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指導が監視になっていませんか? 次世代リーダーを育てる!ティーチングとコーチングの使い分け(全2記事)

“部下の性格を見極める質問”とタイプ別の育成戦略 次世代リーダーを育てるティーチングとコーチングの使い分け [2/2]

ティーチングの5ステップとOK例・NG例

では、具体的なやり方の部分をお伝えできればなと思っています。まずはティーチングですが、5ステップあります。基本的には(スライドの図の)上から下へいくものです。

まずは目的を明確にして、全体像を示す。手順を簡潔に伝えていく。そして具体例の提示、最後に理解したか理解していないかを確認する。だいたいこの5つのステップが求められます。詳細な部分についてお伝えをしますと、例えば(スライド)上のバツが引かれているのはNG例です。

「このプロジェクトは先週の会議で決まったように、予算配分を考慮しながら、昨年の反省点も踏まえつつ、各部署の意見も取り入れて進めていくことになった。まず最初に……」というのは、目的も明確でなかったり全体像も提示できていないのでバツですね。

(OK例は)「このプロジェクトの目的は顧客満足度を向上させることです」「全体は企画、制作、展開の3フェーズで進めていきます」「まず初週で企画書を作成し、2週目に関係部署と調整します」。

そして具体例の提示で、「イメージは前回のプロジェクトのようなアプローチがいいなと思っています。具体的にはこんな資料を想定しています」。次に理解度の確認で、「ここまでで質問だとか、全体の流れは理解できましたか?」。こうして5つに分解してみると、教え方も変わってくると思うんですよね。

なのでティーチングで教える時は、この5つが入っているかどうかということは、共通でしっかりと持っておいたほうがいいと思っております。なのでOK例の赤字の部分は、ぜひ押さえていただけるとありがたいなと思っています。

特に目的の明確化、あとは指示者側が端的に整理できているのか。共通の認識を持っていかないといけないので、専門用語を押さえながら話すことができているか。そして、説明後に支持された側が要点を説明できるか。このあたりが要チェックポイントかなと思っています。

コーチングを行う際は「否定的な意見」は極力控える

一方でコーチングの場合なんですけれども、これも上から下ですね。状況確認、気づきを促す、選択肢を広げる。あとは行動計画と、それに対してやりきれるかどうかを確認するコミットメント。だいたいはこの5つの流れです。

基本的にコーチングする時には、否定的な意見は使わないほうがいいとよく言われていますので、「なぜそんなやり方をしたの? 絶対に○○の方法でやったほうがよかったよね? かなり結果が出たと思うけど、どう思う?」などと、冒頭から頭ごなしに否定しないほうがいいです。

もちろん指摘をしないといけない瞬間はありますので、指摘した上で考えさせることはあります。ただ、冒頭から否定的な感じでいきすぎると、そのあとに相手から出てくる言葉が全部取り繕う反省で出てくることが多い。なので、言葉のチョイスの仕方はけっこう注意が必要です。言い方然りですね。

状況確認、気づきを促す、選択肢の拡大、行動計画、コミットメントの例で言いますと、「じゃあ今回その選択をして、これでやってみようかなと思った理由を教えてもらっていいですか?」と状況を確認する。

「ちなみにこれ、もっと良い方法ってあるんじゃないかな?」とか「もっと違う手法を取っていたらミスも防げたんじゃないかなと思うんですが、どんな選択肢が考えられましたか?」と気づきを促す。

「じゃあ最も効果があった、ポイントになりそうな部分ってどこだと思いますか?」「次に今回の反省を活かして、さらに良くするためには何が必要ですか?」「じゃあそれっていつまでに、どのタイミングでやりますか?」というようなかたちですね。

思考プロセスを分解するための状況確認、どんな選択肢があるのか、ほかの選択肢はなかったかというので視野を拡大させる。じゃあ何がポイントだったのか、例えばうまくいった部分は何が良かったのかということで、本人の強みだとか工夫を言語化していく。

あとは「さらに良くするために次はどうしていけばいいか?」というところを質問することによって、自律的改善を促す。だいたいこの5つがポイントとしてあります。状況によっても変わっていきますので、コーチングの状況別のアプローチ例だとか、次世代リーダー育成のための7つのステップもまとめております。


また、今日から使えるチェックリストも用意させていただいております。リーダー研修でもこの内容はけっこう使えるのかなと思っていますので、ぜひWebセミナーの資料を見返したりしていただけると、会社内の育成の仕組み作りを行っていく上で使えるのかなと思っております。

今後のWebセミナーでは、次世代リーダー育成のための7つのステップとか、より深掘りした状況別のアプローチ例も(紹介)できればなと思っています。今回の説明の中では省かせていただきますが、資料をご確認いただいたり、今後の深めのWebセミナーに参加いただけるとありがたいなと思っています。

次世代リーダー育成で重要な3つのカギ

(困った時の)Q&Aも用意させていただいております。「忙しくて時間が取れません」「部下の意欲が低い……」「モチベーション下がってますよ」「そもそも使い分けが難しいです」とか、いろんな質問があると思っていますので、このあたりもご参考いただければなと思っています。

部下の成長を促していくという観点で言うと、弊社もモチベーションマネジメントでいろんなものを研修のコンテンツ化していたり、いろんな本を社内で回覧しながら読んでいたりもするんですが、指導の中で重要なのはやはりこの3つなんじゃないかなと思っています。

まず1つが、給与・待遇ではなく働きがいを認識させる。特に専門職の企業さまですと、「業界の特性上、待遇が良いところにどんどん行きやすいんですよね」とか、そこを言い訳にしてしまって対策を打てていないケースもすごくあります。

ただ、よくよく考えてみると、長く働いている方は「なんだかんだこの会社が好きだから」とか「この会社でしか経験できないのではないかと感じることがある」とか、そういった部分で定着をしていったりします。

こういった働きがいを感じられているからこそ、長く続いているという方が多くいらっしゃると思います。働きがいは特にコーチングを通じて認識させることができるのかなと思っていますので、働きがいを認識させましょう。

あとは、仕事での成長を実感させる。できなかったことができるようになった瞬間を本人に気づかせて、認めてあげる。あとは相談できる環境を作っていく。大きくはこの3つのポイントが、次世代リーダーを育成していく、中間の空洞化を防いでいく、離職を予防していくというところでは必要になってくるのかなと思っています。

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