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織田信長たちから学ぶ、限られた戦力で勝ち続ける人材育成の極意(全2記事)

もし上司が武田信玄や徳川家康だったら 管理職のよくある課題に応える“戦国式”マネジメント

【3行要約】
・株式会社PDCAの学校が「織田信長たちから学ぶ、限られた戦力で勝ち続ける人材育成の極意」をテーマに人材育成のヒントを学ぶセミナーを開催しました。
・武田信玄は一人ひとりと対話し現場の声を聴く組織運営で、戦国時代最強の軍団を作り上げました。
・宮地氏はトップと管理職の定期面談導入や週次15分ミーティングなど、質より頻度を重視した「対話」で組織の壁を取り除くことが重要だと提言します。

前回の記事はこちら

武田信玄に学ぶ「対話重視」の組織作り

宮地尚貴氏:あとは武田信玄ですね。人材重視の先駆者。戦国最強と言われていた武田軍。なんで最強だったのか? みたいなところなんですけども、一人ひとりとかなり対話されていたみたいなんですよね。とにかく意見を聞いた。トップが現場の声を聞いていく、それを当たり前にされていた。

現代で言えば「社員満足度ランキング1位!」みたいな感じですよね。なので、特に中小企業さま(人材を)活かすために「人を大切にする」という考えを持たれているケースが多いと思うんですけども、それが「なんちゃって」になっているケースはすごくあると思うんですよね。

よくあるのが、やっぱりトップと管理職が対話できていない。現場に降りて細かい話をしてくださいというわけではなくて、トップの考えを管理職が理解できていない。それが故に、管理職としての役割だとか責任だとかが浸透していないというのがよくあるのかなと思います。

トップと管理職の対話が現場を変える

一般的な失敗でいうと、トップが管理職に指示をして、それでもうトップの携わりは終わり(ということ)。というよりは、中小企業だとやっぱり定期的にトップと管理職との面談も必要になります。

じゃあ、その面談を定期的に行うことによって、管理職が管理職としての役割をしっかりまっとうできているのか。

トップと管理職の対話の機会が増加していくと、自ずと管理職と現場との対話の機会が増えてくるんですよね。これが不思議なところです。やっぱり自分がやられてきたマネジメントを下に繰り返そうとしていくのが、管理職の方に根付いていると思うんですよ。

管理職の方々にありがちなのが、指導の仕方を教えてもらったことがない。自分がやられてきた指導の仕方を繰り返すパターンが多いと思うんですよね。なので何が起こるかというと、管理職の方は「教わったことがないしなぁ」というので(部下の)放任が始まるわけなんですね。

それを脱却するためには、自分がやられてきたことをアップデートしないといけないのかなと思います。昔、教えられた経験がない管理職の方はその状態を変えていく、認識をあらためてもらわないといけないので。

先ほどの話と通ずる部分があると思うんですけども、管理職OJTという、トップ層と経営層・役員層と管理職との個別の面談、相談みたいな機会を定期的に設けることによって、管理職と現場のつながりを強固にしていこうとか。

週次ミーティングでコミュニケーション壁を取り払う

管理職が現場を放任しない状態をしっかりと作っていく(こと)。やっぱり課長の器が課の器になりますし、社長の器が会社全体の器の大きさになると思うので。そもそも管理職が機能していない場合には、社長がある程度は動かないといけない部分が大きいのかなと思っております。

ということで、やっぱりおすすめは週次ミーティングですね。短い時間でかまわないです。そんなに大きく時間を取ることでもないのかなと思っております。やっぱり報告、連絡、相談とかがうまくいっていないことに通ずると思うんですよね。トップと管理職層がなかなか連携を取れていない(とか)、管理職が現場と連携が取れていないというのは、一言で言えば報連相がうまくいっていないみたいなことなのかなと。

日々の挨拶とコミュニケーションがうまくいっていない会社さんは、報告、連絡、相談の連携がうまくいっていないケースが多いです。日常の会話がうまくできていないので、何か困った時に相談ができない。どうしてもコミュニケーションの壁ができてしまう。

なので、質よりも頻度なのかなと思っています。週15分(とか)、極めて短い時間でもかまわないです。テーマがない場合は、今週の良かったことや課題を相談する機会を意図的に、定期的に設けることによってコミュニケーションの壁を取っ払っていきましょう。

何か一緒にプロジェクトを進めている場合は、それについての議題があると思うので、密に会話をしていけばいいのかなと思うんですけれども。そもそも現場と管理職と経営層での共通の議題が特段ないとか、管理職と部下側が個別で動いているので共通の議題がない場合は、シンプルに良かったこと、課題、次はどうするのか。この3つのテーマを設けてやっていくのがおすすめかなと思っております。

じゃあその1ヶ月とか2週間で具体的に何をやるのかみたいなところは、個別の打ち合わせを設定していただければお伝えさせていただくことは可能ですので、前者の研修期間の設定をしていこうみたいなところで悩まれているケースがありましたら、ぜひご相談いただければなと思っております。

徳川家康に学ぶ「育成」の長期戦略

では、最後に徳川家康ですね。長期視点の体現者。信長、秀吉という天才の後で天下を取った人材ですね。人が変わっても260年近く続く組織を作ってきた。なぜそれが可能だったのかということで、やっぱり人を育てるということを体現した方なのかなと思っております。とにかく時間をかけて育てていった。そうすることで、最後まで裏切らない部下たちを育て上げることができたと。育成、忍耐、持続性がキーワードです。

