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メンバーが育たない本当の理由:これからのリーダー・マネージャーの条件 - 良い策の前に、いま“やめること/始めること”(全4記事)

部下を目的に導く「問い・指示・正しい厳しさ」の実践法 指導とコントロールの境界線 [2/2]

「迷い方を鍛える」というスタンス

そうは言っても、今、すごく難しいことをお伝えしていると思います。「じゃあこういう場合の時はどうしたらいいんだろう」という迷いや悩みも浮かんでくるんじゃないかと思いますが、ぜひそのあたりは、迷い方を鍛えるという捉え方をしていただけるとすごくいいんじゃないかと思います。

本当に現場は迷うのが前提だと思っています。迷うということは、何かしらの変化に気づいたり、対応していこうとしている証拠だと思いますので、迷うのがダメだとか、こんなことでいちいち立ち止まるのもなと考えるのではなくて、ぜ状況を読み解く力を育てているんだなと捉えていただけるといいんじゃないかなと。

そうすると迷った時は、これはトレーニングのつもり、トレーニングなんだなっていうふうに捉えていただくこともできますし。トレーニングを積むということは、どんどんどんどんその経験から何かを得ていくことだとも思いますので。なんかそういったスタンスが非常に大事になってくるかなというふうに思います。


現場での「問い」を変えるという発想

現場で、何かしらのハテナだったり、時には憤りだったり苛立ちだったり、いろいろ感じると思いますが、そういった状況下でどういう問いを立てるといいかとか、この場面でどんな視点を持つと違いが生まれるだろうかとか、この空気感に対してどういう関わり方ができるだろうかとか、頭の中に浮かんでくる問いを変えていただくといいんじゃないかなとすごく思います。それが迷い方を鍛えることにつながっていくんじゃないかと。

じゃあ、ちょっとこのセクションの問いをまた投げさせていただければと思います。「あなたは人を率いていますか、それとも導いていますか」。場面場面によっても違うと思いますし、相対する方によっても違うとは思いますが、ここもしっかり区別をしていただいた上で対応を考えていけると、よりコミュニケーションが円滑に進んでいくんじゃないかなと思います。


正しい厳しさの実装

じゃあ、次のセクションです。「正しい厳しさの実装」ということで、最近、厳しいことはNGであるというのを非常によく聞きますし、「叱るのはダメ、褒めて伸ばせ」みたいなことが数年前からも言われていますが、また一段と言われるようになってきたんじゃないかなと思うので、ちょっと加えさせていただいております。

厳しさは怖さではないと私は思っております。感情的・威圧的な指導で、結果だけを求める叱責、このあたりが厳しいという言葉で丸められて誤解されてしまっている気がしています。


「寄り添う」と「甘やかし」の誤解

もう1つ、寄り添うという言葉ですね。これも甘やかしというふうに捉えてしまいがちなんですが、違うんじゃないかなと思っています。

なので、誤解されがちな寄り添うは、感情的な同調による甘やかし。共感という言葉でも表現はされますが、なんでもかんでも「うん、そうだね、それは大変だったね」というところに終始して、耳の痛い指摘は回避みたいなかたちになってしまっている。それを寄り添うという言葉に含んでしまっているんじゃないかなという気がしています。

なので余計に、厳しさというものが敬遠されているような印象をすごく受けています。じゃあ厳しさの定義とはなんなんだという話なんですが、今、お伝えしたような誤解が起きてしまうのも、先ほどお伝えしたような指導・指摘と、コントロール・操作が混ざってしまっているからなんじゃないかなぁと思います。


操作的な厳しさと正しい厳しさの比較

なので、操作的な厳しさと正しい厳しさ(建設的なフィードバック)とも言えると思いますが、これらを少し区別をするとすると、操作的な厳しさは、リーダーの安心のためからやって発せられているもの。正しい厳しさは、メンバーの未来の成長を願ってのもの。

対象は、操作的な厳しさは人に対して。人格否定にまで踏み込んでしまっている。でも、本来は、行動に対して言っていくものかなと思います。内容は、操作的な厳しさの場合、先ほどもお伝えした人格・能力を攻撃をして、恐怖と支配で行動を強制するといった出方をする。

正しい厳しさのほうは、行動と結果に焦点を当てて、成長への期待と信頼から改善を促します。実際に受ける印象としてもこんなかたちに分かれるんじゃないかなと思います。


「正しい厳しさ」がもたらす内省と成長

正しい厳しさを受けた時は、当然「ぐうの音も出ないなぁ」とか「すごい痛いとこつかれたなぁ」とか、そういったところは残りますが、だからこそ自分自身や行動を振り返ってみて改善をしていこうという気持ちになっていくんじゃないかなと思います。

やっぱり現場でやっていると、建設的なフィードバックをしたくてもどうしても感情的に言ってしまうってこともあると思います。おそらくそういうことが続いていると、報告が減ってしまったり、コミュニケーションの量が減ってしまったり、何かしらの変化が起きているんじゃないかなと思いますので、そういったものをヒントにしながら振り返っていただけるといいかなと思っています。

厳しさを実装するための3つのヒント

じゃあ、厳しさを実装するためのヒントですが、目的に向かうための建設的な関わり方こそが、マネジメントというものにおいては正しい厳しさと言えるんじゃないかなと思います。相手の能力や状況をしっかり見極めてあげて、ポテンシャルを活かすための関わり方をするというところです。

なので、あくまでも信頼関係の上に成り立つものです。あとは目的に向かうための具体的な行動への関わりだったり、相手の能力・課題をそれぞれ見極めて活かそうとするスタンスでやっていただくのがいいかなと思います。



厳しさを実装するためのヒントですが、厳しさの中に敬意を込める。人格ではなく、行動に焦点を当てる。対等な関係で真実を伝える。一般的な断罪ではないですね。このあたりを意識すると、自ずと敬意というものは込められていくんじゃないかなと思います。

2点目が、能力を見極めて適切な課題を与えること。ポテンシャルを最大限に活かすためのストレッチを促す。このあたりはそれぞれのメンバーのみなさんのステージがあると思いますので、それぞれの課題を見極めてそれをクリアもらうようにするのが大切かなと思います。

当然難しい課題の場合はできないことも起こりえると思いますので、できないことの追及ではなくて、次に挑戦すべきことの提示に時間を割いていただけるといいんじゃないかなと思います。

あとは、感情ではなく事実を伝えるという点です。この行動が目的に対してずれていると指摘することを意識します。期待に応えられていないとか、やる気がないといった決めつけをなるべく避けるのがいいです。決めつけだなと思ったらそこは避けていただくといいんじゃないかなと。

あきらかに期待に応えられていない、やる気がないという状況の時もあると思いますので、自分が決めつけているだけなのか、状況として見てもやはりそういうふうに思えるのか、そこをしっかり見極めることが大切かと思います。


「真の厳しさ」を発揮する上での問い

ではこのセクションの問いですが、今お伝えしたような「真の厳しさを発揮する上で、あなたが最も手放すべき、誤解されてしまいそうな言動はなんだと思いますか」。ご自身の言動の癖はなかなか気づかないと思いますので、聞ける方に聞いて見ていただくと、また新たな発見とかあるかもしれません。ぜひ、そんなお時間も取っていただけるといいんじゃないかなと思います。

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