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目標はなぜ形骸化するのか?〜成果創出を阻む3つの「落とし穴」~(全4記事)

“形式的な目標設定”が生まれるワケ 上司も部下も幸せにならない目標管理のNG例

【3行要約】
・目標管理制度はMBOやOKRなどさまざまな手法が存在するものの、多くの企業では形骸化し、効果的に機能していない現状があります。
・コーチングフォワード代表の相川貴志氏は「目標が形骸化する理由は、目標がわくわくせず、熱量が低くなってしまうからでは」と指摘します。
・同氏は目標設定はあくまで人材育成の手段として、個人のタイプに合わせたチューニングが必要だと提言しています。

目標はなぜ形骸化するのか?

司会者:ではさっそくですが、私から簡単な登壇者紹介をさせていただきます。初めに、株式会社コーチングフォワード代表取締役の相川貴志さまです。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

相川貴志氏(以下、相川):みなさん、よろしくお願いします。今日は楽しみにしておりました。

司会者:ありがとうございます、よろしくお願いいたします。次に、株式会社O:(オー)の代表取締役の谷本です。よろしくお願いいたします。

谷本潤哉氏(以下、谷本):よろしくお願いします。

司会者:よろしくお願いいたします。では、さっそくなんですけれども、相川さまのセッションから始めさせていただきます。相川さま、お渡ししてもよろしいでしょうか?

相川:はい、ありがとうございます。では、ここからはバトンタッチさせていただきます。少しお時間をいただきまして、前半は相川から「目標設定の本質」というテーマでお話しさせていただければと思います。

コーチングを応用した人材育成・組織開発支援を提供

相川:まずは簡単に、「コーチングフォワードってどんな会社なのか?」というところだけ、少し紹介させてください。

私どもは、「コーチングフォワード」という社名のとおり、コーチングの力を使ったソリューションを提供しております。これはコーチング専門というよりは、コーチングの技術を応用して人材育成や組織開発に活用いただき、お力添えさせてもらっている会社になっております。

僕自身もこれまでビジネスサイドでの経験や、インハウスでの人事もけっこう長くやってきました。今は企業向けに人材育成を中心にご提供させていただいています。今もプレイングで、現場主義でやっておりますので、この件に関することではなくても、ご質問があればぜひお待ちしております。

じゃあ、さっそく中身に入っていきたいと思います。(スライドを示して)これは目標設定(について)ですね。実際は丸1日以上かけてやる内容なんですが、今日は20分ぐらいにギュッとしています。なので、少し飛び飛びになるかもしれません。でも切り口はけっこうおもしろいので、少しでも持って帰っていただけるようにお伝えできたらなと思います。

目標が形骸化する原因は「わくわくしない」から

相川:まず1つ、みなさんにおうかがいしたい問いは、今日のテーマでもありますが、「どうして目標って形骸化しちゃうんでしょうね?」というところです。なんででしょう? これは正解があるわけじゃないんですが、僕は「わくわくしない」「熱量が低い」からだと考えています。

「そんなことですか?」と、ちょっと稚拙に感じられるかもしれません。だって、「モチベーションに影響されるのはプロじゃない」とよく言われますよね。なので、「こんなことで形骸化するんだっけ?」と。

ここには少し誤解があるんじゃないかなと思っています。その指摘自体は決して間違いではありません。モチベーションが下がった時にパフォーマンスが下がるのは、確かにプロじゃないと思います。でも、ほとんどの人はモチベーションが低くても、一定の成果(は上げるし)、一定の仕事はしていると思うんですよ。

どちらかというと、モチベーション高く熱中した状態で仕事をしている時のパフォーマンスをいかに再現していくかがすごく大事なんですよね。熱中した状態の生産性の高さってすごくないですか? それをどうやって再現性を高く出していくのか。そこには実は、「目標のおもしろさ」が関わってくるんですね。それで、「わくわく」「熱量」がキーワードになってきます。

上司も部下も目標設定した気になっている

相川:一方で、「目標は構造的に形骸化するなぁ」とも思っています。MBO、OKR、Will・Can・Must、いろいろありますよね。これは非常によくできた仕組みなんですが、どれも本質は同じなんじゃないかなと思っています。

