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鉄道ダイヤの最適化に学ぶ、生成AI活用 複雑なビジネス課題をチャットボットで前に進めるポイント
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大畑愼護氏(以下、大畑):先ほどの小室の講演でも睡眠に関する研究がたくさんあったんですが、私がおもしろいなと思っているのが、6時間睡眠で2週間過ごしていくと、脳の認知機能が48時間徹夜したのと同じぐらいになるというものです。
「6時間睡眠でスッキリ!」みたいな方もいらっしゃるんですが、研究結果では、自分はだいぶ慣れてきている状態だけど認知機能は低下している。自覚症状のない恐ろしい状態、ゾンビ化している状態だというのがありまして、高橋さんの話を聞いて本当に8時間や9時間寝続けるのは大事なんだと思いました。
高橋祥子氏(以下、高橋):でも、人によると思います。「そんなに8時間も9時間も寝れない」という人ももちろんいるだろうし。自分の遺伝子を調べて、朝型か夜型かとかもいろいろと調べてやっているので私には(適した睡眠時間が)それぐらいだけど、最適な睡眠は人によって違うと思うので。
大畑:なるほど。確かめる必要があるということですかね。
高橋:「朝早く起きたほうがいい」というのも違っていて、早起きは三文の徳でもないということが、最近だとサイエンス的にわかってきています。
大畑:本当ですか?
高橋:遺伝子的には朝型の人もいれば夜型の人もいるので、夜型の人に朝型生活を強制させるとすごくパフォーマンスが下がるという研究もあります。なので、やっぱり自分に合わせた最適解を見つけていく必要があるかなと思います。
大畑:おもしろいですね。追加で、確かめ方って聞いてもいいですか? 朝型と夜型というのは簡易的にわかったりするんですか?
高橋:それはジーンクエストの遺伝子検査で調べました。
大畑:なるほど、ありがとうございます。いくらでも話せてしまいます。
大畑:留目さん、あらためて留目さんの働き方と成果の出し方についてご紹介いただければと思いますが、いかがでしょうか?
留目広志氏(以下、留目):まず、私は昔から寝ないとパフォーマンスが発揮できないタイプの人でして、いかなるフェーズにおいても7時間は寝ていますね。
大畑:えー!? そうなんですか。
留目:原体験があって、学生時代にバドミントンの体育の授業がありました。私はテニス部だったので、ラケット競技は得意だったんですね。ふだんはすごく得意だったんですが、体育のテストの時間の前日に、何をしていたかは忘れましたがすごく夜更かしして臨んだら、バドミントンの羽にラケットが当たらないわけですよ。
あと、なんで当たらないのかが自分ではまったくわからないんですよね。その時の感情として、恥ずかしい思いをしたというのがすごく強烈に残っていて。寝ないととりあえずパフォーマンスが悪くなるし、しかもその理由が自分にはわからない、みたいな。
そういったすごく強烈な経験があって、それ以降は絶対に寝るようにしているんですね。だから、だいたい7時間は寝ています。しかも先ほども話しましたが、保育園のお迎えとかもしているので、そんなに長く働けないのもあって睡眠時間を確保しています。
そんな中で、じゃあどう成果を出すのかというところで言いますと、アイデアとか思考が中心になる仕事の時と、もうちょっと現場寄りだったりオペレーションの仕事の時ではけっこう違う気がしています。
今は私の立場上だとアイデアや思考中心で、戦略や組織作りみたいなことが多いんですが、その場合は「自分の時間をどう設計するか」って本当にすごく大事だなという感覚です。まずはアイデアを考えるために、外から情報収集をしっかりするために人と会うとか、メディア等からちゃんとインプットする時間を取ります。
留目:それから、会社の中の情報をどれだけちゃんと取れるようにしておくのか。これは会議体をどう設計するかもそうだし、それこそ1on1も含めて情報の伝達回路をしっかり作って、外と中の情報をちゃんと取る。取った情報をちゃんとクリアに考えられるように、睡眠、運動、食事に気を配る。
その1つのツールとしてAIをめちゃくちゃ使うとか、今言ったようなことをちゃんと維持できていないと、ぜんぜんうまくいかないという感覚があって。意識的に「どこに時間を使うか」をすごく考えているというのが、アイデア出しの時の仕事の話ですね。
大畑:なるほど。
