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成果を生むフィードバックの技術|相手を動かし、成長を促す“伝え方”を構造的に学ぶ(全4記事)

「ミスが多いよ」は「何かあった?」に変換 部下へのネガティブな指摘の上手な伝え方 [1/2]

【3行要約】
・フィードバックの際は「心理的安全性」が重要ですが、相手を傷つける言い方をしてしまい、関係性が悪化してしまう可能性もあります。
・株式会社co-take 代表の手嶋武久氏は「枕ことば」と「Iメッセージ」を組み合わせることで、相手が受け入れやすいコミュニケーションを実現しやすくなると提言します。
・「自分がこう思った」という感情を伝え、背景と希望を添えることで、相互理解が深まり、職場の信頼関係構築につながります。

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Iメッセージで安心感を生む

手嶋武久氏(以下、手嶋):(相手がフィードバックを受け入れやすい状況を作るという話を受けて)あとはやはり、心理的安全性を高めるっていうところだと思います。

枕ことばで、「ごめん、ちょっと強く感じるかもしれないけど」って言われると、やはり相手としては「自分のことを思いやってくれているな」っていうメッセージにかなり近くなると思うので、信頼残高がキュッと上がって受容しやすくなると思います。

あとはフォローとか補足としてのコミュニケーションもけっこう重要かなと思っています。

フィードバックをした後に、相手が「んっ?」みたいな顔とか、ちょっと嫌な顔とかをした時、「自分としては、こんな意図があってこういう言い方をしたんだよね」「もし、嫌な気持ちになったら申し訳ないんだけど」っていうのを、最後に補足することもけっこうあったりするんです。

そんな感じで、相手の顔とかも見ながら心理的安全性を高めることはやはり重要かなという感じです。

「自分がこう思った」という伝え方をする

手嶋:(続いて)フィードバック中にやることとして、Iメッセージですね。これ、なんで重要かっていうと、相手が干渉できない自分の感情を伝えるっていうところですね。

自分がこう思っているという話に関しては、相手は干渉できないじゃないですか。なので、正しい・間違いというのは発生しない領域なので、その場にすごく心理的安全性とか、安心感が生まれます。

感情とか背景とか、それに対して「自分はどういうふうにしてほしいと思っているんですよ」っていうことをセットで伝えていくのがIメッセージになっています。

例えば「資料の変更に戸惑いました」という(場合)。これって戸惑ったのは手嶋なので、もう誰がどうこう言うことはできない領域です。背景としてお客さんへのプレゼンだとして、まぁ、そこには手嶋のパートもあるので、「いきなり変えられちゃったことによって、うまくできるかどうかすごく不安だったんですよね」っていうふうにお伝えするとか。

願望として、「事前に一言言ってもらえるとすごく安心するので、次回は言ってもらえるとうれしいです」ってセットで言う。

自己開示をすることで相手も深い本音を語り始める

手嶋:これで僕の思っていることだけが全部パッケージ化されているので、相手からすると、「いや、なんでそんなことを思っているんですか?」っていう指摘は絶対に起きないので、安心感を作っていくことが重要かなと思います。

これの良いところでいくと、自己開示がされるんですね。自分の感情が開示されて、背景のより深いところ、どうしてほしいのかまで開示できるっていう、けっこう深い領域までしゃべれます。

「あっ、であれば、僕の意図とちょっと違ったんですよ」とか、「いや、実はこれ、直前で自分の上司から差し替えろっていうのが来てしまって、お伝えする間もなくやらざるを得なかったんですよ」みたいなこととかがポロッと出てきたりします。

そんな感じで、自分からちょっと腹を割るところも含めて、Iメッセージはすごく重要かなと思っています。

怒りの感情は背景とセットで伝える

参加者1:これ、怒りだけだとNGっていうことですよね(笑)?

手嶋:あっ、そうです、そうです。(ただ単に)「なんで資料を変更したんですか?」って聞くということですよね?

怒りの感情も、言い方は気をつけるんですけど、背景とかを伝えて人に言うんだったらいいと思います。例えばメールを2、3日寝かしていたみたいな人がいた時に、「いや、めっちゃイラっとしました」みたいな。

「イラっとしただけじゃなくて、自分のことを大切にされていないんじゃないかなっていう受け取り方をしたので、すごく嫌だったんです」みたいな感じで言うと、これは向こうも受け取れるじゃないですか。それが、「いや、なんかマジないっすわ」みたいなのだと。

参加者1:(笑)。

手嶋:やはり、コミュニケーションがすごく破綻しちゃうので、そこは背景とセットにしていくのがけっこう重要かなと思います。

YouメッセージをIメッセージに変換すると

手嶋:ちょっと、YouメッセージをIメッセージに変えるワークもやってみたいなと思います。

「資料の提出が遅いです」。これはYouメッセージです。「あなたの」資料の提出が遅いですっていう感じなんですけど、Iメッセージにすると、「資料は大丈夫ですか?」「クライアントにご迷惑がかかっちゃうかなと思って、僕はすごく焦っちゃったんですよね」みたいな。

参加者1:忖度(笑)。

手嶋:でも、これはもう、相手は絶対に触れられない領域じゃないですか。

参加者1:あっ、そうか。

手嶋:というふうに変えていくっていうのがIメッセージです。じゃあ、ちょっとパターン1、2、3、考えてみてください。

参加者1:私、これは得意かもしれません。

手嶋:おっ、いいですね、どうぞ。

参加者1:いや、わからないですけど(笑)。

手嶋:ちなみにこれ、なんか正解・不正解とかないので。

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