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「成果を出す人の目標設定とは」 - 下期スタートに学ぶ、“戦略と戦術”の立て方(全3記事)

“戦略がない人”にありがちな思考の罠 仕事の精度を上げる目標設定の3ステップ

【3行要約】
・目標設定は大切だが、成果につなげるための設計が不足していることも多く、多くのビジネスパーソンが軌道修正できずに失敗しています。
・手嶋武久氏は「目標設定は戦略・戦術・管理の3ステップで行うべき」と提唱し、要素分解と工程分解の重要性を説いています。
・段階的に分解することで振り返りの精度が高まり、より効果的な目標達成が可能になります。

前回の記事はこちら 

目標設定の3つのステップ

手嶋武久氏:じゃあ、今の話を踏まえて、今日は(目標設定の)考え方のお話もちょっとしていければなと思います。

今日は「目標設定の3STEP」についてお話ししていきたいと思っています。成果を出すまでが目標設定の役割ですよという話です。やはり途中でもお伝えしたとおり、軌道修正ができるかどうかがポイントだったりします。その時に、設計段階からちゃんと振り返れるものかどうかを考えておくことがけっこう大事です。

ステップとしては、まず戦略、(つまり)方針を立てます。次が戦術、アクションです。最後は管理。進捗を把握していくというところかなと思います。

戦略に関しては、いわゆるキードライバーをちゃんと見つけることが求められます。例えば「LTVを改善していく」みたいな、1人の顧客から取れるお金をいかに上げていくか。

結果を数値で把握できて初めて目標設定になる

LTV(の改善)でいくと、1回の単価をドカンと上げるか、リピート率を上げて何回も買ってもらうかという2つが、最初の入り口での分かれ道だと思うんですね。キードライバーを見つけにいっている感覚とかなり近いかなと思うんですけど、この時に「いや、リピートでいきましょう」という感じで、まずは意思決定をする必要があります。

その後にアクションですね。実行の有無が明確になっていることが重要なんですけど、リピート率を上げるためにはいろんな選択肢があると思うんです。

その中で、「今回はCRMの施策としてメルマガを週に1回配信しましょう」と決めました。もうここまで(明確なアクションとして)落とし込むと、「じゃあ、メルマガの配信をしたの? していないの?」というのがすごくクリアにわかると思うんですね。ここまでわかる状態なのが「アクションを決めた」ということになります。

最後に、管理できているかはプロジェクトの進捗が明確かどうかなんですね。なので、「このアクションをやった結果、もともと狙っていたリピート率が改善されたんですか?」っていうところが見えるのか。ここまでちゃんと数字で見えるようにセットして(初めて)目標設定ができていると言うことができます。

目標を細かい要素に分解することから始める

まずは戦略のお話から入っていければなと思います。目標を漠然とした固まりじゃなくて、ちゃんとハンドリングできるところまで細かく分けていくことが重要です。

(セミナーを聴いておられる方は)僕の研修に出てもらっている方が多いですが、(研修では)いつも要件定義の話をしています。基本的には、その中で言っている「要素分解」と「工程分解」の2つをやることになるかなと思います。

(まず、要素分解の説明をします。)例えば売上であれば「商品単価」と「販売個数」の2つがあります。個数は、「購入人数」と「購入回数」に分かれていて、購入人数は「新規」と「既存」に分かれます。こんな感じで要素を細かく分けていくのが要素分解です。この中で、どこをポイントにして、どこにピンを立てるのかが、先ほど言っていた「キードライバーを見つける」という動作になります。

次が、工程分解ですね。工程分解でいくと、例えば「資料を作成する時に、どこに時間がかかっているんだっけ?」みたいなことを考えていく。(資料を作成するに当たっては、)構想を作って、情報を収集して、骨子を作って、パワポを作成します。

まるっと(「資料作成」という1つの作業にするん)じゃなくて、こんなふうに細かく(作業の工程を)見ていくことによって、情報収集にめちゃめちゃ時間がかかっていることがわかります。「じゃあ、ここをいかに変えていくのか?」「ChatGPTを使ってどう効率化するか?」とかを考えていくと、アクションになっていく。こんな感じで、どこにネックがあるのかを見るためには要素か工程で分解する必要があります。

「清水の舞台から飛び降りるな」

戦略を立てる意味もあらためてお話しできればと思っています。そもそも我々はビジネスの領域でお仕事をしているので、正解のない領域を扱っています。なので、そもそも唯一絶対の解なんて存在しないんですけど、最後の最後は自分の「決め」でやらないといけないんですよね。