一般的に、「採用→すぐ現場→辞める→また採用」という負のスパイラルに陥っている企業も非常に多いのかなと思います。中小企業でも従業員100名以上ぐらいになってくると、育成の体制をどう整えていくかに目を向けられている企業もすごく多くいらっしゃるなと。

やっぱり初期の育成がけっこう鍵を握ると思うんですよね。なので、せめて最初の人材育成のプログラム、いわゆる研修期間みたいなところは、例えば等級別に設けておいたほうがいいのかなと思っています。

例えば最低でも一般社員初級、中級、上級と分かれていて、あとは主任、課長と分かれていた時に、主任や課長は、社長や会社としての考え方を知る機会を、初期に1日~2日設けるぐらいでいいと思うんですよね。

理想は3ヶ月間の伴走

ただ、現場階層、実務階層ですね。一般レベルの初級、中級、上級とか、1等級、2等級、3等級と言われる方々でいうと、例えば初級、中級は1ヶ月間の研修期間を設けようとか、上級は2週間ぐらいの研修期間を設けようとか。等級ごとで研修期間を設定したほうがいいかなと思っています。

その研修期間も一切現場に入らないのかというと、そういうわけではなくて、最初の1週間は会社の考え方とか基礎的な部分、業務上基礎的な部分の勉強会をしていく。あとはやっぱり現場を体感して、現場で一緒に体験をしながら指導していくみたいなかたちになるんですよね。

これはけっこう長期的な3ヶ月プログラムとしていますが、最近よくあるのが1ヶ月から2週間。最低でもそのぐらいの期間を設けられるケースが多いかなと思います。理想はここに書いてあるように3ヶ月ぐらいあるといいなと思いますが、中小企業だとなかなかここまで設けられないケースはけっこうあるのかなと。

現場で独り立ちできるまでのサポートを研修期間として3ヶ月とするならば、これでもいいなとは思うんですけれども。研修期間というかたちで設けるならば、2週間もしくは1ヶ月で本配属みたいなかたちがおすすめかなと思っております。

定量評価・対話頻度・育成プログラムが鍵に

じゃあその1ヶ月とか2週間で具体的に何をやるのかは、個別の打ち合わせを設定していただければお伝えさせていただくことは可能ですので、前者の「研修期間の設定をしていこう」みたいなところで悩まれているケースがありましたら、ぜひご相談いただければなと思います。

極意をまとめさせていただきますと、ある程度は定性よりも定量的に評価していかないといけない時代になっているのかなと思いますので、スキル評価、スキルマップ、管理職のチェックシート。そのあたりの作成が必要なのかなと思っております。

あとは、対話の頻度ですね。まずはコミュニケーション上の課題がある会社さまは、とにかく頻度が求められる部分ですので、極めて短い時間でも打ち合わせを設ける頻度を保っていく必要があるなと。

あとは育成の期間とプログラムをとにかく決定していく。それも単発的な1日、2日で、「はい、現場」というわけではなくて、ある程度は中長期的なプログラムを設けていかないと、長期的に残る人材をなかなか育て上げられないのかなと思っております。

この3つの中で、今後の現場での育成の仕組み作りを行う上で参考になるものが少しでもあればなと思っております。

3つのおすすめ「戦国式」社内施策

一応、戦国朝礼、軍議、家臣ノートと昔の戦国時代に例えたおすすめの社内施策を3つに分けてまとめさせていただいておりますので、こちらを参考にしていただければなと思っております。

例えば戦国朝礼でいうと、昔に例えておりますが、「今日は何をやるの?」「何かこちら側からサポートが必要か」「今日は何がうまくいったら1日が充実していたと言えるのか」という、この3つだけを毎朝聞いていくことです。

軍議でいうと、先ほどの15分会議ですね。「今週は何がうまくいって何がうまくいきませんでしたか」「じゃあ、来週はどうしますか」と。

あとは家臣ノートですね。その人の何が強みで、何が課題で、何が伸びているのかを月報形式で挙げていくことによって、部下の特性を把握するようにしましょう。

評価のシステムでも、タレントマネジメントが一時期すごく注目されたと思うんですけども。そういったタレントマネジメント機能を使われていない企業さまとか、個人の特性を測ることをされてない会社さまだと、やっぱり業務の適正配置ができなかったりすると思います。こういった個別の特性を測る機会は行われたほうがいいのかなと思っております。

ということで、やっぱり管理職の方々も悩まれている部分は多いのかなと。こういった朝礼とか、定期会議とか、部下ノートみたいなことを作っていくことによって、マネジメントがちょっとでも前に進む参考になればなと思っております。

ただ、ツールだけではうまくいかないところがありますので、しっかりと部下を見る、観察していく、対話を増やすことによって本音を引き出していく。あとは、やっぱりそれぞれ早く芽が出る人と遅く芽が出る人と分かれてくるので、短期的な視点にならず、長期的に指導していく。入社2ヶ月ぐらいで、部下の伸び度合いはもう変わってくると思うんですよね。

長い社会人生活のたった2ヶ月ぐらいで、「この人はダメだ」「この人はいい」とレッテルを貼ってしまうのはもったいないですから、中長期的な視点で指導に携わっていただきたいなと。あとは、できていない部分でも本人の強みがあるのかなと思いますので、個性に合わせて指導していくことが求められるのかなと思っております。

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