ハードル低く「毎日続ける」ことが大事
中原:(笑)。いやいや、本当に……。でもブログとかをやっていてすごく思うのはね、この「ゆるく続ける」にけっこう近いと思うんですけども。「明日はやらないでおこうかな」とか、「明後日はやらないでおこうかな」と思うと、けっこう続かなくて。どんなショボいネタでもいいから、毎日ちょっとでもいいから書く。ハードルを下げていったほうが、すごく続くなぁと僕は思いますね。
安斎:うん。そうですよね。だから僕も「絶対にVoicyで毎日しゃべる」と決めてから、その前提で世の中を見るようになったので(笑)。
中原:そのとおりだよね。ネタ探して生きるでしょ? だって発信しなきゃならないからね。
安斎:はい。だから今日(のイベントについて)もたぶん2本分ぐらいしゃべると思います。
(会場笑)
中原:あ、ここでのことを(笑)?
安斎:はい。
中原:あぁ、そうか。なるほどね。楽しみ。あと偏愛してしまう行動って何かある?
井上:読むほうとかは、どうですか? 仕事をしていると、お二人とも、やはりすごい読書量だなと思って。
中原:本を読んでいるの?
安斎:いや、ぜんぜん読んでないです。
中原:あら、そうなの?
安斎:僕はそれをマジで隠しながら生きています。たぶん本当にみなさんのほうが読んでいると思いますよ。僕は本を読むのが本当に苦手。もう大学院生の頃から「解決できない」と思って諦めました。
強制的に「アウトプット」の機会をつくる
中原:そうしたら、情報を収集するのはどうしているの?
安斎:いやぁ、もう強制的にアウトプットする。アウトプットする時に、例えば軍事的世界観のことを批判する本を書くとなったら、経営学史とかを調べないとヤバいじゃないですか。だからそうやって作るものの手段に位置づけちゃうというか。だから本を読むことを目的にできる人ってすごいなと思っています。
中原:あぁ、なるほど。
安斎:手段化するのと、かつ経営学史なんか自分で調べられないので。これも近畿大学の山縣(正幸)さんという人にレクチャーしてもらったりして。かつそれを自社の「CULTIBASE」というコンテンツの動画で公開しているので。(ネットで)調べると、そのままレクチャーの動画が見られるんですけど。「あれとこれとそれに全部効くよなぁ」という機会を作って、間接的にインプットするみたいな。
中原:あぁ、なるほどね。でもそれも1つの知恵かもね。全部自分で1人で学ばなくても、誰か本当に詳しい人がいれば聞けばいいし。あぁ、それで言うと僕の研究室に博士の学生さんがおられるんだけど、「博士の学生さんがいなくなった時に、俺詰むな」と思っていて。
(会場笑)
安斎:(笑)。あぁ、はいはい。
中原:本当にそうなのよ。博士の学生さんがいろいろ探究して最新のことを仕入れてくれて、俺も一緒に学ばせていただいている感じでやっているんですよね。「指導教員というけど、一番得しているのは俺じゃないかな?」と思っちゃう。「いいのか? これで」って。
安斎:そうしないと無理ですよね。
中原:無理だね。
安斎:やはり結局この「ミーハーする」が大事だなと思うんです。年々、自力での興味関心の主体的な広げ力が下がっているなと。
中原:年齢が上がると、下がっていくね。
安斎:そう思っています。例えば後輩の池田めぐみさんと
『チームレジリエンス 困難と不確実性に強いチームのつくり方』という本を2024年に書きました。これも、放っておいたら僕はレジリエンスには絶対に自分で興味を持たないし。
(会場笑)
安斎:調べないし、読まないので。それで彼女がめちゃくちゃ詳しいから、一緒に本を書いて。一緒に本を書くというプロジェクトの中で彼女にめちゃくちゃ教わる。その代わり、良い本にするところは僕がお手伝いするみたいな感じでやるので。そういう他人のアウトプットに関与しないとインプットできなくなっている感じはしますね。
中原:なるほど。そこは似たところを感じるね。
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