが今日の会場にほとんどいるんですけど、みんなで寄ってたかって成長(しているかということ)を言うので「どのくらい成長したの?」「何やったの?」「1ヶ月間で一生懸命やったんでしょ」って言ったら、「いやぁ、周りと比べるとまだまだ」と。

違うんです。「お前はどこが成長したか」って聞いているんです。「前にこういう課題あったよね」って言うと「あ、そういえば」って言って、自分で言葉に表した瞬間に「成長した」って笑顔になっちゃうんです。周囲の人たちもみんなうれしそう。

こんな感じで一対多で、みんなで成長を助け合う文化になる。こんな職場だと楽しいと思いませんか? 本来、日本ってそうだったんじゃない? 日本は本当は成果主義じゃない、成長主義だったんじゃないんだろうか。

そう考えると、変えられない過去を云々する成果主義で、人が成長しますか? どうですか。びっくりだと思いません? 

変えられない過去を云々するよりも、変えられる未来に集中して成長に時間をかけるほうがいい。

「失敗は人のせい」はダメだし、失敗しようと思って失敗するやつはいないよね。さらに「人的資本主義を実践するには欧米の先進企業に学ぶ必要がある」とか「失敗はつらいもの」とか「人は年を取ると成長しなくなるもの」とか「評価・昇給・昇格は年に一度」とか「ものごとは複雑である、人のせいにする、対立は避けられない、わかっていると思う」とか……。これ、全部間違いです。これをやると完全に成長が止まってしまう。びっくりしませんか?

すばらしい洗練されたシステムが、損害を生み出している

岸良:こういった69個の間違いを(整理することを)僕は今回(執筆をする際に)やったんですけど、ゴールドラット博士ががんに冒されて死ぬ間際、あと何ヶ月生きられるかって(状態の時に)先生に聞いているんですが、その時に何と言ったか。

「『The Science of Management』という本を書きたい。経営の科学という本を書きたかったんだ」ということなんですね。絶筆で序文だけ残して亡くなっちゃったんですけど、亡くなる1週間前に、彼の家の庭で録音したものがあります。これを見ていただきたいと思います。

(動画再生開始)

エリヤフ・ゴールドラット氏(以下、ゴールドラット):どのような組織でもマネージャーの数は限られています。そして、1日のうち限られた時間しか組織のニーズに対応できません。結論として言えるのは、どのような組織でも、組織のニーズに対応するためのマネジメント能力は「有限」であるということ。

その一方で、ほとんどの組織においてマネージャーが注力しなければならないことが山のようにあります。つまり「マネジメントの注力(Management Attention)」こそがボトルネックなのです。

「需要がキャパシティを超えている」とも言えるでしょう。このことを理解するために、物理的なボトルネックを考えてみましょう。例えばボトルネックが金属板に穴を開ける機械で、その生産能力が市場のニーズに追いついていない状況を想像してください。

この機械が、実際には不必要な穴を開けることにほとんどの時間を費やしていると想像してください。しかも、その穴が製品を損傷させているケースが多いとします。

言い換えれば、キャパの大部分が無駄に使われており、しかも状況を悪化させているのです。この異様な状況で、貴重なキャパシティの多くが無意味なことに費やされているという点で、これは単なるボトルネックというより「制約」と言えるでしょう。

これが組織が目指していたパフォーマンスを発揮できない要因(制約)となっているのです。驚くべきことに、今説明した「マネジメントの注力」の問題はほとんどの会社で起こっています。

これから説明しますが、一生懸命に作った「すばらしい」「洗練された」システムこそが、「マネジメントの注力」を浪費させているのです。しかも単なる「浪費」にとどまりません。利益どころか、損害を生み出しているのです。

自然科学の知識体系でマネジメントもやることができる

ゴールドラット:では、なぜこれほど異様な状況が蔓延しているのでしょうか? その原因は人間の基本的な行動特性にあります。その3つの特徴について説明しましょう。

1つ目。「複雑さへの恐れ」によって、できるだけ細かく分解しようという衝動に駆られてしまう。その結果「マネジメントの注力」が部分最適な解決に向けられてしまい、全体最適と一致しなくなってしまうのです。

2つ目。「未知への恐れ」が私たちを、解像度を高くして解決しようという衝動へと駆り立てます。そしてどんどん詳細に深入りすることで、「マネジメントの注力」がノイズの中に埋もれてしまうのです。

3つ目。「対立への恐れ」によって、「マネジメントの注力」が「どう妥協するか」に向けられてしまいます。

これらの考察に基づくことで、戦略、会計、サプライチェーン、製品開発、営業、組織行動といった一見無関係なテーマの問題をすべて説明できます。そして、組織のパフォーマンスを圧倒的に改善するための新たな可能性を発見できるのです。

(動画再生終了)

岸良:ゴールドラット博士は、実は自然科学と社会科学の統合理論としてTOCを開発したのだと、その日に語っているんです。自然科学でも同じように、研究開発とかでマネジメントが必要な時があります。その時にボトルネックに集中する。

そういった意味でも、実は自然科学の知識体系でマネジメントもやれるんだと。自然科学と社会科学が別物というのは間違いであるというのが、博士が主張したかったことであるということですね。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!