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言葉が変われば組織が変わる!──ロジックでも感情でもない、リーダーのための組織マネジメントの極意(全4記事)

部下が「心の鎧」を着る前に “自己防衛をほどく”言葉のつくり方 [1/2]

【3行要約】
・職場での指導場面で「自己防衛」が働くと相手の心は閉ざされ、どんな適切な指導も届かなくなるという問題が多くの組織で発生しています。
・リーダー育成や組織マネジメント支援を中心に活動する井上氏は「否定や強制を感じさせる言葉は、相手の自己防衛本能を刺激してしまう」と警鐘を鳴らします。
・「疑問形」や「感想形」を活用し、問題を客観的に一緒に眺める姿勢を取ることで、相手が自ら考え行動できる関係性を構築することが重要です。

前回の記事はこちら

「心を開く言葉」で自己防衛の鎧を外してもらう

井上健一郎氏:先ほど言っていた、心が開く言葉のところに戻っていきたいと思います。心が開く。私はまずここが、一入口として大事だなと思っています。相手の心を閉ざしてしまう言葉もあるので気をつけましょう。心が開く言葉のポイントを、いくつかにまとめました。

まず当然のことですが、相手の世界を大切にしてあげましょう。どんな人も世界観を持っています。なので共感するとか、理解するというようなキーワードが出てくるんでしょうね。

あとはやはりみなさん、自尊心というものがあるので、これを守ってあげましょう。認めてあげるということです。



もうちょっと違う種類の、俯瞰させる言葉。メタ認知なんてあります。「これは何ですか?」ということなんですが。鎧を着ているかのように構えちゃう人っているんですよね。なぜかというと「自分を守らなきゃいけない」「そんなふうに思われたくない」「否定されたくない」。これの裏側にあるのが否定です。「否定されたくない!」と自己防衛がすごく働くんですよ。

これは、上司が部下に対して指導している場面で、よく起こっています。横で見ているとわかるんです。上司は一生懸命に伝えたいことを言っているんです。間違ってはいないんです。でも(部下が)「あ、私のやり方がダメなんですかね?」みたいな顔で聞いている場合は、おそらく自己防衛という本能が働いている。これは、誰もが持っている気持ちです。

特に、この「自己防衛」という言葉が蔓延した組織は最低に近くなります(笑)。みなさんが、「この社員、すごく問題あるなぁ」とか「ヤバいなぁ……」って思う時、1つの要因は自己防衛が強い人なんですよ。「何を言っても自分を守ろうとしている」という人が強い。

ちなみにもう1個の大きな要素は、自己都合の強い人。自分中心の人が、もう1つの傾向です。話を聞いていると、だいたいこの2種類のどちらかの傾向が感じ取れます。

心を開くためには自己防衛という鎧を外してあげなきゃいけない。じゃあ、どうすればいいんだろう? まず、その裏側にある「心が拒絶する言葉」を知っておいたら、対策しやすいかもしれません。

これはおわかりでしょう。無理解な言葉。教訓的でもないし、誰も受け取ってくれない感じですよね。それと自尊心を傷つける言葉。否定、強制、不安にさせる言葉。(スライドを示して)ここにも「自己防衛意識」ってありますが、そんなようなところでしょうか。



おそらく言っている側は、そんなつもりで言っていないんですね。(スライドを示して)こんな言葉がよく例として出ます。これもすみません、強調すると、男言葉になってしまいますけど。否定や強制と感じる言葉。「こんなこともできないの?」とかね。

「とにかくやれ!」「言い訳するな!」と、感情的な言葉。「何回言わせるんだ! いい加減にしろ!」とか、具体性のない言葉。「しっかりやれ!」「もっと考えて!」。こういう言葉があります。「さすがにそんな言い方しませんよ」と、みなさん思っていると思います。でもこの言葉って、言葉にはしないけどみなさんの頭にポンッと浮かんだと思います。



「ちょっといい加減にしろよ」って思いながら、何か言います。その時、相手はどう感じるでしょうか? バレるんです(笑)。この言葉を使わなくても、聞き手が意味を感じ取っちゃうんですよ。言葉ってここが怖いんですよね。

言い換え例をご紹介しておきます。「こんなこともできないの?」は「どこがやりづらいの?」とかね。それから「とにかくやれ」は「まず一歩を踏み出さないか?」みたいなね。「(スライドの)左と右と比べて、何が違うかな?」というのを、みなさんなりの言葉でいいので感じ取っていただければと思います。



ザーッとこの左右の言葉を眺めてみてください。さぁ、どうでしょうか? どんなことを感じたのか。逆に、「これ、何の違いかよくわからないなぁ」でも何でもいいです。また3分間ほど、お隣の方とお話をしていただければと思います。

(ワークショップ開始・終了)

はい、ありがとうございます。どんな話が出ましたか?

参加者1:右側は、上から言うんじゃなくてもう少し平たい、同列な感じで言ってあげると。

井上:いいのかなと。

参加者1:はい。

井上:はい、ありがとうございます。

(会場拍手)

井上:若干、取って付けたような言葉に聞こえなくもないところがあると思うんですよね。だから、「このとおりに言いましょうよ」ということではありません。左は、先ほども言ったとおり、マネジメントをしていて感じる言葉なんです。

(相手が)すごく落ち込んでいたりすると「そんなに落ち込まなくてもいいのに……」って、思ったりするんですよね。でも、それをそのまま言っても相手には響かない。「相手はどうなのか?」と、相手の状況を知るということをいったんしましょうということです。

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