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学びをやめない“冒険的”キャリア論 【中原淳×安斎勇樹W刊行記念イベント】(全6記事)

本を読むのが苦手な人のための「インプット」の秘訣 安斎勇樹氏が実践する習慣術 [1/2]

【3行要約】
・学習を継続できる人には「共習する」「ゆるく続ける」など5つの共通行動があります。
・中原淳氏と安斎勇樹氏は、アウトプットを先行させることでインプットが加速すると提言します。
・学びを続けるには、自分の得意な学び行動を活かしながら工夫することも重要です。

前回の記事はこちら

学び行動のセルフチェック

井上佐保子氏(以下、井上):はい。ということで、ここからははらたろう(SIMOKITA COLLEGE 原田遼太郎)さんにお願いして、ワークショップをしていただきます。

原田遼太郎氏(以下、原田):はい。この本(『学びをやめない生き方入門』)を土台にしてワークをしながら、この場にインタラクティブに参加していただけたらなと思っています。

みなさんが来場したタイミングでお配りした、この自己紹介のカードを使って、今回の学び本の学び行動を考えていくようなワークをしたいと思っています。

まず最初に、この表が自己紹介カードとした場合に、後ろのこの「学び行動のセルフチェック」。これは書籍の中にも書いてあるものですね。この合計点数を見ながら、自分の得意な学び行動と苦手な学び行動をみなさんで考えてみて、それを共有するような時間を取れたらなと思っています。

書き方を簡単にお話しします。まずは、この各項目に対して5点満点で1~5の点数を単純に付けてみてください。その合計点数が一番大きいものを得意な学び、一番小さいものを苦手な学びとして、この自己紹介カードの3段目と4段目に記入していただけたらと思っています。

1段目は呼ばれたい名前、2段目は「みなさんが今、何をされている方なんですか?」ということを記入していただければと思います。同率だった場合は、自分がよりピンと来るほうを記入していただければと思います。参考までに最初にモデレーターがやってみました。「学び結ぶ」が一番、苦手な学び行動が「ミーハーする」で、まさかの一緒だったんですけど。

みなさんの点数とか、得意・不得意もぜひお聞きできたらなと思っております。では自分の学び行動を振り返りながら記入する時間を取っていただけたらと思います。みなさんよろしくお願いします。

(各自回答をカードに記入)

「ゆるく続ける」「ミーハーする」自分の学びを振り返るワーク

中原淳氏(以下、中原):みなさん、どうもありがとうございました。これを見ればわかるよね。「①共習する」というのは共に学ぶということで、1人で孤独に学ぶんじゃなくて、周囲を巻き込みながら学べているかどうか。

「②ゆるく続ける」はハードルが低くていいんだけれども、コツコツ学んでいるかどうかということです。これは「5つの行動」と書いてありますけれども、ビジネスで成果を上げながらちゃんと学べている人には、どんな行動があるかを概念化したんですよね。

あと「③ミーハーする」ね。例えば生成AIとか、新しいテクノロジーを知った時に「飛びつく」とか言うと、ネガティブなイメージを受けるじゃない? でも「まずは使ってみよう」とすぐに使ってみることを「ミーハーする」と呼んでいます。

「④逆境する」というのは、試行錯誤の中で学んでいるかということですね。逆に言うと、試行錯誤の中から学ぶためにはfail well。つまり失敗してもwellな状態がなきゃダメだよね。まぁ、昨今の流行り言葉で言えば、心理的安全性があるか・ないかということですね。

「⑤学び結ぶ」というのは、自分の学んだことを学んで、学んで、学んで、記憶して「はい、終わり」じゃなくて。実践とか、誰かに伝えているかとか、そういうことが書いてあります。

こういうことをやっている人が、成果が出ているという話になっているんだけど。これ、ちなみに安斎くんは、セルフチェック的にはどうでした? 

安斎勇樹氏(以下、安斎):僕は、(点数を)付けていったら「あれ? 俺、これ満点になっちゃうんじゃね?」って。

(会場笑)

安斎:でも「ミーハーする」が意外に低く出ました。

中原:あ、マジで!? 俺も満点になるんじゃないかと思ったら、満点だったわ(笑)。

安斎:満点(笑)。

(会場笑)

中原:え、なんで「ミーハーする」がダメなの?