要はこういうことです。目標管理でやっていることって、形式的に目標設定をして……今日は、ズバッといろいろ言いたいと思っていまして、ちょっと攻撃的な言葉を使っています。現在位置を確認して、ギャップを埋めるためのアクションプラン(を立てます)。もうオーソドックスですよね。これはどんな会社さんもやっていることじゃないかなと思っています。非常に理にかなってはいるんですよね。

上司の方はこれで目標設定した気になっている。部下も部下で、仕事の目標を設定して、「まぁ、こんなものかな」と思い込んでしまっている。すると、「モチベーションも生産性も、一定の水準で停滞している」みたいなことがどうしても起きてしまう。

目標を査定や評価起点で考えてしまうと起こること

相川:ここから少しブレイクダウンして、形骸化する要因を一つひとつ見ていきます。

まず1つ目は「目標にわくわくしない」。(形骸化する要因は、)まずは目標そのものじゃないかなと考えています。形式的に目標設定しても、スイッチがパーンと入るわけではないんですよね。繰り返しますが、もちろん一定の生産性は出ますが、その人の良さや強みを活かし切れているか、ポテンシャルを全解放しているかというと、そこまでいけていないことも多いんじゃないかということですね。

じゃあ、わくわくするような目標を立てればいいじゃないかと。「わくわくするような目標って何ですか?」という話ですよね。みなさんはどう思いますか? 

よくある回答としてはこんな感じですね。「SMARTな目標」。継続可能であり、実現可能であり、達成可能であるといったSMART(の法則)に沿った目標設定。あるいは、「誰が見ても公平な評価ができ、納得感が持てる」。確かに。でも、本当にそうですか?

これは確かに見方として、会社にとってのいい目標ではあるんですよ。会社からすると、計測可能であり、評価しやすい。つまり、目標を査定や評価でしか考えていないからこそ、その観点から「いい目標」として出てくるんじゃないかなと。

個々のタイプに合わせた人材育成が必要

相川:これが、経済成長が右肩上がりで、みんなが同じ方向を向いていた時代であればなんとかなったんですよね。正しい評価さえしていれば、全体としては上がっていったので、そこまで問題にはならない。

でも、今って先が見通せないし、変化がとにかく激しいです。なので、正しい評価はもちろん必要なんですが、いま一度、「目標設定は人材育成ですよね」ということをしっかり理解しておく必要があるんじゃないかなと思っています。

さて、では人材育成を目的とするなら、これは個々に合わせた目標設定が必要なんですかね? それはけっこう大変だなと(思います)。でも、1つ安心していただきたいのは、ある程度はタイプ別に考えていけば大丈夫ですという話でして、今日はざっくり2つお持ちしました。

人のタイプは大きく分類すると、「ゴールピープル」と「リバーピープル」に分けられます。ゴールピープルは名前のとおり、まず(山の頂上に)ゴールがあり、そこから逆算して山を計画的に登っていくことで頂上に到達するのが得意な人。

日本人は偶発性を味方につけるタイプが多い

相川:リバーピープルはちょっとわかりにくいかもしれません。「ゴールが先」というよりは、偶発性を味方につけます。目の前にあるおもしろいことや興味のあることに飛びついて、そこで一定の成果を出して積み上げていって、ふと振り返ると「あ、すごく成長していた」というタイプの人ですよね。

これ、みなさんはご自身に例えるとどっちでしょうか? あるいはみなさんの部下や後輩はどっちだと思いますか? 日本人の大多数はリバーピープルだと言われています。実は相川もリバーピープルじゃないかなと思っています。

「あれ? リバーピープルはゴールをそんなに考えないんですよね。だとすると、目標はなくても問題はないんじゃないですか?」という話になってきますよね。ここであらためてしっかりお伝えしたいところとしては、実はこの「ゴール」と「リバー」の捉え方に少し誤解があり、結論としては、どんな人にも目標は必要です。すごく大事です。

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