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なぜあなたはマネジメントを間違えるのか?『 会社の常識を打ち破るチェンジリーダーの教科書』 出版記念セミナー(全6記事)

経営改善は“1ヶ所だけ”に集中すれば良い理由 制約理論(TOC)が示す科学的な組織生産性向上の方法 [1/2]

【3行要約】
・TOC(制約理論)では「つながり」と「ばらつき」のある組織では必ずボトルネックが存在すると説明されています。
・岸良裕司氏によれば、制約(ボトルネック)だけに集中することで全体最適が実現でき、Amazonのジェフ・ベゾスもこの考え方を取り入れています。
・組織の生産性を高めるには、すべてに取り組むのではなく制約に集中し、レバレッジポイントを見つけることで目覚ましい成果を期待できます。

前回の記事はこちら

「みんなががんばれば成果が出る」は間違い

岸良裕司氏(以下、岸良):経営全般(のこと)で「みんなががんばれば成果が出る」は間違い。(スライドを示して)「さらば部分最適」って書いてあります。これ、どうですか?

(僕の)妻は絵本作家で、僕が書いた『なぜあなたはマネジメントを間違えるのか? 会社の常識を打ち破るチェンジリーダーの教科書』は、絵を見るだけでも、文章を読むだけでも、脚注を読むだけでも、動画を見るだけでも全部ストーリーがわかる。めちゃくちゃ複合的におもしろくできています。

ここで、「みんなががんばれば成果が出る」(が間違いであること)を見ていただきたいと思うんですね。

(動画再生開始)

アレックス:待てよ。ボトルネックを使って工場中の全資材の投入タイミングを決めることができる?

ボブ:そうか、そうでさぁね。

ステーシー:(それをすると)リードタイムが変わりませんか?

アレックス:何?

ステーシー:4ヶ月の納期は長すぎじゃないかと思うんです。

ルー:確かに長すぎるかも。

アレックス:では、なぜこの間まで納期を守れなかったんだ?

ボブ:もしかしたら早く資材を投入しすぎているのが原因では?

アレックス:え?

ルー:ボトルネックが必要とする(=処理できる)時間より早く資材を投入しているから、仕掛かりとなってずっと工場に溜まるんです。しかも、リードタイムが長ければ長いほど途中で優先順位の変更が多くなる。「BをAより先に出荷しろ」「やっぱりその前にC」という状態では、工場はより混乱するんです。

(動画再生終了)

岸良:このようなシーンを見たことあると思うんですけど、ボトルに合わせて仕事のタイミングを決める人が個々の効率を最大化すると、実は生産性が上がる。みんなが一生懸命やったら(生産性が)上がるというのは、明らかに間違いです。

仕事は「つながり」と「ばらつき」の中で行われている

岸良:ご存知ですよね。今さら言うまでもないことですけども、みなさんの仕事は、ほかの組織や他の人とつながって行われていますか? つながっているんですよ。それぞれの人や組織の能力は一緒ですか、ばらついていますか? ばらついているんですよ。

我々は、本当は「つながり」と「ばらつき」の中で仕事をしている。これ、合ってると思いません? なのに現代のマネジメントはどうですか。営業・生産・開発とか研究とか調達とか、みんな横で仕事が流れているにもかかわらず、縦で営業・生産・開発(と分けている)。

つながりがあるのに、あたかもつながりがないように扱っている。論理的に誤っている。だから結果が出るはずがない。分断しているんですよ。よく部分最適だとか、サイロだとか言います。組織の壁って言うんだけど、(それは)縦でマネジメントしているから当たり前じゃないかと。

全体の制約に集中することが全体最適となる

岸良:そこで、ゴールドラットは物理学者ですから、つながり・ばらつきがある時には「ボトルネックが必ずあるでしょ」ということで、つながりとばらつきがあるという物理モデルを作ったわけです。

1ヶ所に取り組むのと全部に取り組むのと、どっちが結果が早く出るか、どっちが楽か。1ヶ所に(取り組むほうに)決まっている。

どっちが改善コストが少ないか。これも1ヶ所(のほう)でしょう。ですが、「1ヶ所に取り組むのと全部に取り組むのと、どっちが全体最適か」って言った瞬間に、みんなが「は?」って言うんです。なぜ?

みんなが一生懸命働いているのに全体最適にならないって……。みんな一生懸命働いているんですよ。だらだらしている人を見たら「俺は働いてるのに」と思うけど、ばらつきがあるから、その人が働いちゃうと余計なものができちゃうんです。やらないほうがいいんです。

だからTOC(制約理論)をやると、みんなゆとりができるんです。ボトルネック以外はゆとりがなくちゃいけないんです。つながりとばらつきを前提にすると、どこかに必ず制約があります。その全体の制約に集中することが全体最適となるのが、TOCです。

非制約に力を注ぐことはムダ

岸良:実はTOCは「セオリー」と言われるんです。(つまり)理論なんです。TPS、トヨタプロダクションシステムとは違うんです。ちなみに大野耐一さん、『トヨタ生産方式』の著者ですが、生前ゴールドラット博士と会っていて。その時、ゴールドラット博士に「学者なんだからTPSを理論化しろ」って言って、実はTOCが生まれている。

TPS対TOCという対立構造を作るような人も世の中にいるんだけども、それをやったら大野耐一とゴールドラット博士に怒られるよと言いたいぐらいのものなのに。

大野耐一さんがいなかったら、TPSがなかったら、ゴールドラット博士だってTOCは生まれていないって言っているのに、我々が勝手に対立を作る。それは理解が甘い。ハードサイエンスの理論は社会科学ではできないと思っているんだから。

逆に言うとおもしろいところで、非制約に力を注ぐことはムダなんです。ということは、実は制約ってほんの一部なんです。多くの場合1個、多くても2、3個。これ以外はゆとりがあって当たり前なんです。その人にゆとりがあるから助け合うんですよ。だから、TOCをするとみんなが助け合うようになるわけです。

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