留目:私は営業をやっていたり、現場に入ることもけっこうしていましたが、その場合はプロセスを徹底設計するのが大事だと思っています。営業ルートの型をちゃんと決めて、なるべくその型どおりに質を上げていく状態にするとか、なるべくイレギュラーな状況を減らすとか。そういうことをして、時間の濃度を高めることを考えながら進めていく。
いずれにおいても若干違うんですが、「自分の限られた時間をどう設計するか?」みたいなことをちゃんと常に考え続ける。一番いいのは毎日振り返り続けることなんですが、そんなに真面目じゃないのでできない。なので、少なくとも1週間に1回とかは時間の使い方をちゃんと確認しています。今もやりますし、ずっとやってきていますね。
大畑:なるほど、ありがとうございます。
大畑:(参加者からの)ご質問にも「真似できる、生産性を高く発揮するコツを教えてください」と来ています。
睡眠の話から始まり、まさに全網羅的に答えてくださったなと思うんですが、お二方には圧倒的な時間制約があると言いますか、「時間制約をする」という覚悟の前提で今のお仕事をされていらっしゃるんだなとも思いました。正直に言うと、「そこまで考えずに長時間労働で仕事をしようとしていた」といった方もきっと多いんじゃないかなと思います。
また新たにお二方に質問です。周りが長時間労働している中で、短いほうが成果が出ると思いつつも、短時間で働く焦りやわだかまりみたいなものがもしあったら教えてください。そして、どうやってそれと向き合うのかも教えていただきたいなと思いますが、いかがでしょうか? じゃあ高橋さん、留目さんという順番でいきましょうか。
長時間労働ではなく短く働くと決めた時に、そうは言っても特に若手の方って「周りが長時間働く中で、短い時間で働いて成長できなかったらどうしよう」といった気持ちになっちゃうんじゃないかなと思います。周りが長時間労働の中で、それができない焦りはなかったですか?
高橋:いや、ないですね。
大畑:ない!? なるほど。
高橋:なんでないんだろう。
大畑:すごいですね。
高橋:いや、だって「子どもが待っているからしょうがない」みたいなところがあります(笑)。
大畑:なるほど。そこは留目さんはどうですか?
高橋:しょうがないし、そもそも脳の構造からして、長時間をかけたほうが成果が出るものと、短時間でやったほうが成果が出るものがあると思うんです。例えばスポーツ、楽器演奏、言語習得とかは繰り返し繰り返しやって、脳の神経回路を強化していくことがスキル向上に寄与するんです。
高橋:今のほとんどの仕事って、例えば資料を作ったりアイデアを出したりとか、認知資源の鮮度が高いうちにやることが重要なので、短時間のほうが成果が出るもののほうが多いはずなんです。私の仕事は「長時間かけたほうがいい」みたいなものはないので、いかに自分が新鮮なうちにパッと仕事ができるか。あとは、いかに自分の時間を使わずにチームを作れるか。
私の能力にはすごく限界があるので、私に足りていないところをチームメンバーにやってもらうために、いかにいいチームを作るのか。それができる立場の人とできない立場の人がいると思うんですが、「いかに自分が働かないか」のほうを考えてますね。働かないかというか、いかに自分にしかできないところだけに集中するか。
(参加者の)質問の中で「イーロン・マスクはどうなんですか?」みたいな質問があったのでちょっとだけ触れると、イーロン・マスクの真似すべきところと、真似すべきところじゃないところはあるなと思っています。
真似すべきところは、テスラ、スペースX、X(旧Twitter)とかいろんな会社をやっているんですが、何に集中しているかというと、「自分にしかできない意思決定にだけ、ミッションを作るところだけに集中しているんです。チームにはちゃんとそれぞれ(メンバーが)いるからいろんな会社ができるんです」みたいな発言をしていて。
そういうところは本当にそうするべきだなと思っているので、真似するところがあるなと思って。ただ、絶賛長時間労働をしている人ではあります。それはいろんな会社を経営しているのもあるし、各事業が未知の領域に挑むミッション型なので、意思決定やビジョン共有が他にはできない。
他の人にはできないようなことをやっているというのもあると思うんですが、あれは例外というか。1社を取ると、ちゃんと自分にしかできないところに集中して時間を使っているので、その時間の使い方は私も真似したいところだなと思いますね。
大畑:なるほど。複数社あるからそういうかたちになってしまっているということですね。ありがとうございます。留目さん、どうでしょうか?
留目:イーロン・マスクの話は本当にそうだと思います。
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