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数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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平岡洋平氏:では、承認力セミナーを始めてまいります。「承認力は大事だよ」「承認力の高め方はこうだよ」という内容で今日はセミナーをしていくんですが、今、なぜこの時代にリーダーに承認力が必要なのか。その時代背景について、まず最初にご説明いたします。
今はいろんな時代と言われてるんですが、1つ大きいのは「VUCAの時代」です。色別で4つあるんですけれども、変動(Volatility)・不確実(Uncertainty)・複雑(Complexity)・曖昧(Ambiguity)ということで、4つの頭文字を取ってVUCAと言っています。
変動1つとってもすごく変化が激しい時代です。それから不確実・複雑・曖昧というように、ざっくり言うと「もうようわからん時代」ということですよね。正解がないとか、よくわからない時代に今はあると言えるかと思います。こんなよくわからない時代に、どういう組織やチームが生き残っていくのか、成功していくのかということですね。
これはまたこの後にも説明しますけれども、実はチームや組織にも進化論みたいな考えがあります。猿から原人になって人間になっていくみたいなかたちで、実は世界のチームはだんだんこうやって変化していく、進化していると言われています。
その中で今、最新の組織はティール組織だと言われています。(スライド)右側の図で示しているとおりなんですが、色で分けていくようなかたちですね。ようわからんVUCAの時代に、このティール組織というのは非常に有効であると言われています。よくわからない時代なので変化に対応したり、スピーディに多様なアクションを起こしていく必要があるということですね。
それぞれレッド、アンバー、オレンジ、グリーン、ティールと組織があるんですが、ティールはよく生命体に比喩されます。例えば人間みたいに、1つの組織が1つの生命だと定義されるケースが多いんですが、そこの1つのポイントはやっぱり変化していくということですね。VUCAのような変化が激しい不確実な時代に、柔軟に変化していく。
ティール組織の大きな特徴の1つは、目的やパーパス、ルールや仕組みが常に変化していくことです。もう1つティール組織の大きな特徴があって、ティール組織にいるメンバーが非常に自律性を持っているということです。
また生命で例えますが、心臓や肝臓といった臓器は心臓の命令を待ってないですよね。肝臓は自分の役割を自律的にまっとうしていくし、何か問題があった場合は自律的に解決したり、自分で変化していくところがあるかと思います。ただ、命を存続したり、危険なところから回避したり回復したりします。
例えば組織で言うと、組織全体の目的やパーパスにはしっかりひもづいた上で、自分の役割を自律的にまっとうする。こういった性質がティール組織にはあるんですね。ですので、ティール組織のメンバーは非常に自律性がある。
ただ一方で、日本の組織は自律性よりも規律性に非常に重点を置いているので、「やれ」と言われたことはしっかりやるんですが、結局はいわゆる指示待ちになってしまう。自律的に発言したり、自分でアイデアを出したりするということがなかなか癖付いてない。これが、特に日本におけるチームメンバーの特徴かと思います。
そんな、なかなか自律性が癖付いていないメンバーの自律性を向上させるためには、リーダーはどういうアプローチをしていけばいいのか。というところで、リーダーに求められる特徴・スキルが出てきます。
その1つに「承認力」があるかと思います。今日の重点テーマですね。リーダーが承認力を高めていくことによって、メンバーは自律性を向上させていくことができると考えるわけですね。
では、ここまでは時代背景の部分を申し上げましたけれども、今日のセミナーはちょっとずつアドラー心理学のエッセンスを入れ込んでいきます。私はアドラー心理学がすごく好きで、みなさんの中で読まれた方もかなり多いと思うんですが、『嫌われる勇気』と『幸せになる勇気』。
私は非常に好きで何回も読んでるんですが、ここに今回のテーマである承認力やコーチングなんかとの共通点もありますので、このあたりのエッセンスも取り入れながら、今日はセミナーを進めていければなと思っております。
では、承認力の前段です。我々はコーチングのスクールなんですが、コーチングスキルの中の1つが「承認力」というスキルなんです。まずは「コーチングとは何か?」というところについて、本当に簡単に説明をさせていただこうと思います。
今日のセミナーは、銀座コーチングスクールのテキストを特別にちょっと抜粋してお伝えしていければと思いますが、コーチング全体を学びたいということであれば、ぜひ個別に相談いただければと思います。コーチングとは何かというと、我々のテキストにおいては「教える」のではなく「引き出す」という言い方をします。
