お知らせ
お知らせ
CLOSE

〜組織にリーダーシップを根づかせる〜 アマゾンに学ぶ カルチャー浸透と日本企業への示唆(全2記事)

企業は“社員に求める行動指針”をどう浸透させたらいいか Amazonの事例に学ぶ仕組み化 [2/2]

買収後の文化の統合をどのようにしているか

八木:文化浸透に関する最後の質問をさせてください。Amazonさんって、クロスボーダーのM&Aもたくさんやりますよね。どんどん買収もしていますよね。

この買収した企業って、それぞれの企業文化があると思うんですよ。ここに対してどうやってリーダーシップ・プリンシプルを浸透させるのかみたいな。PMI(Post Merger Integration)をどうしているのか、買収後の文化の統合ってどうされているのかなって。具体的に意識されていることとか、やっていることとかがあるのであれば教えてください。

田中:どんな企業でも、M&Aやその後のインテグレーションで取るアプローチだと思うのですが、まずその事業にさまざまな意図があってM&Aした時に、早々にAmazon化するケースと、独立した企業・組織として運営する場合と、すごく分けています。

多くの場合は早々にAmazon化することが多いのですが、カルチャー的な側面とあと法的なものとかも含めて、あえてほとんど触らないケースも例外としてはあります。

早々にやる場合は、やはり仕組みです。根本的にマネジメントの仕組みからジェフ、アンディから連なる組織系統のかたちから、その中でどういうレポートラインにするかとかの仕組みをまずしっかりと決めた上で、人事で言うのであれば、評価、採用の仕組みとかを、もう一気にどんどん変えてしまいます。本質的にすべてインストールするというアプローチです。

カルチャーフィットを考えた上でM&Aをしている

田中:僕はあまりM&Aに直接的に関わってきてはいないのですが、Amazonはある程度その組織とのカルチャーフィットを考えた上でM&Aをしていると思います。とんでもなく逆のアプローチをやっているような企業とのM&Aは起こっていないと思います。

M&Aのデューディリジェンスの時にやっていると思いますが、、僕がいくつか見てきたM&A後のケースで言うと、やはり「Customer Obsession」が強い企業さんであったり、一人ひとりがちゃんと行動を起こすとか学ぶとかだったり、そういうのが文化としてある程度根付いている企業とはM&Aしやすいのだと思います。

八木:なるほど、ありがとうございます。

Amazonのかたちを少しずつインストールしていく

金子:実は今徹さんが言われたことについて、2025年5月に僕がシアトルに行って会議に出た時も、本当に同じような話になったんですよ。

その時の実例が、Whole Foods(Market)を買収した時のカルチャーチェンジの過程で、AmazonからWhole Foodsのほうに協業し始めて、一緒にプロジェクトをして、どういった変遷をしていたのかを聞いた時に、やはりヒロさんが言われたみたいに、チームメンバーの中にいきなりガバッといくわけでなくて。

プロジェクトを一緒にやりつつ、どのような仕事をAmazonサイドはしているのか、どういうふうなドキュメント、言葉遣いとかをしているのかを、少しずつインストールしていくようなイメージでWhole Foodsの場合はやったって聞きました。

八木:いやぁ、とても参考になります。日本企業もかなりクロスボーダーのM&Aが進んできて、案件も大型化していますので、「買収先のPMIってどうしていくのかな? 文化の浸透ってどうしていくのか?」は気になっている人が多かったと思うので、ものすごく参考になりました。ありがとうございます。

行動の事例化がすごくしっかりしているから伝えやすく学びやすい

田中:やはり前提として、Amazonのリーダーシップ・プリンシプルは行動の事例化がすごくしっかりされているんです。だから例えば「こういうシチュエーションだったらこういう行動を取っているのが『Bias for Action』の例ですよ」とかがかなり明確にされています。

だから、ある意味伝える側としても使いやすいですし、学ぶ側も、具体的に「こういうレベルの行動で初めて『Hire and Develop the Best』なんだ」とか、そういうのがけっこうわかりやすくなっています。

定義の文言の裏にいろいろな事例集みたいなものが豊富にありますので、新しい人が入ってきた時にはそれを伝えるとか。さらに、それを伝えてもらった人が、次の後輩社員や部下に伝えていく、というのがやりやすくなっていると思います。

八木:なるほど、そういうことですね。ありがとうございます。非常に示唆に富む内容でした。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!