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これをやってる上司は“一流”。リーダーとマネージャーの決定的な違い3選(全1記事)

部下に「なんでこの会社にいるんですか?」と聞かれたら 一流リーダーが持つ「誰のためか」の思考術 [1/2]

【3行要約】
・部下から「なぜ会社を辞めないのか」と問われた時、多くの管理職が「生活のため」「家族のため」といった内向きな答えをしてしまいます。
・研修トレーナーの伊庭正康氏は、真のリーダーシップには「外向き思考」で語る大義が必要だと強調しています。
・リーダーは「誰のために」「何を放っておけないか」「どうしたいか」の3つの問いから大義を見つけ、変革の意思を示すべきです。

「なぜ会社を辞めないんですか?」と部下から聞かれたら

伊庭正康氏:研修トレーナーの伊庭です。一流の上司はセリフが違います。リーダーとマネージャー、あなたは使い分けていますか? ぜひ使い分けてください。まったく違います。

(スライドを示して)今日のメニューはこちらです。例えば、部下からこのような質問を受けたらどうでしょうか? 「なぜ、あなたはうちの会社を辞めないんですか?」と、もし部下に尋ねられたら、あなたは何と答えますか? やってはいけない、あることがあるんです。それを紹介していきます。

「リーダーは、○○思考で考えている」。この話もします。そして、「リーダーは、がんばる人ではなく、○○をする人」。ここも押さえておきます。だとすれば、セリフが違うんですよ。全体としてセリフが変わりますので、「言ってはいけないセリフ」と「言うべきセリフ」、そこを確認しておいていただければおもしろいと思います。

このチャンネルは、研修トレーナーの伊庭だからこそお伝えする、本物のTipsを紹介するチャンネルです。ぜひこちらから、チャンネル登録をよろしくお願いします。ではいきましょう。


絶対に言ってはいけない“内向きな答え”

もし部下から、「なんで課長は、なんで部長は、うちの会社を辞めないんですか?」と言われたら、何と答えますか? 私は日々、企業で管理職研修をしていているのですが、返ってくる答えがあります。

(スライドを示して)こちらです。「生活のため」「家族のため」「自己成長のため」「自分のキャリアアップのため」「部下の成長のため」「上司に恩があるので、恩返しをしたいから」「会社が好きなんです」。あと、「よくわかりません」もありますね。ほかにも、「仕事があるから」とかもあります。こう答えて、部下がどう思うか。「さすがうちの上司!」と思うはずないですよね。

でもね、これらは嘘じゃないんですよ。誰もが生活のために仕事をしているし、家族を持っているのであれば、誰もが家族のために仕事をしているであろうし、成長したい。部下のため。嘘じゃないですよね。でも、これを言うのは駄目なんですよ。リーダーのセリフじゃないからです。そうだとしても、それは言ってはいけないんですよ。これは言わないセリフなんですよ。

例えば、もしあなたの勤めている会社の社長に、「社長、なんでそこまでがんばっているんですか?」と聞いた時に「いや、生活のためだよ」とか、「家族のため」と答えたら、ちょっとどっちらけてしまいませんか? そうですよね。「会社が好きだから」。そんなことは求めていないですよね。もっと「なんでこの事業・この会社をそこまで熱を入れてやっているんですか?」ということを聞きたいんですね。

社長も当然、生活のため、家族のためにがんばっていますよ。部下のため、従業員のためにがんばっていますよ。でも、それを言わないんですよ。それを言う社長さんも当然いますが、私が見うる限り、リーダーシップの勉強をされていない方が多いです。


「従業員のため」に隠れたリーダーの言葉のズレ

あるパーティーで私たち企業研修講師が集められて、そこの研修エージェントの社長さんが、「私は従業員のためにがんばっています。うちの従業員は非常に優秀なんです。なので、ぜひ支えてやってください。お願いします」。

「じゃあ次に何かあるのかな?」と思っていたら、「え、それだけ?」「私はこの従業員のためにがんばっています。ぜひ支えてやってください」「それだけ? それだけ?」。その2年後、その社長は従業員の首を切っていました。事業が弱いんですよ。信念が弱いんですよ。考えていないんですよ。

