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言葉が変われば組織が変わる!──ロジックでも感情でもない、リーダーのための組織マネジメントの極意(全4記事)

なぜ部下は“言ったとおり”に動いてくれないのか 人が動き出す「伝わる言葉」のつくり方

【3行要約】
・組織マネジメントでロジックや感情だけでは限界があり、多くのビジネスパーソンが人を動かすことに悩んでいます。
・井上健一郎氏は、AI普及により言葉の重要性が増す中、関係性を軸とした組織づくりの新たな視点を提示。
・管理職は「心」を扱う第3の要素として、共感・納得・共通認識を生む言葉選びで関係の質を高めるべきです。

「言葉」と「マネジメント」を考える場

司会者:本日はご参加いただき、ありがとうございます。それでは、井上健一郎の「言葉が変われば組織が変わる! ロジックでもない、感情でもない組織マネジメントの極意」を始めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

(会場拍手)

ありがとうございます。それでは、井上健一郎先生のご紹介をさせていただきます。井上健一郎先生は慶応義塾大学をご卒業後、CBS・ソニー、現在のソニー・ミュージックエンタテインメントに入社し、音楽業界で企画から販売まで幅広い経験を積まれました。その後、2006年より企業の人材開発や組織づくりの支援に従事され、現在はリーダー育成や組織マネジメント支援を中心にご活躍されています。

これまでの講演テーマは部下育成、人材定着、組織文化の作り方など多岐にわたり、現場に根差した実践的な内容で多くの企業の支援をされています。本日は、そうした実践と理論に裏付けされた組織マネジメントの極意の中でも、特に「言葉」に焦点を当ててお話ししていただきます。それでは井上先生、よろしくお願いします。

Podcastとオンラインサロンから広がる学びのコミュニティ

井上健一郎氏(以下、井上):はい。みなさん、こんばんは。

会場:こんばんは。

井上:まず、いつもPodcastを聞いていただいて本当にありがとうございます。前回、7月・8月の2回に渡ってオンラインでセミナーをやったんですけど。みなさんの中にも、参加いただいた方がたくさんいらっしゃると思います。そこで、「長年聞いてますよ」なんていう感想をいただいて。もう本当に、とてもすばらしいなと思っています。

私にとってというよりもね(笑)。みなさんがそんなに真剣にマネジメントというテーマと向き合っていらっしゃるんだなというのがよくわかったので。そんな意味で、いろんな情報交換をする場を作りたいと、8月にオンラインのサロンを立ち上げました。そこでも、すでにいろんな交流が始まっています。

やはり、リアルでみなさんとお会いして、できればお一人お一人と言葉を交わしたいなと思いました。今回ここはあえて、リアルという手法でやらせていただきたいと思っています。せっかく同じ空間にいるので「ちょっと遊ぼうかな?」と思います。冒頭の5分間だけ、あることをみなさんにやってもらいたいと思います。

血液型あてワークで「自分のフィルター」を体感する

井上:入場の時に付箋をもらいましたね。そこにご自分の血液型をこっそり書いてください。他の人に見えないように。パッと人に見せるので、わかりやすく大きく書いておいてくださいね。

どんなことをやるかというと、これから5分間、ここの会場をみなさんに徘徊していただきます。ポンッと目が合った人と、名前だけ自己紹介をして、例えば「井上さん、血液型はB型ですか?」と推測して相手の血液型を言ってください。

それでパッと答えを見せる。それをお互いやります。5分間だったら全員できるかもしれませんね。とにかく、いろんな方と会って「A型ですか?」「O型ですか?」「AB型ですか?」とか言いながら、当たっているかどうかをやっていただきます。もし話が弾んだら、話していてもけっこうです(笑)。温めるために、みなさんでちょっと動きましょう。ではスタートです。どうぞ!

(ワークショップ開始・終了)

時間になりました。席にお戻りください。私のセミナーでは、時たまアウトプットする時間も大切にしています。なぜかというと、入れたものをアウトプットすることで自分の考え方がまとまったりするからです。

経験からできた「フィルター」が言葉の意味を変える

井上:どうですか? 「だいぶ当てられたな」という方はいますか? 自分が当てられてないなという感覚の人は?