その時に僕がいつもお伝えしているのは、例えば先ほどと同じように「LTVを上げる」みたいなものがあった時に、戦略がない人が何をやるかというと、(スライドを示して)ここから一気に飛び降りるんですね。例えばですけど、「LTVを上げるためにCMをやります」「屋外広告をやります」みたいなことをやるんです。

僕は、「清水の舞台から飛び降りるな」とお伝えすることが多いんです。ここの目標から実際のアクションまでの距離が遠過ぎてけがをするんですよね。というか、「精度が低過ぎて着地ができない」ということが多々起きます。

なのでここから、先ほど言っていた「要素分解」とか「工程分解」をしていきます。先ほどお伝えした「リピート率を改善するのか、単価を上げるのか」について、今回は「リピート率を上げる」という意思決定をします。

アクションの精度が高いと振り返りの精度も上がる

さらにその先で、メルマガや公式アカウントなどいろいろある中でも、(今回は)「メルマガをやる」という意思決定をします。メルマガにも一斉配信やステップ配信などいろいろな方法があるんですけど、「一斉配信をやります」という意思決定をしたとします。

そうすると、ここには戦略が存在しているので、(スライドを示して)ここから飛び降りると、最後の「決め」のところの精度がグッと上がるんですよね。

距離が短いので大けがをすることもないですし、振り返りの精度もめちゃくちゃ上がります。仮説がちゃんとあるので、「これって結局、リピート(率を改善する意思決定)と、ステップ配信と一括配信の意思決定の、どっちが悪かったんだっけ?」というのが検証できる。これが、戦略を立てる価値になるのかなと思います。

ここでもう1個、「戦略を考えるための分解」をちょっとワークにしてみたので、やっていければなと思います。

商品開発部との連携を工程分解してみました。ちょっとこの例を見てもらいたいのですが、自分が営業のイメージです。

まず営業なので、情報収集して仮説を構築して、開発チームに「こういう感じでしたよ」と言って連携する。その後、顧客とヒアリングをしてフィードバックを戻してあげる。例えばこういう感じで進めていくことができ、工程もこんな感じで分解することができると思います。

これを、(スライドの表の)下の4つの例で、ちょっとみなさんにワークをやってもらいたいなと思っています。1個目が会議時間の削減です。僕は(工程分解と要素分解の)掛け算でやってみたんですけど、これをやってみてください。

心理的安全性を作る要素とは

あと、「心理的安全性をチームで作るといった時にどんな要素が必要ですか?」「人材育成力について、自分のメンバーや後輩を育てるためにはどんな要素が必要ですか?」「業務の効率化をするためにはどんな要素に分解することが必要ですか?」。こういった(要素や工程を)分解していくというワークをやっていければなと思います。

やることは大丈夫そうですかね? じゃあ、これも特に正解はなかったりするんですけど、ワークなのでまずはいったんやってみていければと思います。

(参加者がワークに入力する)

僕の例でいくと、「会議(時間の削減)」はまさしく一緒ですね。「マエ」と「ナカ」と「アト」に分けました。僕の場合は、誰をアサインするかをちょっと気にするタイプなのと、「ナカ」はファシリテーション力や議事録のあたりかなと思いました。

「心理的安全性の醸成」のところは、確かに量と質のほうがシャープかもと思って、僕はわりとつらつらと並べるスタイルにしました。「自己開示して、傾聴して、受容して、ポジティブな言葉遣いで話をしていく」っていうところは、コーチングの動きと近いですね。心理的安全性を生むためには、コーチングの頭でいくとこんな感じかなというところです。

答えのない問題こそ、自分の思考ルートが大切

「人材育成(力の強化)」でいくと、これも最近、自分の頭の中で作っているフレームワークにちょっと近いんですけど、まず関係構築というベースがあります。

その上に、2つの支援すべき領域があります。1つが、メンバーの子たちが、「俺はこういうふうに振り返ったほうがいいんだな」と内省をする支援。あとは、つまずいている課題に対してそれを解決する支援。この2つがあるなと思っています。なので、こういうフレームで僕はちょっと整理してみました。

「業務効率化」は、業務を工程として洗い出してみて、インパクトが大きい業務の選定をして、試行錯誤して、あとはチームで連携していく。大きくはこういうやり方でもいいかなという感じで考えてみました。

正直、これに関しては答えなんてあまりないと思います。けれども、それは先ほどお話ししていたように、最後は「決め」の世界だったりします。自分がどういう思考をたどったかのほうが大事だったりするので、そんな感じで捉えていただければいいのかなと思います。

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