企業研修講師はみんなそれなりに勉強しているので、「おかしいことを言うよね」と会話をしていました。「何か足りていないよね」という話をした時に、「やはりリーダーとして使うセリフを間違えているよね。」ということがあったんですね。

リーダーは“外向き思考”で語る

続けましょうか。じゃあ、リーダーはどういうことを言うべきか? 「外向き思考で語る」なんですよ。今の社長さんのケースは、「内向き思考」でしたよね。駄目なんですよ。外向き思考で語るんですよ。

「なんであなたはそこまでがんばるんですか? うちの会社を辞めないんですか?」「なんでその会社をしているんですか?」「なんでその役割をそこまで本気でやるんですか?」。

大義をつくる3つの問い

はい、外向き思考は「大義」で語ります。自分の役割の大義を語ります。「何やねん? 大義って」。はい、説明します。3つの要素に分解しますね。誰のためにがんばっているんですか? 社内の誰々のためでも、自分のためでも、自分の家族のためでもなく、お客さまか、お客さま以外を含めると社会のためです。地域のためです。

「誰かのために、私はがんばりたいと思っている」になります。まず1つ目。これが仕事の意義ですよね。どんな仕事もそうなんですよ。「誰々のためにがんばりたい」と思っている。

もし間接部門、例えば経理とか人事とか、社内以外の方と接しない方だとしても、事業は社外のためにやるんですよね。会社は社外のためにやるんですよね。それをわかった上で、「社内の別部署の誰々のために私はがんばりたいと思っている」はOKです。「自分の組織の中のためにがんばる」は良くないです。大義じゃないからですね。

2つ目。「だとすれば、何をあなたは放っておけないんですか?」ということをきちんと整理できているか。例えば顧客や、顧客以外の地域の誰々。この方々の「3つの不」と私は伝えております。「不満」「不便」「不安」。「これを私は放っておけないんです」ということが、きちんと整理されているかなんですよ。どんな「不」があるんでしょうね? 

実際、パナソニックの創業者の松下幸之助さんは、ご著書でこのように書かれています。「リーダーたるもの、公憤がなき者は務まりません」と。「私憤」では駄目です。私憤と公憤。

公憤というのは公の憤り、社会に対する憤り、放っておけないこと。私憤というのは、私の中の憤り。「お金が足りない」「キャリアが不安だ」。私憤では人はついてきません。何を放っておけないんですか? 公憤でお願いします。そこを整理してくださいね。

そして3つ目。「だとすれば、あなたはどうしたいんですか?」。これです。「彼らをどんな状態にしたいんですか?」ということを整理します。考えている方と考えていない方に、まずここで分かれます。私の研修受講前の方は、ほぼ考えていません。

ただね、1個だけ言えることは、部長以上は考えています。考えないと、部長になれないからです。部長以上は考えています。課長で考えている人は、ほぼいません。じゃあ、これをどこで覚えるんでしょうね? 課長時代に覚えている人が部長になった時にキャッチアップできるんですよ。

これを私は、研修先で気づきました。私も、そういった失敗もしてきているのでわかります。早くキャッチアップできたらよかったなと思います。

会社のビジョンを自分の役割に落とす

じゃあどうすればいいのか? 実はあります。まず、会社員はこうするといいですよ。会社のビジョンがありますよね。会社の理念がありますよね。まず1つ目。あなたは今、会社の理念・ビジョンを言えますか? これを言えなければ、管理職としては弱いですよ。でもね、ぶっちゃけると別に「興味ねぇ」でもいいんですよ。「ビジョン、興味ねぇ」でもいいんです。

ただ、テクニックなんですが、見せ方だけでも、他の管理職よりも、誰よりも会社の理念を全うしようとする人になってみてください。あなたの上司よりも、理念・方針を全うしようとする人になってみてください。すると、判断がブレませんので。まずそれが1つ目。形から入ってもいいです。

2つ目。そのビジョンや理念を、自分の役割に落とし込みます。自分の役割に置き換えると、どのようなことを言っているのかな? 会社のビジョンはすべてが内向きじゃなく、外向きになっています。「お客さまや社会のこれを解決したい」となっています。放っておいても外向きになるので、それを自分の役割に落とし込むんですよ。

そして、会社が言っているお客さまや地域の不安・不満・不便をあなたの部門はどう解決できるんでしょうね? そこの救済者の立ち位置なるのがリーダーです。


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