安斎:なんだろう。いや、生成AIとかもどっぷり使っているんですけど、めちゃくちゃ使っている人が頭にチラついて。それで4とかを付けて、「eラーニングとか、しないし」と思って、1にしました。

中原:なるほど。なんかちょっと自己評価が低くない?

安斎:他の「共習」(の合計点)が20、「ゆるく続ける」が20、「ミーハーする」が14。

中原:あ、そうなんだ。

安斎:「逆境」が「嫌だなぁ」という気持ちで17になって、「学び結ぶ」は20でした。

中原:なるほど、OK。ありがとう。じゃあこの「ミーハーする」と「逆境する」が「嫌だな」って感じなんだね。

安斎:うーん、そうですね。なんかもう放っておいても逆境がやってくるから、抑えたいという。

中原:あぁ、そっか。なるほどね。放っておいても「常に俺は逆境だ」と。

安斎:やめてほしい。面倒くさいというか。

学んだことを隠しておくか、共有するか

中原:了解です。みなさん、どうでしたかね? 別に何がいいというわけじゃないんだけれども。これで自分の学びをセルフチェックするということで付けてもらったのかなと思います。

井上:ちゃんとこのトピックスを用意したんですよ。「お二人がついやってしまう偏愛行動・学び行動は?」。お二人は「学び強者」「学びのトップアスリートたち」かと思いますので。どんな学び行動を、ついやってしまうのか。

安斎:でも僕はこの5つの行動を本で読んだ時に、自己認識は「ミーハーと逆境は、めちゃくちゃやっているなぁ」と思っていたんですよ。逆に「共習とかは興味ないわ」と思っていたんですけど。いざ付けてみると、「当たり前のものとしてけっこう共習をやっているんだな」という。

中原:あー、なんか当たり前化しちゃってる。

安斎:そうですね。だから逆に、いざアセスメントすると低く出るやつに興味が向いていたのかもと(笑)。

中原:僕も昔、みんなで研究会などをやって論文とかを読んで、そこで作ったレジュメをWebページに上げるというのをずっとやっていたんですよ。今なら誰でもやっているかもしれないね。今だったら論文を読んでnoteを書く人は死ぬほど多いと思うんだけれども。それを25年前からやっていたわけですよ。

その時に、よく言われていたのがさ、「中原、バカだな」と。「自分が学んだものだから隠しておけばいいじゃないか」「それをなんで公開するんだ?」「損だよね」と言われたんだけれども。僕は「逆」じゃないかなと思っていました。

何か学んだものをみんなにシェアしたほうが、たぶんみんなもハッピーだし、結局声をかけてもらえるから、「何か良いことが起こるんじゃないかな」と思っていて。それを当たり前にやっていたわけですよ。だから「共習する」みたいなものは、僕にとっては当たり前という感じはするよね。

安斎氏が「ほぼ毎日アウトプット」を続ける理由

安斎:うーん、なるほど。でも、ブログをめっちゃ書かれているじゃないですか。本当に僕が出会った時からブログを書いていますが、どのぐらいのペースで書いているんですか?

中原:今はそんなにたくさん書いていないんだけれども。昔は必ず毎日1個は書いてたよね。

安斎:そこはすごく、僕は影響を受けているかもしれないです。結局、あのペースで小さなアウトプットを積み重ねているから、中原先生はめちゃくちゃたくさん本を書いたり、いろんなテーマが舞い込んで来たりしているんだろうなと思っていて。だから僕も今ほぼ毎日「Voicy」という音声プラットフォームでしゃべっているんですけど。ああいう(ふうに)、ほぼ毎日アウトプットしたほうがインプットが回って、ゆるく続けられるんだというのは、けっこう影響を受けているなと思います。

©︎Kosuke Kiguch

一方で気をつけないといけないなと思うのは、中原先生は過去のやつも全部消していないから、僕1回すごくたどったことがあって。なんかもう、めちゃくちゃピッチャーで一気飲みしている写真とかもブログに上げていて(笑)。

中原:(笑)。

(会場笑)

安斎:ディフェンスしたほうがいい(笑)。

中原:マジで? ヤバい(笑)。

安斎:(笑)。「そこは気をつけないとなぁ」というのは、背中を見て学んでいたんですけど。

中原:なるほど!

安斎:それに気をつければ、ゆるく続けられる。

中原:非常にありがたいご指摘だね。

安斎:(笑)。

中原:今日からちょっと探してみようかな。

(会場笑)

安斎:そう。プライベートを全出ししているから(笑)。

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