(会場挙手)

お、けっこういるんですね。なんとなくみなさんは、長年のいろんな情報の中で「なんかAB型って、ちょっと変わってそうだな」とか(笑)。「A型の方って、なんかまじめそうだな」とか、知っているじゃないですか。

そういうフィルターを通して、相手の表情や雰囲気を見て「A型ですか?」とか言っているわけです。これが、やはり今回の「言葉」に焦点を合わせる時のポイントになると思うので、ちょっと感じとってもらいたいなと思いました。

人には必ず自分自身のフィルターというものがあります。これは、全員種類が違います。どんなことでできているかというと、やはり経験やいろんなことで出来上がった自分の価値観もあるでしょう。

今日は「言葉」ということなので、聞く情報が中心ですが、この聞く情報も耳に入った瞬間に、ご自分の過去の経験やいろんなものを通じて、ある種「これって、こういうことじゃないのかな?」という推測をします。

それともう1個は非常に大事なところで、その状況によっても違います。私がいつも言っていることですが、やはり「関係によって意味が変わりますよ」ということなんですよね。その人との関係。例えば同じ会話でも、友だちと夫婦での間でもまた違ったり。

夫婦の方でもね、恋人の時と同じようなことを話してもぜんぜん変わってくるぞみたいなことは、みなさんも体感されていることだと思うんですけども(笑)。まぁ、そういうものがフィルターというやつです。

なので、やはり関係がすごく大事だというのが、ベースです。その関係のために、言葉はあるんですよということを前提にお話をしていきます。言葉と言っても、たくさんの場面とたくさんのことがあって、今日は全部を話せないので、とりあえず、その入り口になるところをお話をさせていただきたいと思います。

「ロジックでも感情でもない」心を扱うマネジメント

井上:今日「変なタイトルだな」と、思われたと思うんですね。「言葉が変われば組織が変わる」。これはまだいいとして「ロジックでもない、感情でもない、組織マネジメントの極意」なんて書いてあります。偉そうに「極意」とか言っちゃっていますけれど。まず「ロジックでもない、感情でもないって何かな?」ということからですよね。

これは、1つは「ロジックだけではダメよ、感情だけでもダメよ」という意味です。自分の中で動くのは心ですよね。なので、キーワードは心です。実は、心をどう扱うかというところが組織マネジメントの1つの核だろうなと私は思っています。

ということで、関係性をすごく大事にしたマネジメントは、組織マネジメントの中でも大事なポイントになるだろうなと思っています。言葉って、今まで以上に大事になってきましたね。ChatGPTとか、AIと話す時は言葉ですからね。だから、言葉の使い方や「言葉が的確かどうか?」が、すごく大事になってくる。

試しに、チャッピーくん、ChatGPTくんに「どう言えば伝わるか?」って聞いた後に「どうすれば伝わるか?」って聞いたんですね。答えはまるで違いました。「どう言えばいいんですか?」という問いに対しては「言い方のテクニックを聞いているだろう」と向こう(ChatGPT)は思っていると。

「どうすれば伝わりますか?」という問いに関しては、「テクニックじゃなくて、伝わるという状態にするために、どんな条件が必要ですか?」と問われてると思っているらしいんですね。なのでぜんぜん答えが違う。

すごく似ている言葉だし、どちらでも使っちゃうんだけど、みなさんが、本意をAIに伝えるためにも、言葉が大事な時代になりました。ということで、言葉をどう使っていくかというのは、すごく大事ですねということです。今日は、組織をより良くするために言葉遣いをどう工夫、意識していったらいいかなというお話をしていきたいと思います。

高い成果と良質な文化を生む「関係の質」

井上:まず、どんな組織を作りたいか。やはり「高い成果がある」それから「良質な文化」ですよね。やはり、いい雰囲気だったり、魅力的な組織だったりにしたい。そのためには、一人ひとりが「言われなきゃやらない」じゃなくて、能動的で主体的な動きができている状態になるといいねと。このためにもう1つ大事なのが、関係の質が良いことだと私は定義しています。



基本は下からですからね。関係の質が良いチームであれば、能動的・主体的な動きをメンバーがしやすくなる。そうであれば、成果にもつながるでしょう。じゃあ「そのために大事なキーワードって何なのかな?」ということですが、関係の質には、やはり共感や信頼という言葉が大事になってくるんじゃないかなと。

さらに能動的・主体的な動きには、納得が次に大事になってきます。やはり「確かにそうだね」と思えなきゃいけない。さらに高い成果や、特に良質な文化には、共通認識というものが必要になってきます。

(スライドを示して)ここに書いたキーワードは、全部心に関連してきます。共感・信頼、そして納得のために大事な言葉があるんです。まず共感・信頼をベースとして築くために必要なのは、相手の心が開く言葉です。オープンになって、お互いの言っていることをちゃんと受け取り合いましょうという状態が作れるかどうか。

それから、納得する時に大事なのが「心に響く言葉が語れていますか?」ということです。そして、共通認識のために大事な言葉。これはちょっと種類が違いますが、共通言語というのも、とても大事です。今日は、この3つについてお話ししようかなと思います。

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