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『人事・HRフレームワーク大全』出版記念セミナー:組織の「見えない問題」を言語化する(全4記事)

現場でフレームワークを使う時の落とし穴 フレームワーク選定のポイントと「頼り過ぎ」のリスク [2/2]


フレームワークに頼ることのリスク

では、時間内の最後の質問なんですが。「人事として、フレームワークという道具に頼り過ぎることのリスクはありませんか? 『現場の実態はもっと複雑だ』と反発されたり、人事担当者自身が思考停止に陥ったりしないか心配しています」ということですね。

これはすごく健全な懸念点かなと思います。今回の講演の中でも留意点として「絶対視しない」といったことを挙げさせていただきました。フレームワークは、ある意味その現場を読み解いていくための地図みたいなものなんですよね。つまり、現場そのものではないわけです。なので、フレームワークは答えではないということを、きちんと理解することが非常に重要ですね。

答えをそのまま提供してくれるものではない。現場の声を聞いていく、あるいは仮説を立てていくことを助けるような道具だということが、1つ重要です。フレームワークで何か現象を分析したとしますよね。それも、現場に押しつけるとうまくいかなくなると思います。

例えば「こういう見方で見ると、こんな感じに見えるんですけど、みなさんの実感と比べてどうですか?」と問いかけをしていく。そして対話をしていくと、仮説を修正することができますし、道具に依存するといった事態も防げるのではないかなと思いました。

では、以上でいったん締めさせていただいて、残った質問を1個だけ延長戦ということで答えさせていただきます。では、いったん締めます。

本日は『人事・HRフレームワーク大全』の出版記念ということでご視聴いただき、ありがとうございました。この本では本当に多角的なフレームワークを挙げさせていただいていますので、ぜひ手に取って読んで、そして活用していただけるとうれしいです。ありがとうございました。

組織を「単純化」することの注意点

では延長戦ということで、お答えします。せっかくなので、フレームワークの注意点系につながるような質問にお答えします。

「フレームワークの競合価値モデルで、例えば組織を4タイプに分類すると、思考が単純化され過ぎて、現場の複雑な実態や個人の多様性が見えなくなるといった副作用はないでしょうか? そして、こういった単純化のリスクに、どう対処すればいいでしょうか?」という質問をいただいています。

これは非常に良い観点かなと思いましたので、最後に挙げさせていただきました。確かにフレームワークというのは、そもそも複雑な現実を理解するために、半ば意図的に単純化している道具なわけですね。

現実は複雑過ぎて、そのまま理解するのはなかなか難しい。それをある種、単純化するための道具なわけです。ですので、副作用は存在します。むしろ、こうした「単純化してしまうんじゃないのか?」という気持ちを持ち続けたままフレームワークを使うことが重要ですね。対処法ですが、やはり「フレームワークを絶対的な正解にしない」ということではないかなと思いますね。

「例外」や「多様性」に目を向ける

先ほどの繰り返しになってしまうのですが、非常に重要な点なので、ぜひ繰り返させていただきたいんですが。フレームワークというのは、それが正解ではないということです。例えば、フレームワークによって導き出された解も、それが正解というわけではありません。

例えば、競合価値モデルを用いて文化を分析したとします。「うちはヒエラルキー文化だな」ということがわかったとしますよね。ただ、その時に「じゃあ、その中でもアドホクラシー的に動いているチームはないだろうか?」とか、「個人のレベルで見た時に、全員が全員ヒエラルキーかな?」とか、そういったことを考えてみる。

その枠組みから外れるような例外や多様性に対しても目を向けてみることも重要になってくるんじゃないのかなと思います。つまり、単純化に飲み込まれないようにする。でも、本質的にはやはりある程度は単純化しないと物事は読み解いていけなくなっていきますので、その意味で単純化は伴うんですが。ただ、それが正解だと思わないことが、対処法として重要ではないかなと思いました。

ということで、すみません。ご質問と感想をたくさんいただいていますね。「本を読みました」とか、「(本を)購入させていただきました」とか、そういった感想もけっこういただいています。あらためて、ありがとうございます。

すべての感想、質問にお答えできなかったんですが、ここでいったん締めさせていただきます。あとは、ぜひ『人事・HRフレームワーク大全』を読んでいただき、そして使っていただき、さまざまな活用をしていただけるとうれしいなと思います。それでは本日の『人事・HRフレームワーク大全』出版記念セミナーは、延長戦も含めて終了とさせていただきたいと思います。

本日は、かなり多くの方に申し込みいただいて、実際にリアルタイムで参加していただいた方もかなり多かったです。あらためて、ありがとうございます。では、以上で本日のセミナーを終了させていただきます。

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