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楽しむ人は生産性を上げる!社員の自律を促す「新・マネジメント術」とは?(全4記事)

がんばっているのに伸びない人の共通点 「やらなきゃ思考」が成長を止める [2/2]

夢中でのめり込む時が“高い自律”

じゃあ、高いレベルの自律はどういう状態なのか。これは、セルフリーダーシップと言われます。「セルフリード」なわけですよ。どんどんどんどん気持ちが駆られてやりたくてしょうがない、おもしろくてしょうがない、どんどんのめり込んじゃう感じですね。

だいたいイノベーションを起こす人や経営リーダーの方は、こういった自律レベルの高さを発揮していると言われています。

モチベーションがすごく高い状態ですよね。子どもたちが遊びに夢中になる感じで、真剣勝負の中にどんどん入り込んでいくような状態です。自分事化して、仕事を楽しんでいる状態が、あるべき状態だと言われています。

もちろん、全員が全員この自律レベルが高い状態を100パーセント維持できるなんてことはありません。私も自律の研究をずっとやってきましたが、1日の中で高いレベルで仕事ができている状態なんて、高くて4割とか5割ぐらいじゃないですか。

それ以外は「メールを返信しなきゃな」とか、「事務処理をやらなきゃな」とか、「コンプライアンスの内容をチェックしなきゃな」とか、「やらなきゃいけない」でやる仕事もあります。

大切なのは、このセルフリーダーシップの状態で仕事ができている時間の割合を増やしていくことです。総量を増やしていく。1週間、1年、その中でこの高いレベルの状態でどれだけの仕事に従事することができたのかというところです。


高い自律があると、創造性もリーダーシップも上がる

このセルフリーダーシップの状態。「高い自律レベルの状態を多く増やすことができればできるほど、こんないいことがあるよ」というのがエビデンスで報告されています。

まずクリエイティビティが高まります。いわゆる仕事にドはまりしている状態で、めちゃくちゃはまっていておもしろいという感じですから、なんとかパフォーマンスを高めようとして、あの手この手を考えつくわけですね。試行錯誤をしてアイデアを出すわけです。

さらに、学習意欲も高まります。パフォーマンスを上げるために自分が知らないことに対して貪欲にインプットしていく。「どうしたらうまくいくだろうか?」と、いろいろな専門家に教えを乞いに行く。

さらに、夢中になっている状態なので満足度も高いですし、幸福感も高い状態です。当然辞めるという選択肢は頭に思いつきません。このような状態で仕事をしているとどうなるかというと、パフォーマンスが上がります。

パフォーマンスを高めたいがために、自分のポテンシャル全部をなげうって、自分のリソースを全部投資して、あの手この手を尽くして学びながら進んでいくので、そりゃあ、パフォーマンスは上がるよという話なんですよね。だいたいイノベーティブなことを手掛ける人は、こういう自律レベルが高い人です。大きな成果を生み出していく。

それだけではなくて、コンテクスト・パフォーマンスも高まると言われています。(スライドを示して)この、コンテクスト・パフォーマンスというのは、いわゆる自分の仕事じゃないのに、チームや部署のメンバーに対して働きかける。他の人の仕事のサポートをするということです。組織やチームのためにがんばるわけです。

当然、自分の仕事をうまく進めたいとか、このプロジェクトを成功させたいと思うので、みんなが協力してより良い状態を作っていこうというところにも関心を持っていくようになります。

そういうことをしているとリーダーシップをどんどん発揮していくようになるわけですよ。セルフリードしていたものが、いつの間にかチームリードになって、いつの間にか組織リードになっていくというかたちで、リーダーシップの影響力も高まっていくということです。リーダーシップ開発の原点って、実は自律レベルを高めることなんです。


“やらなきゃ”で走るとパフォーマンスは落ちていく

一方で、この低いレベルの自律ですね。ずっと「やらなきゃ、やらなきゃ」、義務感、責任感に追われて仕事をしている状態が続くとどうなってしまうのか。これは「Driven to Work」と言われています。仕事に常に追いかけられている。駆り立てられる仕事ということです。

もうやりたくないのに、「やらなきゃ、やらなきゃ」で、常に焦燥感に駆られて、ToDoリストをチェックしたり、あるいはリマインドやアラートにあくせくしながら働いている。

そうすると、まず健康状態が悪化しますね。肩こりや腰痛を患ってしまったり、あるいは風邪をひきやすくなってしまう。週末になると熱が出るとか、そういう健康状態の悪化が見られます。

さらに学習レベルと創造性が低下すると言われています。当然の話です。1日の間にやらなきゃいけないことをやることで精いっぱいなわけですから、新しいことを学んだり、新しいことを試したりということはぜんぜん想定しないわけです。とりあえず仕事を満たすことで精いっぱいになってしまう。結果的にパフォーマンスが下がりやすくなります。

短期で見ればパフォーマンスは維持できますが、長期、例えば年単位で見た時にパフォーマンスは逓減していくと言われています。

個人のキャリアも当然停滞します。新しいことにチャレンジしないし、経験の幅が広がらないので、プラトー化しやすいと言われています。

プラトーというのは、高原を意味するキーワードですね。「Career Plateau(キャリア・プラトー)」とか「Professional Plateau(プロフェッショナル・プラトー)」と言われたりします。いわゆるキャリアに変化がなくて、新しい価値が生まれない状態です。

だから、やりがいも当然感じられないし、「この仕事、もうやりたくないな。この会社、嫌だな」というふうに辞めたい気持ちも強まるんですけど、当然キャリアがアップしていないので、労働市場で高い評価を受けることはできずに転職先は見つかりません。

結果として、現状維持をするしかない。「嫌だ、嫌だ」と思いながら会社に行って、仕方なく仕事をストレスを抱えながらやって、その会社に居続けるというキャリアを歩んでしまうと言われています。

キャリア自律が大事だとされる背景には、やはり自律レベルも関係しています。このセルフマネジメント型の働き方を変革していくということが求められてくるわけです。


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