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経営者・人事労務担当者向け 企業労務セミナー「『採用ミスマッチの解消のポイント』-問題社員を生み出す根本原因と対処法とは?-」(全4記事)

「問題社員」を放置しておくことのリスク ミスマッチ人材との別れ方 [1/2]

【3行要約】
・「問題社員」対応が複雑化する中、企業は従来の方法では対処できなくなっています。社会構造の変化や働き方の多様化がミスマッチを生み出す現状があります。
・松村武志弁護士によれば「いきなり法的手段を取る従業員が増加」しており、早期かつ業種に応じた対応が必要になっています。
・企業は最新の裁判実務を把握し、解決事例をもとにPDCAを回すことで、変化する社会に対応した問題社員対策を継続的に改善していくべきです。

問題社員を生み出す根本原因と対処法とは?

松村武志氏:みなさん、こんにちは。今日は、「経営者・人事労務担当者向け企業労務セミナー『採用ミスマッチの解消のポイント』」と題し、「問題社員を生み出す根本原因と対処法とは?」という内容でセミナーをさせていただきます。

私は、弁護士法人TLEO虎ノ門法律経済事務所のパートナー弁護士の松村と申します。

はじめに、講師紹介と本セミナーの目的です。まず当事務所についてご説明します。当事務所は創業1972年、2025年で53年目を迎える弁護士法人で、全国に約35ヶ所の支店と東京に本部があります。100名を超える弁護士が在籍しておりまして、企業法務、不動産、一般民事の事件も含めて多種多様な事件を取り扱っている事務所です。

これは当事務所の理念ですけれども、当事務所は「法の支配を全国に」という名のもとに、東京あるいは都市部においては、なかなか法の支援を受けられない中堅中小企業さま向けの企業法務、特に労務などに力を尽くし、現在日々精進している次第です。

まず講師プロフィールです。私の講師プロフィールは以上のとおりです。多種多様なことをやっておりますけれども、労務問題についても医療機関、大規模なデベロッパーさん、プラットフォーマーさんの顧問をやっています。そこに書いてありますけれども、弁護士会において裁判所との検討協議会の委員をしていますので、裁判所における最新の裁判実務について一定程度情報を共有できる立場にあるということになります。

それから私のプロフィールで特におもしろいところは、NHKの朝ドラ『虎に翼』が2024年から10週以上やったんですけども、そのうちの第20週の法律指導を我々の事務所で担当しております。

また、ここに書きましたけれども、NHKのFMシアターの『田毎の月が沈む』というラジオドラマですね。一般民事の相続の話なんですけども、地方の農村の田んぼの相続についてどうするかみたいな問題の監修などもしています。

さて、本セミナーの目的です。みなさん最近、問題社員対応に非常に困っていると思うんですが。今回、本来的にはこの問題社員対応と言われる問題であるとか、労使ミスマッチ、または採用ミスマッチといったようなものがありますけれども。

これについての「問題社員対応」という言い方が、もう最近は少し流行らないというか、問題社員となってしまう前に、いろいろやるとかですね。あるいは問題社員化しないようなかたちでいろいろな提案をすることもあります。

今日は1時間のセミナーを予定しているところではありますが、事前対応だったり予防的なものですね。それからミスマッチが生じてからの対応。これも法的手段にいく前の事前対応、提案。そして事後の対応。

この事後の対応は主に、PDCAを回すというかたちで、所内の事例に基づいて、所内のいろいろな契約書であるとか就業規則を見直すなど、本来は2時間のものを3回とか何時間もかかるような内容なんですが。今日は、そのうち初回で、私どもが実務的な感覚から重要だと思っているもの、ミスマッチ解消について今知っておくべき実務上の要点を解決事例から学んでいきます。

「問題社員」を放置しておくことのリスク

みなさん、どうですかね。「うちの法人は社労士さんを入れて、就業規則をけっこう整備しているんだけれどもミスマッチが生じてしまう」とか。あるいは、採用の段階で各種スカウターであるとか、採用のいろいろな適性のテストとかもしているんだけれども、どうしてもミスマッチをしてしまう。

特に最近は、意を決していても、いわゆる法的トラブルに移行する場合がけっこう多いんじゃないかなという実感があって、今回セミナーを開催させていただいているわけです。やはり難しいのは、社会構造が複雑化しているというところと、それから業務の多様化ですね。

聴いていらっしゃるみなさん。企業ごとの業務や就労形態、あるいはその具体的な内容や条件等によって、個別の対応が非常に難しいところがあります。その個別の対応について、一辺倒の一般的な対応しかしていない状況ですと、どうしてもトラブルが生じるということです。

この後出てきますけれども、やはり所内の解決事例。なければ、似たような業種(の解決事例を調べる)であるとか、こういうセミナーに参加して、裁判例とか審判例とか、そういうものの解決事例から、やはり所内の見直しを継続的に図るのはけっこう重要です。

ということで、今なぜ問題社員対応を知ることが重要か。よくある解答例は、「問題社員がいると労働生産性が下がる」とか、「他の従業員への影響が大きいから」。そうですね、「風評リスク」がありますよと。

そのとおりではあるんですけれども、私の考えと我々の事務所の知見で言いますと、やはり今、社会状況の急激な変化でこれまで以上に労働問題が顕在化(法的)という話になっています。つまり、やはり労働人口が減少している状況の中で、どうしてもミスマッチが生じやすくなっていますし、働き方の多様化で、事前にトラブルについて十分な対応ができないことが多い。

それから、ここも同じような内容なんですけれども、より一般的な話ではなく個別の話ですが、業種・業態。業種、例えば製造業、不動産業、医療機関であるとか、業種や業態もいろんなかたちがあります。ネットを使ったものであるとか、あるいは業態というか仕事の内容で、営業がメインであるとか。いろんなかたちの組み合わせで、対応方法も事業者ごとに個別化・複雑化しているわけですね。

実際問題、社会の変革で状況が変革しているけれども、就業規則とか契約書は昔のままであるとか。採用の方法やトラブルが生じた時の教育方法、あるいは提案の方法も、みんな昔のままなんていうことがけっこうあるんですよね。

「いきなり法的手段」を取ってくる従業員の増加

このへんがけっこう大きなポイントで、なんで今やらなきゃいけないかというと、(スライドの)左側がよくあることで、そのとおりではあるんですけれども。コロナ明けも含めて、あるいはAIとかの導入で社会構造が変革しているので法律も変わっているし、事業も個別化・複雑化している状況が大事だということです。

それから、これは我々の事務所のように比較的一般民事、いわゆる労働問題なんかもたくさん取り扱っているような事務所では、やはり顧問先で最近多いなと思うのは、昔であれば交渉……ある程度やりとりをして条件を詰めたりしていました。「退職にする」についても、退職の慰労金みたいなものを何ヶ月分、なんていうやりとりがあったんですが。

最近は労働者のアクションが変化(しています)。つまり、いきなり法的手段を取ってくる場合が増えてきているなという印象なんですよね。労働審判であるとか、解雇無効、裁判、訴訟といったもの。それから、いわゆるいろんなADR(裁判外紛争解決手続)の利用も最近増えてきている印象です。

ということで、早期対応がより必要。つまり、昔のようになんとなくやりとりをしていて、その中で落としどころが見つかるよ、みたいな話とか。やりとりの経過を記載して、その間に所内の、例えば過去にトラブルに至った経緯の資料を準備する、なんてことがけっこうできなくなってきているので、今まで以上に早期対応が必要になってくるんじゃないかと。

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