【3行要約】 ・採用プロセスにおける「実行の穴」が内定辞退を招き、企業の時間とコストを無駄にしています。
・優秀な人材ほど複数の内定を得ており、企業側も候補者に選ばれる立場であることを認識する必要があります。
・内定承諾率と定着率を高めるには、スピーディな意思決定と丁寧なクロージング、体系的なオンボーディングプログラムの整備が効果的です。
前回の記事はこちら 求職者体験を無視した選考フローの危険性
内藤貴皓氏:続いて、「採用プロセスの実行」ですね。

これを「実行の穴」と呼んでいます。大手求人媒体に複数掲載しているのに、求める人材からの応募がない。面接を複数回やっているのに、応募者の魅力が見つからない。これはさっきの内容と同じになっているかもしれないですけど、内定を出しても最後には辞退者が続出してしまう。
この原因は、求める人材の行動範囲の分析や、志望度を高める選考フローの設計ができていないということで、「実行の穴」が空いている状態ですね。
ケースに入らせていただきます。(スライドを示して)ここも一言一句は読み上げませんが、過去の採用成功のデータで応募を獲得できていた実績があったのは大手の求人サイトでした。

現場の方たちは忙しいので、負担を減らすために面接官用のマニュアルを用意して、マニュアルに沿って志望動機や過去の経歴を一言一句チェックリストで漏れなく確認することを徹底してもらいました。
だけど、その確認や見極めの時間にほぼほぼ(面接の時間が使われてしまい)、自分たちの会社の魅力を現場のマネージャーから伝えてもらうようなマニュアルになっていませんでした。候補者の見極めとか、「NGじゃないか?」というところにとにかく焦点が当たったマニュアルになっていました。
採用オペレーションを均質化する
あと、(スライドを示して)ここにあまり良くないことが書かれていますね。次回の選考案内のアナウンスが1週間後だと。「通過したのに、次の面接案内は?」という、そもそもの通過連絡とか、そういうオペレーションのリードタイムが1週間後と遅くなることがありました。が、ミスが起きないようにテンプレを用意して、事務的なメールで統一して、ルールどおりの運用をなんとか行いました。

「過去にこのような成功事例があった。なので、これをやっていきましょう」という、きっちりしている担当者さまです。あとは、現場のマネージャーのためにマニュアルを作り、ミスが起こらないようにテンプレートを作り、メッセージの内容を統一しました。
ケースの名前が「求職者の志望度を低下させる対応をした例」と、もう明らかにミスのようなケース名が付いています。結果的にどうなったかというと、求人媒体に6ヶ月掲載して、内定を出した人を一応10名獲得できました。実際に入社したのは4人なので、内定承諾率は40パーセントですね。ただ、即戦力が獲得できずに案件は滞留し、急増した案件に対応できないまま終わってしまった。

「さっきのケースでは実際にどんな穴が空いていたか?」という解像度を上げていくと、「明らかに(穴になっていた)」ところで、まずはマニュアルの形式的な選考手法ですね。