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これをやってる上司は“一流”。リーダーとマネージャーの決定的な違い3選(全1記事)

部下に「なんでこの会社にいるんですか?」と聞かれたら 一流リーダーが持つ「誰のためか」の思考術 [2/2]

26歳営業リーダーの“落とし込み”例

もう数年前のことですが、私の研修先のある企業さまの26歳の女性営業リーダーの方がおっしゃった言葉を、私はいまだに覚えています。

「私がこの会社でリーダーをしているのは、もっとチャンスを求職者に与えたいからです。だって、学歴や年齢で選考に残れない方がいるんですよ」。「実は私自身もそうでした。でも、私は派遣先で認められて、社員になり、転職をして、今この会社にいます。私はそういった選考に漏れてしまう、でももっとチャンスが欲しいという人のために、がんばりたいと思っています。この地域にはそういった方がたくさんいるんです。私はそのチャンスを作りたいと思っています」。

と言った26歳の営業主任さんがいました。落とし込んでいますよね。その方のその後を私は存じていないのですが、その会社にいらっしゃったら、放っておけないぐらいのお立場になられているんじゃないかなとは思います。これができているか・できていないかの差なんですね。

でもその方も、もともとからそんな考えがあったかというと、「振り返ったら、そう整理できている」ということが多いので、たぶん整理されたんだと思います。ぜひ整理してみてください。「形から入る」でもいいです。「役割から入る」でもいいです。言っているうちに、それが本物になりますから。

リーダーはがんばる人ではなく“変える人”

さぁ、ではどうすれば、よりもっとレベルアップできるか? お待たせをいたしました。リーダーがレベルアップするために知っておくべきことがあります。「リーダーは、がんばる人ではなく、変える人である」。これ、ぜひ覚えてください。

例えば、あなたは何のために仕事をしていますか? 「部下の成長のため」「目標達成のため」。これは役割でしかありません。Aさんでも、Bさんでも、Cさんでも、部下の成長のためにやっています。目標達成のためにやっています。そんなことは言わなくてけっこうです。それは役割ですから。

じゃあ、何を言うんでしょうか? そうです、「変える人」なんですよ。何を変えるんですか? はい、問題設定が大事です。リーダーとして、今あなたの役割から見た時に、何が問題なんでしょうね。この問題設定ができていないと、挑戦を企てることは絶対にできません。もちろん、会社からは「これをやってくれ」と言われます。これは役割です。でも、「あなたはどうしたいのか?」という話なんですよね。

何を放っておくとまずいのかを決める

その時に、「あ、これは放っておいたらまずいな」ということを考えます。何を放っておいたらまずいのか? 1つ目の切り口は、今起こっている、解決しなければならないこと。ないですか? 「若手が育っていない」とか、「離職がある」とか、「モチベーションが低い」とか。

2つ目は、今は大丈夫でも、1年後、2年後に困るかもしれないもの。「技術の伝承ができないかもね」「次世代のリーダーが育たないかもね」「このままではクレームが出るかもね」「人不足が起こるかもね」みたいなことがあるのであれば、今それを変えておく必要があるんですよね。それが挑戦になります。

プラスアルファの挑戦が一体感を生む

部署の挑戦。例えば、こんな方もいらっしゃいました。あるショップの店長さんは、「会社から言われた事業計画や育成計画は当然やります。ただ、会社としては合格基準ではあるんだけれども、私はクリンリネス(きれいにすること)のレベルをよりアップさせたい」とおっしゃっていました。

「きれいさで感動をさせたい。まだ普通レベルだ。そうすることが売上にもなるし、うちのショップのブランディングにもなるし、アンテナにもなる。なので、もっとクリンリネスを徹底させたい」。会社から求められているわけじゃないですよ。もっとレベルアップさせたい。それにはリーダーの思いがあるんですよ。

もちろん「クリンリネスを徹底させるために、クリンリネスで全国チェーンの中で1位になって、自分たちが発信力を持って、基準を高めていきたい。そのために半年後、1位になります。力を貸してください」というお話をされていました。

ユニークな組織はトップダウン×ボトムアップでつくる

これは、「プラスアルファの挑戦を企てる」ということなんです。これをやられた時に部下がどう思うかというと、きちんと理にかなっていれば「うれしい」になります。また、会社が求めている方向と合致していれば、自分の評価ともつながっているわけですよね。OKです。

ただ、会社が求めていることや役割以外のことを求めると、それは(部下にとって)負荷でしかありませんので、それは駄目です。挑戦を企てながら、部下にとってもきちんと評価をされることを、もちろんセットにはしないといけません。

挑戦を企てる効果を言いますね。あなたにクイズです。あなたはユニークな人間になりたいですか? 「ユニーク」って「おもしろい」じゃないですよ。「個性を味わいたいですか?」ということでいいです。個性を味わいたいですか? それとも個性を味わわず、埋没したいですか? 

「あなたはユニークな人でありたいですか?」と言われたら、「ユニークでありたいな」と思うものですよね。この時に、人は2つのタイプに分かれると言われています。個人としてユニークになりたい人と、個人としてではなく、所属をしている組織がユニークであることに誇りを感じるタイプです。

リーダーはどちらのアプローチを採るか? 自分自身はどちらでもけっこうです。ただ、リーダーとなったからには、「この組織に所属していることがユニークである。誇りに感じる」という場作りが必要なんですよ。その時には、別に優しくする必要はありません。いや、優しくするのは当たり前なんですよ。そうじゃなく、ユニークな挑戦をしているかなんですよ。

先ほどのクリンリネス、いいですよね。「うちはクリンリネスをみんなでやっているんだ」。ユニークな挑戦の方針はトップダウンです。リーダーが「こうやりたい」。でも、やり方はボトムアップなんですよ。それがユニークさを作り、一体感を作ります。


挑戦はトップダウン、やり方はボトムアップ

挑戦は押し付けるものではありません。方針は示します。必ずコミットします。だけどやり方はボトムアップで意見交換をしながら進めていきます。だから、一体感はありつつユニークな組織ができるんですね。もう一度言います。リーダーはがんばる人ではなく、変える人です。みんなと一緒に変える人で、引っ張っていく人なんですね。

ということを考えた場合、どうでしたか? 言ってはいけないセリフ。「部下の成長のため」「目標達成のため」。駄目ですよね。「私は○○を変えたい」というように、このあたりからセリフを考えていただくといいかなと思います。

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