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「型」と「個性」を両立する営業マネジメント“4つの鍵”(全4記事)

営業で心を折らないための“モチベーション管理術” “苦し紛れの大量行動”を脱し、成果を出すための第一歩 [1/2]

【3行要約】
・ストレス等によって生じる「学習性無力感」を防ぐには、モチベーションを管理することが重要です。
・ベストセラー『無敗営業』シリーズ著者の高橋浩一氏は、心を折らないためには「モチベーションの下限を作る」ことが大切だと指摘。
・営業活動の「型」を作るコツや、ロープレの効果的な実施方法などを紹介しました。

前回の記事はこちら

モチベーションを構成する3つの要素とは

高橋浩一氏:(学習性無力感に対する)1番、2番、3番、4番の手段について触れましたが、実はこのあたりはモチベーション理論とも関係しております。

「単発×根本」に関して言えば、「期待のメッセージ」というのはどちらかというと外的要因、すなわち外から与えてあげるタイプのものですよね。期待理論によると、モチベーションとは「期待」と「手段性」と「価値」という3要素の掛け算であるということです。

努力すれば成果が得られるという信念、成果が報酬に結びつくという信念、その報酬がどれほど魅力的かということが掛け合わされるんです。ものすごくシンプルに言うと、期待のメッセージを外から投げかけることはモチベーションにプラスです。

そして「やる気が湧く目標の再設定」ですが、こちらは(「やる気のメッセージ」とは違って)内的なものなんです。やはり目標は自分の中に残りますので、目標設定理論や意味付けの理論、自己決定理論からも、こういったことは有効だと言われます。やる気が湧く目標というのがすごくカギなんですよね。

私自身も自分で毎日読み返しているノートがあって、見開きで左から毎日の自分の心の中を書いているんですが、一番右側には自分の人生の目標を書いております。

そして、問題の真因や新しいアイデアの発見というのも内的要因です。新しくアイデアが発見されることもいいですし、うまくいかなかった本当の原因がわかることもモチベーションにプラスです。これらは「単発×根本」の要因です。

さらに「根本×継続」ということで、これは周囲との人間関係です。例えば刺激的なライバル関係やロールモデルの存在など、他者との有意義な関係性がすごく効きます。

次が「単発×対処」です。心身の休息とかリフレッシュも、ぜんぜんやらないよりはやったほうがもちろんいいわけですし、必要ですよね。最近は本屋さんなんかに行くと、休むことや休養に関する本が数年前と比べると明らかに増えましたよね。

ストレス等によって生じる「学習性無力感」を防ぐには

このあたりをどのように組み合わせていったらいいんでしょうか? というのが大事なポイントです。学習性無力感に陥りにくい状態を意図的に構築していきましょう。つまり、時間をかけてだんだんこの配分をコントロールしていくわけですね。

最初は4番(ネガティブな感情の蓄積)が多少出てくるのもしょうがないけれども、4番は危険ですからだんだんと減らしていく必要があります。3番(気晴らしや気分転換)も対症療法ですから、ざっくり言うと多いよりは少ないほうがいいわけです。

なので、根本的なものを増やしていきましょう。つまり、1番(認知や行動への働きかけ)と2番(環境の構築)を増やしていくということです。このように時間の経過に伴って、徐々に根本部分を増やしていくことで安定させていきます。

ですから、チームに恵まれて自分のやり方が確立されてくると、学習性無力感に陥るということは起きにくくなります。私は性格で言えばけっこう落ち込みやすいほうなんですが、後天的な技術によってモチベーション管理をやるようになりました。

競争意識が強すぎると「ギスギスした職場」に

マネージャーの立場からは、チーム内のライバル関係がけっこう大事なところです。建設的な競争意識というのは、目標が共有されていて、公正で透明性のある評価基準があり、内発的動機への刺激があり、互いに切磋琢磨する関係。こういうものは、チームを学習性無力感に陥りにくくするモチベーションという意味では有効ではあります。

ただ、これが破壊的な競争意識になると、なんかギスギスした職場になってしまうということです。いつまで経っても他人と比べられて、「他の人にノウハウを教えると自分が損するんじゃないか?」みたいな状態は、内的な意味ではプラスの影響になりにくいですよね。

ここまでいろいろ述べてきたことをざっくり言うと、メンタルの波を捉えてモチベーションの下限を作りましょうということです。

「モチベーションの下限を作る」というのは、人ですからモチベーションの上下は当然あるわけですし、私にもあります。ただし“危険水域”に陥る前に食い止めることができず、危険水域に度々陥ると、どこかで心が折れてしまいやすいんです。

ということで、型ができないリスクを回避するというのは、一言で言うと「精神的安定」なんですが、学習性無力感に要注意です。

型が確立されるまでって、パフォーマンスがなかなか安定しにくいわけです。なので、この時に心が折れないようにしましょう。学習性無力感に陥りにくい状態を意図的に構築して、モチベーションの下限を作りましょう。

商談で使える“具体的な事例の伝え方”

1番目はいわば攻めの話であり、2番目は守りの話でしたけれども、それができたら今度は型の完成度を上げていく話に移っていきます。

さっき「型が束になっている状態を作りましょう」ということをお話ししました。束になるためにはどうしたらいいかということなんですが、ある程度の基準を引き上げていきます。

そのために組織としてできることとしては、最近だと「セールスイネーブルメント」ということもよく言われますが、例えばセールスイネーブルメント的な施策をやっていくとします。その時になんとなく心得を言うだけだと、メンバーの立場からすると「いや、そんなのはわかっているんですよ」と思いますよね。

例えば「お客さまに会う価値を感じていただくような営業になりなさい」と言っても、「おっしゃることはごもっともです。私もそうなりたいです。でも、どうしたらいいんですか?」となるわけじゃないですか。

そうなると抽象的なアドバイスだけではなくて、もっと具体的なものが必要なので、「お客さまと似た業種とか企業規模の事例を提示するんですよ」というふうに方針を教えてあげる。そうすると、「そうか。こうすると会う価値を感じていただきやすいですね」となります。

具体的なコツとしては事例の出し方です。私もロールプレイでこの場面をやるんですが、よく営業の方で「いやぁ、この事例は御社と違うんですけども」って、わざわざ前置きで紹介される方がけっこう多いんですよ。これってプラスかマイナスかで言うと、別にプラスではないですよね。だって、「御社と違うんですけども」と言ってから紹介するからです。

だったら、私が推奨したいのは逆のセリフです。「実はこれからご紹介するお客さまは、御社とこういうところが共通しています」というふうに前置きをしてから提示をしましょう。できたら複数個(共通点を)出せるといいですよね。こんなふうに、できるだけ具体的なものをしっかりと教えてあげましょう。

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