PR2025.12.24
鉄道ダイヤの最適化に学ぶ、生成AI活用 複雑なビジネス課題をチャットボットで前に進めるポイント
コピーリンクをコピー
ブックマーク記事をブックマーク

例えば、多くの営業の方は口数が少なくて反応が薄いお客さまって苦手だと思うんです。私も、苦手か苦手じゃないかで言えば苦手です。こういうお客さまはみんな苦手ですよね。「みんな」と言ってくくってしまうと語弊がありますが、苦手だという回答が一番多く集まっているのがこういうタイプのお客さまです。
そんなお客さまがいらっしゃった時に、じっくりと聞き手に回るやり方もあれば、逆に熱く迫るやり方もあるし、こちらから正直に自己開示をするやり方もあります。さらには、率直に提案をぶつけて揺さぶるというアプローチもあり得るかもしれません。要するに、正解がパッとはわからないんだったら、複数の選択肢があり得るということです。
そこで、素直ないい人がはまりやすい落とし穴があります。例えば「本にこんなことが書いてある」「上司がこういう指導をしてきた」「先輩がこんなアドバイスをしてきた」という、この3つでそれぞれ違うことを言っていたらどうでしょうか?
「傾聴」「熱意」「ストレート」と、どれもなんだか同じことは言っていないわけですよね。そうすると混乱してしまいます。妥当な解を探す力がないと、初期段階で簡単に行き詰まってしまう。これが、多くの営業の若手が直面している壁になります。
だったら何の型が必要なのかというと、妥当な解を探す力について、最低限現場で通用する基準まで引き上げていかなくちゃいけないんです。これはどういうことかというと、トーナメント形式で妥当な解を探ることができるということです。
具体的には、難しい状況が訪れた時にいろいろと試してみて、実際はどれがうまくいくのかを検証するということです。この力があれば落とし穴にはまらなくて済みます。正解が変わるといえども、いくつか(アプローチを)試してみて、生き残る選択肢が現時点では正解なんだと言えるわけですよね。
でも、もっといい選択肢があるかもしれないので、手持ちの武器を増やしていくという動きをやっていかなければいけないわけです。これを私は「仮説検証ゲーム」というふうに呼んでおります。
仮説検証ゲームは何かというと、選択肢を増やし、選択肢同士を試して競わせることによって妥当解を導き出す。そして、さらなるいい妥当解の候補を探し続けられるということです。
(仮説検証ゲームには)エッセンスが2つあります。1つが「選択肢を増やす」こと。もう1つが「選択肢同士を試して競わせる」ことです。
選択肢を増やすことにおいては、工夫とフットワークの軽さが必要です。「うまくいかなかったら反対のことをやってみよう」「どうせだったら極端にやってみよう」「せっかく聞いたアドバイスだからやってみよう」「本の内容を自分なりにアレンジしてみよう」とか、こういう方は伸びるのが早いです。
なぜ伸びるのが早いのかというと、選択肢を増やすことができるからですね。とはいえども、これだけあれば十分かというとそうではないわけです。試して競わせることは必要ですが、これは環境や状況に左右されるところが多分にあります。どういうことかというと、プレッシャーが強いと冒険しにくいわけですね。
縦軸が「試せる選択肢の数」で、横軸が「プレッシャーの強さ」だとします。例えば、プレッシャーがあまりかかっていない時は試せる選択肢の数が多いわけです。ただ、プレッシャーが非常に強い、落とせないコンペとか大きな金額がかかった商談になると、試せる選択肢はそんなに多くないですね。冒険できません。
ということで、試して競わせる力は磨きやすい特定の場面があります。目標達成プレッシャーが強くないような配属直後だったり、あるいは上司が同席している商談。関係性によっては、上司が同席していないほうが試しやすいというのはあるかもしれませんね。あとは、商談の中でも楽勝案件とか惨敗案件のようなものです。
際どいところでやったこともないことを試すことなんて、できないわけじゃないですか。裏を返すと、ある程度プレッシャーが強くない時に試しておくことをしないと武器が増えません。
続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。
会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。
すでに会員の方はこちらからログイン
名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!
スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ
この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします