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経営者・人事労務担当者向け 企業労務セミナー「『採用ミスマッチの解消のポイント』-問題社員を生み出す根本原因と対処法とは?-」(全4記事)

「問題社員」を放置しておくことのリスク ミスマッチ人材との別れ方 [2/2]

ミスマッチ人材との別れ方

そこで今回、やはり「問題社員対応って何だろう?」ということで、それについてのポイントとして、この(スライドの)右側の部分に注目していただきたいと思いますね。

それから、「じゃあ、何をすべきか?」なんですけど、これもよくある話です。先ほど言いました、3時間×3回みたいなことであれば、ミスマッチを生まないための、まず予防ですよね。採用体制の構築だったり、それに伴って就業規則や契約書の整備なんていう話がありますし。

ミスマッチ解消のための制度設計。つまり教育であるとか、どのような基準で懲戒しますかみたいな話。それから、「ミスマッチ人材との別れ方」と書きましたけれども、例えば退職勧奨するということであったり、金銭的な提案をする。いわゆる退職パッケージの提案みたいな話ですね。これも相場をにらんで、あるいは業務……どれぐらい解雇可能かといった裁判実務をにらんだかたちで、こういうものを整備していくのがまず基本です。

しかし、先ほど言ったように、法制度というのは裁判実務において複雑化しているので、まず裁判実務の相場観の情報。つまり、仮に解雇、懲戒解雇を強行した場合に、現在どういったような裁判で結論が出るのかという情報の把握ですね。

あるいは、法改正があって、その法改正に対応していない場合、それが違法とされた場合に、どんな損害、どんな金銭請求を受けるかみたいな話ですね。こういう情報を把握するのが非常に大事なんですけれども、ここがより難しくなってきている。

それから予防法務、労働の分野、特に会社における労務管理の分野においては、予防法務の重要性はもちろん大事ではあります。就業規則の整備であるとか契約書の整備、あるいは先ほど言ったようにミスマッチが発生しないための予防的対応。

解決事例をもとにPDCAを回す

しかし、予防的対応をされている企業の方でも一定程度、最近は法的にいきなり申し立てられる場合が増えてきているんじゃないかなという印象もありますので、やはり所内の解決事例があれば、それをもとにPDCAを回す。

つまり実際の解決事例をもとに時代に即した、現状に即した、現在の複雑化した法制度・裁判実務の状況に即したかたちで、(スライドの)左側の予防的対応や事後的対応をグルグル回す。

これが大事だということです。ですから、解決事例をもとにPDCAを回す、「出口から考えるよ」という話ですね。

これは弁護士さんでもそういう意識がある人はなかなか少ない。あるいは通常、就業規則を頼む場合、企業の方は社労士がいらっしゃると思うんですが、社労士さんはあくまでも規則を作る人ですから。

規則があるのにトラブルが生じるのはなぜかといったら、やはり具体的な事案における解決方法を知らないとか、やるべきことをやっていないなんていうことがあるわけですから。解決事例をもとに出口から考えるのはけっこう重要だったりするということですよね。

それからここ、事業者ごとの業種・業態の個別性に合わせた体制を構築し、先ほどと同じような話なんですけども、個別性が高いんだよという話なので、やはり継続的運用改善をするということです。

だから(スライドの)右側は同じことを言っていますが、トップは法制度についての情報を得ようという話ですし、真ん中は事例ですよね。所内事例をしっかり集めることも大事ですし、なければ類似事例を知ること。

それから3番目として、継続的な運用改善ということですよね。(スライドの)左側にあるような例で、予防をやっていたらもう大丈夫とか、そういう話ではないということなんですよね。グルグル回すことがけっこう重要だということをまず覚えておいてください。

ということで、もう時間をけっこう使っちゃったんですが。最初のところが、けっこうみなさん誤解している。抽象的な、一般的なものを作っているよと言っているけれども、実は担当者や経営陣、あるいは採用の権限がある方、部長さんとかですね。そういう方が実は就業規則はこうなっているというのを知らなかったりすることもあるんですね。なので、やはり最初にセミナーの目的を明確に意識していただいて、以下を聴いてほしい。

なぜ問題社員対応が必要か?

それから今回、どうしても時間の関係がありますので、わりと同じような話の繰り返しになりますけれども、まずもう一度、一般論として「なんで問題社員対応が必要か?」。

その中で特に、後ろの事例につながるようなかたちで社会ニーズの変化というのは、業種によってもぜんぜん違う話なわけですよね。リモートワークが可能な業種とそうじゃない業種。工場みたいなかたちだったり、外国人材がいる業種。あるいは、社会的ニーズで多様な人材がこれまで以上に入ってきているような不動産とかによって、対応のリスクの顕在化の内容が違う。

そこに(2)と書いていますけど、採用ミスマッチ発生の土壌は違うよということなので、今回後ろに出てくる事例に対する一般論としてということも含めて、ここもちょっと簡単に話したいなと思います。

それから具体的な手順。これは個別の手順でもあるんですけども、より一般的に業種ごと、業態ごとに本来違うんですが、ある程度共通化できる部分がありますので、どんな事前対応、最適化をしていくかという話とか、事前対応と事後対応についての話をする。

最後に繰り返しになるんですけど、やらなきゃいけないことですね。先ほど言ったように社会が変化している中で早期対応が必要だという時のやらなきゃいけないことは、わりと同じことを何回も言うんですけど、それだけ重要だということをわかっていただきたい。

それを踏まえて、じゃあ、我々の事務所内において、どのような事案で、どんなふうに解決したかについて簡単にご説明します。

3番は、今回スライド限定ということになっておりますので、これを聴いていただいた方にのみ示されているものなんですけども。かなり特殊な直近の事例もありますから、それも踏まえた上でスライド限定にさせていただきたい。最後に質疑応答と、我々の事務所の紹介をさせていただきたいと思います。

※本記事は、2025年9月3日に開催されたセミナーの書き起こしをもとに構成しています。 一部、有料参加者限定の事例紹介部分は講師の意向により割愛していますが、 内容の趣旨に影響のない範囲で全文を掲載しています。

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