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Nulab Conference 2025(全3記事)

上司に言われてモチベーションが下がる言葉ダントツ1位 部下に「最近どう?」と言ってはいけない理由 [2/2]

オンライン会議で「ビデオオン」にしている人はたった21パーセント

新規事業開発をされている方も多いと思うんですが、実は事業開発のネタ、ブレインストーミングで「これ、いいよ」というやつは会議室では出ません。我々は19件支援しましたけども、会議室でいいアイデアが出たのは、そのうち2件だけです。

この「今ちょっといいですか?」というのを会議室の手前、それから廊下、それから自販機の前。この3つの場所で、「今ちょっといいですか?」。特に他部門の方に声をかけたやつが、実は新結合……イノベーションです。

イノベーションは技術革新じゃないからね。異質な要素を組み合わせるのをイノベーションと言うんですけど、そのイノベーションが起きたんですよ。つまり会議じゃなくて会話で生まれるんですよ。だから会議を減らしましょう。

日本で行われる会議の74パーセントは60分ですけど、「必要ある?」と考える時期ですよ。じゃあ、来週45分でやってくださいよ。15分、空くから。その間にトイレに行くなり水を飲みに行くなり。自販機の前で「今ちょっといいですか?」というやつが業務改善と事業開発につながるわけです。

こういう検証を8年半やっていてわかったんですよ。チームマネジメントをしているチームが持っている2つの要素は共感と共創です。だから、内職しているから感情共有ができないんです。オンライン会議でビデオオンの方なんて日本で21パーセントしかいないんですから、伝わらないんですよ。

だから対面の時に、ビデオオンの時に腹を割って話せる、感情共有の関係性を先に作らないと伝わらないんですよ。伝わらないと、「最近どう?」と言うと相手が不快になっちゃうんですよ。

解決策? 持っていないですよ。だって残業して成果を残していた人たちが、みんな経営陣になっているんだから。だから限られた時間で、3アウトの中で自分たちで得点を加えていかなきゃいけないんですよ。「残業ができない」じゃなくて、限られた、この3アウトの中で点数を重ねていくというゲームのルールに変わっちゃったので、その中で自分で創意工夫して動くことが必要だと思うんです。

イノベーションは「他部門との連携」で起きる


そしてチームマネジメントは、どうしても自分が所属している組織のことを考えがちですが、どうもイノベーションは1つの組織内では起きないことがわかったんですよ。さっきの会議では出ないからね。上司が同じことをずっと言うところではなかなかイノベーションは出ないんですよ。

日本で行われる……ブレインストーミングというアイデア出しがあるじゃないですか。アイデア出しは、決定と同時にやっちゃうことがどうしても多いんですよ。

例えば、「なんかいいアイデアない?」と言ったら、「あっ、こういうのはどうですか?」「もうそれ、やったから」とか。「こういうのはどうですか?」「いや、それは予算がないから」みたいな。アイデアを出して、潰されて、アイデアを出して、潰されて。これではブレインストーミングをする意味がないですから。

アイデア出し……これを発散と言うんですけど、月曜日から発散と決定を分けてください。それだけでみなさんの社内会議は13パーセント減りますから。そしてアイデアを出す時は出す。そして決める時は決める。決める時は評価軸を決めて、決定者だけで決めないといけないんですよ。という当たり前のことを、止まって考えるチャンスがあるのであれば、もう今だと思うんですよ。テクノロジーの前にですね。

声掛けだとか連携で言うと、ずばり他部門との連携です。イノベーションの起こし方が変わりました。左がみなさんと近いかな、某IT企業のイノベーションの起こし方。縦軸がプロジェクトのメンバーの数ですね。上に行けば大規模プロジェクト。横がメンバーの多様性です。例えば営業メンバーだけでやっているやつは多様性ゼロですよね。でも、10パーセントがエンジニアだったら多様性が10パーセント。右に行けば行くほど他部門を巻き込んでいるということです。

嫌な仕事ほど楽しそうにやる

ほんの10年前の2012年は、同じ部門の中で巻き込んで、あの人、入れて。あの人、入れて。エース級、入れて。入れて、入れて、2年、3年経って、大型プロジェクトが完成。5億円、10億円達成、やった! というのがイノベーションの起こし方だったんです。このピンク(色の印)は社長表彰をもらった、ものすごく突出した利益率の高いやつね。

でも、この右側が変わっていることはみなさんもわかっていますよね。プロジェクトメンバーは少なくなった。人手不足だからじゃなくて、迅速にアジャイルになっているからですね。アジャイルってIT用語ですよね。小さいメンバーで迅速にやる。

そして他部門です。だってほら、50パーセント、60パーセントいかないと、イノベーションは起こせないんですもん。お客さまの課題とか社会の課題が複雑過ぎちゃって、自分1人では無理、1組織では無理なんですよ。実際にみなさんも働く時間の87パーセントは、1人で対応できないんですよ。87パーセントの時間は誰かの協力を得ないと、みなさんの仕事が終わらないんですよ。

それを巻き込んでいくためには、「今ちょっといいですか?」と言われることとか、あとはご機嫌戦略ですよ。不機嫌にして得することはないですから。信頼されるから、嫌な仕事ほど口角を上げて楽しそうにやったほうがいいんですよ。仕事は信頼積み上げゲームですから。信頼されると信用されて、抜てきされるんですよ。キャリアが伸びるのは抜てきですから。

いかに「限られた時間」で信頼を積み上げるか

じゃあ、横軸の方をどう巻き込んでいくか? と考えると、例えばフラフラと歩くとか。優秀なチームリーダーは他の部門に歩きに行ったりするから、職場内の歩数が(普通の人より)25パーセントから30パーセント多いんですよ。そういった、歩くことによって、動くことによって偶然の出会いを必然にするという人たちですね。だから、1人でガーッとやるのはそろそろ難しいということがなんとなく見えてきました。

ちなみにイノベーションを起こすと、これは社長表彰なので、もう絶対的な信頼と信用を得られますからね。みなさんが目指しているのは正直、会社の売上・利益じゃないでしょう。正直、好きな人と好きな仕事を好きなようにやることですよね?

それを獲得するためには、会社軸の仕事の中で信頼を積み上げていって、自分軸のキャリアを積み上げなきゃいけないんですよ。この会社軸と自分軸を分けていかないと、キャリアはモヤモヤしますよ。

給料をもらっているんだから、与えられた仕事はちゃんとやらなきゃいけないんですよ。その中でいかに限られた時間で信頼を積み上げるかが、あなたの価値なんですよ。あなたの価値なんです。「今ちょっといいですか?」と言われる数が価値なんですよ。ということを踏まえて、会社軸での仕事と自分軸のキャリアを両立している人たちが、トップ5パーセントの社員なんです。

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