研修後のアンケートの設計
効果測定をツールの活用で実現するための5つのポイント、この5つのポイントを満たすためにツールを使っていただければと思います。こちらも一つひとつ解説をしてまいりましょう。

まずは研修後のアンケートです。これは研修の反応を確かめていただくためのアンケートですよね。みなさんの会社でもアンケートやられていらっしゃると思いますが、こういった設計は意識されていらっしゃいますか。
大前提お伝えしたいのは、満足度を測るだけでは不十分です。「研修参加をしましたよ」「満足でした」「ちょっとよくわかんなかったです」なんていう、満足度だけを測るようなアンケートになってませんか。しかし満足度を測ったからといって、意味がないわけではございません。参加した方が満足できるものを提供するのはもちろん重要ではございます。
けれども本当に重要なのは、受講者が研修をどのように捉えたか、どの部分を有益だと感じたか、どの部分に改善が必要だと考えるか。ここの意見を吸い上げていきながら、次の企画に活かしていただくのが重要ですよね。
なので、アンケート設計時には、研修の具体的な改善点を明らかにしていただくところを意識してください。一番してはいけないことは、満足度だけで研修の成否を測るということです。
例えば、外部講師(例えば、中島講師)による研修会を実施しました。そして、研修会が終わった後に満足度のアンケートを取って、「中島さん、今回は満足度4.6でした。うまくいきましたね。これだけいい研修だったら、ぜひ来年も中島さんにお願いしたいです!」。(これでは)行動変容は一切関係ない、触れていないですよね。
ただ、アンケートだけでは満足度という指標しか測れなかったところが正直あるので、研修がうまくいった、うまくいってなかったというのは、どうしても満足度に依存してしまっていたなんていう実態もあります。
なので、アンケートを取っていただく際には必ずこの具体的な改善点を明らかにする。完璧な研修会なんていうのは、そうそう作れるものではございませんので、この生の声を収集していただくという目的でアンケート、ぜひツールを使ってやってみてください。
理解度クイズで受講者の学びを評価する
そして2つ目は理解度クイズです。何のために(行うの)かというと、学習の測定、正しく理解しているかどうか、知識の定着を図るというところですよね。学習の測定で意識するポイントは、研修内容の定着度の確認、そして研修会、研修後の実施で、受講者の学びを評価するというところです。
研修直後のクイズや試験の実施で、理解度は即座に評価できます。言ってしまえば、理解なんてところも研修の1つの指標ですよね。
講師が話したことを受講者が正しく理解をしていて、全員が70点以上を取れていれば、今回の研修会で知識の定着に関してはうまくいったと言える、なんていう裏づけになります。
結果データの活用は、研修内容の有効性を判断する上での重要な指標となりますので、理解度クイズもツールを使ってやっていただければと思います。
チェックリストを使って行動変容を可視化
そして3つ目は、期待する行動のチェックリストです。レベル3、行動変容を測るためには、このチェックリストなんかを用いていただきながら、行動が変わったかを測っていただく必要があります。
学んだことをどのように実践しているか。研修担当者や上司が毎回職場を見て回って、受講者の方の行動が変わったかどうかを、つぶさに判断してチェックができればそこに勝るものはありませんけれども、当然ではありますが、そこまで手が回らないですよね。なので、ここに関してはチェックリストを用いていただくことで、受講者の行動変容を可視化して、その効果を継続的に追跡をすることが可能となります。
活用例としては、受講者が研修で得たスキル・知識がどのように使えているか、そして使ったことが職場の環境やプロジェクトにどのぐらい貢献しているのかを(測定するために)使っていただく。研修受講者本人に採っていただくものと、その上司に採っていただくもの、さまざまございます。
さまざまな観点から、行動が変わったと言えたかどうかを、このチェックリストを用いて明らかにしていただきます。これをすることによって、受講者に、期待している行動を意識づけることができるんです。
言ってしまえば、「あなたはこの行動をとれば職場で評価されますよ。成果につながりますよ」と……。若手社員・中堅社員、何をすれば自分は評価をされるのか、褒められるのかが、なかなかわからないです。
研修会がそもそもそういったロジックで企画をされているのであれば、ここで学んだことを正しく職場に活かせば、それが評価につながる、結果につながるなんてことを、しっかりと意識をさせることにもつながってまいります。なので、このチェックリスト、ツールをうまく活用してみていただければと思います。
定期的かつ継続的な測定で定着を図る
そして4つ目は、このチェックリストを定期的かつ継続的に行ってくださいということです。ちらっと先ほどお伝えしましたが、行動変容の促進には、チェックリストの定期的な、継続的な使用が不可欠です。1回で終わってしまっては、意味がありません。
研修会が終わった1週間後・1ヶ月後・半年後・1年後で、同じチェックリストを使っていただくことによって、どのぐらい行動が変わったかを定量化していく。そうすると、例えば「研修終了後1週間だとこのぐらいだったものが、半年経つとこのぐらい変わったんですよ」と。これって、自信を持って言える行動変容の効果測定ですよね。
なので、学んだことを持続的に実践し続けて、そして業務における行動の一部として定着をさせていきながら、定期的な評価をしていく。これは短期的な成果ではなくて、長期にわたる行動変容の定着にも貢献をしてまいります。
継続的・定期的な行動変容の確認の実例
余談にはなりますが、我々LDcubeでもチェックリストを使っての継続的、定期的な行動変容(の確認)を実はやっています。少し前に、我々は生成AIの活用に関する研修を受講したんですね。
その研修会を受講する前に、「日々、日常的に生成AIどのぐらい使ってますか」なんていうアンケートを取られ、そして研修会が終わってすぐ「今回研修会で学んでどうでしたか」なんていうアンケートも取って。
その1週間後にポンと通知が来て、「このアンケートに答えてください」。3週間後もポンとアンケートが来て、「答えてください」なんていうものをやっていく。
聞かれる質問は同じです。「生成AIを業務に使えていますか」なんていうところ。それを見ながら「あ、そういえば最近こういうの使い出したなぁ」「確かにああいうのやってきたな」ということで、どんどんチェックが上がっていって、実際に社内の生成AI活用に関する使用率はグンと上がっているんですね。
これも1つ、研修の効果測定なんていうところにもつながっていますので、チェックリストをぜひ定期的・継続的にやっていただくところも意識していただければと思います。
測定結果と期待するパフォーマンスとの相関関係を示す
そして最後5つ目は、期待するパフォーマンスとの相関関係を示していただくというところです。研修の最終的な目標・結果は、組織のパフォーマンスに貢献することです。では、この結果をどう評価するかというと、研修で得たスキルや知識が行動変化を経由して、ビジネス成果に結びつくかを評価します。
例えば研修前後で業績の指標がどのぐらい変わったか。改善を期待してる行動、そのKPIに対する影響がどのぐらいあったのか。わかりやすい例でいうと、営業研修で、研修で受けた人の売上がどのぐらい変わったのか。顧客満足にどのくらい影響を与えたのか。そういった相関分析をすることによって、研修が単なるスキルアップにとどまらずに、組織全体の成長を促進するための戦略の1つとして紐づくことができます。最終(的に)パフォーマンスとの相関分析までしていただく。
ここまでをツールを活用して(行って)いただくことによって、なるべく労力をかけずに、簡単かつ正確にやっていただくところが、実現していただきたいポイントでございます。