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学びをやめない“冒険的”キャリア論 【中原淳×安斎勇樹W刊行記念イベント】(全6記事)

自ら学ばないメンバーを変えるヒント 組織に「学び」のカルチャーを根付かせるには [2/2]

学び=勉強ではない

中原:そうか。もし可能ならこの本のどこかを読んでもらって、話し合う機会を設けて、「あ、こんなんでいいの」みたいなハードルを下げる。そうしないと、やっぱりなかなか学び続けられないかなぁと思うし。やっぱり「Learning=勉強」だと思っている人の思い込みを解除しないと、けっこう厳しいんじゃないかと思います。

安斎:学習観の問題ってやつですね。

中原:そうね、うん。「学習観」か……難しい言葉を使うね。

安斎:学びとは何か。

(一同笑)

安斎:じゃあ、中原先生の(学びを周囲に広げていくうえでの)課題設定というのは、いわゆる「学校教育・受験教育的なもの=学び」というレンズのまま(「学び」について)考えてしまっていることだったり、それゆえ、学習に対するハードルが上がっていることだったりするわけですか?

中原:(うん、それが)課題設定だったね。あと(有効な方法)は、例えば今日こういう場に「ちょっと怪しい場なんだけど来てみない?」と誘ってみる。でも、もし連れて来てくださったら「あ、こんなんでいいのかな」みたいに思うわけですよ。絶対、(学びの)最初のきっかけだよね。

安斎:そうか、そうか。じゃあある種、殻に閉じこもって、もしかしたらちょっとふてくされているかもしれない人たちを引っ張り出して、「強制越境」させちゃうという。

中原:そう、そう。だから僕、今日、息子たちを連れて来たの(笑)。

安斎:最前列でね。

中原:「息子たちには、あ、こんなふうに世界って広いんだな」ということを知ってほしい。

安斎:すばらしい。なるほど、大人も学んでいるんだなみたいな。

中原:学んでいるんだなとか、いろんな人がいるんだなとか。この世には、受験や偏差値という物差しだけじゃなくて、いろんな物差しが世の中にあるんだな、いろんな人がいて、いろんなことをしているんだな、と気づいてほしいわけ。

安斎:学習目標を直接メッセージングしているけど大丈夫ですか(笑)。なるほどね。

中原:いや、社会って物差しはたくさんあるからさ。

学びに興味がない人を強制的に引き込む

安斎:確かに。いやでも僕、Learning barのスタッフを学生の時にやっていたという話をしたと思うんですけど。その時、すごくうまいなと思ったのは、けっこう「2人組奨励でLearning barに連れて来い」と(参加者たちに)言っていた。「中原先生、おもろ!」と思っている(人事)担当者の方が、そうでもない上司の人を連れて来たりとか(笑)。

中原:連れて来ていたね。

安斎:けっこう一緒に参加するのをすごく奨励していましたよね。

中原:奨励していたし、「今みなさんがいらっしゃる学びの場を出た後に飲みに行け!」ぐらいの感覚でした。これで何組結婚したと思う?

(会場笑)

安斎:ええ……そんな副産物があったんですか(笑)。

中原:5組人ぐらい。これね、学びが目的なのか何が目的なのかよくわかんないんだけど。

安斎:まぁまぁ……(笑)。

中原:でも良き学びの場には必ずご縁はついて来ると。

安斎:まぁまぁ、そうですよね。それはよく言われますよね。めちゃくちゃいいワークショップは(カップルが)できてしまうみたいなこと、言いますよね(笑)。

中原:できてしまう(笑)。でもそれが目的じゃないからね……(笑)。

安斎:ないですね。そうすると、確かにちょっと問題があるかもしれない。でも、そういう言い訳を作ってあげるのも大事ですよね。

中原:そう!

安斎:「なんか2人組で参加するイベントなんですけど……」とか、「行かなきゃいけないみたい……」なところに引っ張り出して、「じゃあ、しょうがねぇから行くか」みたいな感じに引きずり出すという。

中原:だから最初は、「しょうがないから」でもいいんじゃない? 「引きずり出す」でもいいんじゃない?

安斎:なるほどね。

中原:変わるよ。

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