世に普及しているスポーツのコーチなんかは、教えることがティーチングという部分が非常に多いのでややこしいんです。発祥は同じなんですが、銀座コーチングスクールが提唱するコーチングというのは、教えるのではなく引き出すアプローチになります。
ここに書いてある図はテキストから抜粋したものなんですけれども、人が2人いるかと思います。右側がコーチで、上と下に「聴く」と「質問する」というふうに書いてますね。
コーチのアクションは、大きく「聴く」と「質問する」があるんですが、スポーツのコーチだと「質問する」というのが「教える」とかになると思います。
今回のテーマである銀座コーチングスクールが教えるコーチングというのは、(スライド)左側にいるクライアントが話したことを聴いて、質問を投げかけて、そこからクライアントが考えてぐるぐるしていくと、ゆるい四角の中で頭の中が整理されるという現象が起きていきます。今回のセミナーで言うと、ビジネスリーダーがコーチ、それからビジネスのメンバーがクライアントです。
メンバーが自分で話したことを自分の頭で聴いて、頭が整理されてきて自発的行動が生まれ、そこから問題解決や目標達成につながっていく。これを我々はコーチングと言っています。ですのでシンプルに言うと、教えるのではなくて引き出す、話すのではなくて傾聴のスキルだということですね。
そして、コーチングにおける承認です。先ほど少し申し上げましたが、我々のスクールではコーチングスキルを5つの基本スキルに分けています。
いわゆる傾聴するスキルなんですけれども、「質問する」「聴く」「フィードバックする」など5つに分解して、それぞれを重点的に教えていきます。その中にもある「認める」というのは、1つのスキルであるということですね。ですので、コーチングという傾聴スキルの中にある1つのスキルが「認めるスキル」だという全体像になっております。
その上で、銀座コーチングスクールのテキストでは「認める」をどう定義しているのか? というところです。テキストには2つ書いてあります。
まず1つ目が、相手を全人格的に認めることであり、相手の言うことをそのまま受け止めること。相手というのはクライアントだったり、今回のセミナーで言うとチームのメンバーですね。2つ目が、ありのままの事実や存在、あるいは変化をただそのまま受け止め認めること。
全人格的に認めるというふうに書いてありますが、この文言だけを見ると「言うことを全部聞かないかんの?」って、たぶん思っちゃうと思うんですよね。ただ、それは違います。「受け止める」って赤字で書いてあるんですけれども、受け止めるという文言がけっこうポイントなので後で説明します。
「受け入れる」と「受け止める」の違いが実はあって、受け入れるとは同意したり賛同したり、中に入り込むという意味です。受け止めるとはキャッチボールで言うとパンっと(ボールを)止めるというか、「そう思ってる」という段階までのことです。実はここがすごく重要なポイントになります。
今日のテーマである「受け入れる」は、言葉だけを聞くと「部下の言いなりになる」ということになっちゃうかもしれないんですが、じゃあ言いなりとは何が違うのか。たぶん今日はここから先が一番重要なポイントなので、ちょっと集中して聞いていただければと思います。
今回、我々が提唱する「認める」というスキルは、「言いなり」ではないという意味です。言いなりというのは、例えばですが部下が「給料を倍にしてくれ」と言った時に、「じゃあ給料を倍にします」と言ったら言いなりですよね。一方で、その逆の指示・命令でもないです。なので(認めるということは)、部下を自分の言いなりにするわけでもないということですね。
(スライド)左側の「言いなり」と「指示・命令」を見ると対になってると思うんですが、何かあった時に部下の言いなりになるわけでもなく、こっちの言いなりにするわけでもないので、指示命令でもない。そのどちらでもないのが「認める」ということです。これは非常にわかりづらいので、何が違うのかをしっかりと明確にしてお伝えしますね。
アドラー心理学や『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』でも、他者を承認することをどういう言い方をしているかというと、似たような比喩で「叱るでもなく、褒めるでもなく、認める」という言い方をしています。なので、まったく同じことを言ってるということですね。
このアドラー心理学の2つの本を読んだことがない方もいらっしゃると思うんですが、すごく有名な偉い仙人みたいな人と、若者の対話がずっと繰り返されるんです。
若者は職業が教師なんですが、「自分の教え子に対して、褒めるのと叱るのとはどっちがいいのか?」ということを、その仙人みたいな哲人に聞くわけです。鉄人は「褒めてもいけないし、叱っちゃいけない」と言うので青年はテンパっちゃって、「じゃあ、どうすればいいの?」みたいな話があるんですが、これとすごく似ているかと思います。
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