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「型」と「個性」を両立する営業マネジメント“4つの鍵”(全4記事)

“素直でいい人”ほどハマりがちな商談の落とし穴 『無敗営業』著者が教える、成果を上げるための営業術 [1/2]

【3行要約】
・営業組織では「型」の習得が重要とされますが、型だけでは成果が出ないという課題に直面している営業マネージャーも少なくありません。
・営業書として異例の売れ行きを誇る『無敗営業』シリーズ著者・高橋浩一氏は、営業を成功させるカギは型と個性のバランスだと指摘。
・営業パーソンの“武器”を増やすためにおすすめな「仮説検証ゲーム」について紹介します。

『無敗営業』シリーズ著者が語る営業の極意

高橋浩一氏:みなさん、こんにちは。TORiX株式会社の高橋浩一です。本日はお忙しいところご参加いただきまして、誠にありがとうございます。これからセミナーを開始させていただきます。

今日のテーマは「『型』と『個性』を両立する営業マネジメント“4つの鍵”〜『型』を浸透させつつ、メンバーの強みと個性を引き出すバランス感の黄金法則〜」ということで、お話をしていきたいと思います。

最初に簡単な自己紹介をさせていただきます。営業の研修やコンサルティングを手掛けるTORiX株式会社の代表を務めております、高橋浩一と申します。私は新卒で外資系のコンサルティング会社で2年半働いて、その後25歳の時、アルー株式会社という人材教育のベンチャー企業を創業しました。

創業メンバー3人のうち会社のNo.2の立場で、そこから6年間役員を務めておりました。6年経った頃には、3人で始めた会社が(従業員数)70人ほどになりまして、中でも営業組織作りが非常に力を入れていたテーマの1つでございます。

2011年にTORiX株式会社を創業しまして、2024年から東京学芸大学で客員准教授としてアカデミックな研究活動もしていて、営業の世界でみなさんにお役立てる知見を発信できるように、活動を進めさせていただいております。

これまで営業に関する本を何冊か出させていただきまして、非常に反響が大きかったのが『無敗営業(「3つの質問」と「4つの力」)』『営業の科学』です。1万部売れれば「けっこう売れているね」と言われるビジネス書の世界で、営業書としては異例の売れ行きということで大変多くの反響をいただき、本当にありがたく思っております。

さて、今日は「型」と「個性」を両立する営業マネジメントということなんですけれども、営業組織作りは非常に難しいところが多いと言われます。

例えば、ちょっとこういったことを考えてみたいと思うんですが、プレゼンは神がかり的にうまいがヒアリングが下手過ぎる営業。要するに、しゃべるのはものすごくうまくて人を引きつけられる。でも、ヒアリングが決定的にできていない。こういう方が活躍できるようになるためにはどんな営業チームにしたらいいか? ということです。

ここで考えていきたいのは「型と個性のバランス」なんですが、この型と個性のバランスというものが、まさしく今日のセミナーのテーマでもあるんですね。

成果を出すには「型」と「個性」のバランスが大切

「型」というのは、よく誤解されて伝わりがちだなと私は思っておりまして、型=マニュアル、テンプレート、フォーマットって思われがちなんです。

型というのは誰でも当たり前のようにできているべきことなので、どちらかというと基準のことを指していると私は考えます。「最低限これはできている」みたいなことですね。その上に乗っかる「強み」や「個性」が、人によって異なる部分であるということです。

もし型がないとメンバーの成長が非常にばらつきますけれども、型があることによって成長の方向性がはっきりするし、強みや個性を活かせる。どういうことかというと、「まずは最低限、型を身に付けましょう」と言えるわけですよね。

ただし、当然ながら型のことだけを考えていればいいというわけではなく、最終的には個性と両立ができた状態を目指していきたいと思います。

そこで今日は、まずは型を確立するところから考えていきたいと思いますが、型を確立するとなった時に、そもそも型が確立できている状態ってどんなものなのか。

「型というの、最低限の基準である」という話をしましたよね。例えばヒアリングの型というと、一般的には「一通りの質問項目を覚えて、お客さまに聞ける状態になっている」ということをイメージするんじゃないでしょうか。どうですか?

ただ、現実はどうですかね? これで通用するかというと、なかなか通用しにくい。この項目を型どおり順番に聞いても商談がぜんぜん盛り上がらないし、(お客さまの要望を)教えていただけない場合がありますよね。そうすると、型はできているのに成果が出ないということになる。

あれ、ちょっと変な感じがしませんか? そうなんです。実は、型って現実的に求められるレベルがけっこう高いんですよ。一通りの質問項目を覚えており、商談に安心して臨める状態になっている。これで、成果を出すためのスタートラインに立てるんだということです。

一本足打法だけでは商談で戦えない

ですから、私がまず申し上げたいことは、型には一定の基準の高さがあるんです。ただ、じゃあ具体的にはそれってどういうこと? という話があります。一定水準以上の基本動作が束になっている状態とは、例えば縦軸が実践での通用レベルだとします。ここでは選択肢のラインナップ、いわば武器や引き出しの種類を挙げてみます。

一番左の人はどういう状態かというと、「安心できるライン」というものがあった時に、そこまでのギャップが大きいですよね。(安心できるラインに)届いていません。

ただ、もしこれが一本足打法で「1個のスキルは通用するよ」というふうになったら、これはこれでいいことではあるんですが、これだけだと武器が通用しなくなった瞬間にかなり難しくなってしまいますね。

ですから、最低限いくつかの武器が一定レベルを超えている必要があります。これが、安心して商談に臨める状態ではないかということですね。すなわち一本足打法だけでは戦えないということが、最初に申し上げたいことです。

よくある誤解として、「特定の基本動作が実践で通用するレベルに到達していれば、それでいいんじゃないか?」って思われるんですが、それだと頼みの綱が通用しないと手詰まりになってしまいます。ある程度は(基本動作の)幅の広さが必要だということで、私はこれを「束」という表現をしております。

束というのは、「AがダメだったらBができる」というところまでがちゃんとないと、商談で不安を感じてしまうんじゃないかということです。そして、正解がない難しさに対して対処することが求められます。

新人に対してやってしまいがちな指導方法の罠

右も左もわからない新人に対して、「とりあえずこれだけやらせておけ」みたいなことがよくあるんですが、それだと教わった型以外を試すことができない。対処できない壁に対して、次々と誰かが型を供給しないといけない。なので、型が成長の上限になります。

要するに、「まずはこの型だけやっておけばいいんだ」という感じになっていて、教わった型以外を試すことができなければ、会社や上司として誰かが型を供給してあげなくちゃいけないし、それがメンバーのパフォーマンスの限界になってしまいますよね。

でも、営業って正解にたどり着くのは難しいじゃないですか。お客さまと状況によって正解も変わりますし、正解だったかどうかは教えてもらえません。さらにお客さまも正解をわかっていないことが多いです。なので、私はここに難易度のギャップがあると考えます。

「じゃあ、結局どういうふうにしたらいいの?」という話なんですが、結論めいたことをお話しすると、複数の武器を育てていくやり方を自分なりに持つことが、まずは型として必要なんじゃないかということです。

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