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指示待ち管理職にうんざりしたら見るセミナー~自律自走を引き出す4つの実践法~(全2記事)

新任管理職が「指示待ち」になる2つの理由 “行動する管理職”へ導く実践ポイント

【3行要約】
・「指示待ち管理職」の増加が企業の競争力低下や若手人材の離職につながる問題として注目されています。
・管理職昇進時に役割が明文化されず、マネジメント教育も不足しているため、責任と知識の両面で課題を抱える管理職が増加中です。
・企業は中期経営計画と連動した役割定義の更新と、具体的な行動指針・決裁権限の明示で管理職の自律性を育成すべきです。

新任プレイングマネージャーの「プレイヤー寄り」傾向に悩む経営層

宮地尚貴氏:本日は大きく4つのテーマです。1つ目は「指示待ち管理職が多い理由は何か」。2つ目は「どうやって行動改善を促すか」。ここを悩まれている方が多いと思います。そこで、「すぐにできる4つの実践」と「その際に重要なこと」。この4つを予定しています。

振り返ってみて、御社の管理職に次のような特徴はありませんか。トップダウンや指示待ちが目立ち、ボトムアップがない。自分たちから改善提案を出す動きがない。ルーティン業務の消化ばかりで、目の前のことで手いっぱいになっている。長期施策を自ら考えて打ち出さない。5年後、10年後を見据えて動けていない。

プレイヤーは基本的に目の前の業務を推進することが軸になります。多くの管理職がプレイングマネージャーであるため、プレイヤー寄りになりすぎているという経営層の悩みは非常に多いのが実情です。

この状態が続くと、まず問題になるのはトップダウン待ちです。現場を理解している管理職から改善提案が上がってこないため、置いてけぼりになってしまう。

競合は日々変化し、営業戦略、製造の戦略、技術的な改善など、さまざまな取り組みを進めています。その中で経営層だけで戦っていくのには限界があるため、会社として成長が見込みづらくなってしまうのです。

もう1つ、ルーティン業務の消化ばかりが続くと、これも同様に、業務改善や生産性向上につながらなくなります。特に現場を最も理解しているのはプレイングマネージャーの方々です。もっとこうすれば効率が上がる」「ここを見直したほうがいい」といった改善の芽が止まってしまうのは、非常にもったいないことです。

自律的な管理職が多い職場は活性化し人材も定着しやすくなる

3つ目として、長期施策を打ち出さないと若手が育ちません。若年層の退職にもつながる要因です。昨今では「優秀な人材が辞めてしまう」という声が多く聞かれますが、その理由の多くは「この会社に長くいても成長できないのではないか」という不安です。

特に入社3年から5年ほどの時期はキャリアを見直すタイミングです。「このままでいいのか」と悩む中で、ライフステージの変化も重なり、仕事がマンネリ化していると離職につながります。

裏を返せば、管理職が変化を受け入れられる組織は現場も活性化し、人材が定着しやすくなっています。実際、そうした企業では人の循環が良くなり、組織全体が前向きに動く傾向があります。

そして最後が「5年後、10年後を見据えて動けていない」という点です。これは経営者にとって非常に悩ましい部分です。管理職の一部が経営者の視点に立たなければ、社長の考えや方針が現場に伝わりません。

社長が独りで戦略を描いても、実行の責任者は管理職です。「社長が言っているからやる」と他人事にしてしまえば、経営層の負担は減りません。本日は、こうした課題を改善するための具体的な取り組みをお伝えできればと思います。

新任管理職が「指示待ち」になる2つの理由

では次に、「なぜ指示待ち管理職が多いのか」という点についてお話しします。もちろん、すべての方がそうというわけではありませんが、一般的に大きく2つの理由があります。

1つ目は、責任と役割を十分に理解していないことです。管理職に昇進した際、「自分で考えて動いてほしい」と期待されているものの、会社側から「何を求めているのか」が明文化されていないケースが多いのです。そのため、人数が増えるほど“なんとなくの管理職”が生まれてしまいます。

実際、多くの企業とお話しする中でうかがうのが、「管理職に上がったが、やることは以前とあまり変わらない」「後輩を指導していたし、売上目標を少し上げてがんばればいいんでしょう」といった声です。つまり、求められていることを理解しないまま昇進している状況が多いのです。

新任マネージャーが「物足りない」と映る背景とよくある構造的要因

2つ目は、プレイヤーとしての実績はあるものの、マネジメントの知識が乏しいことです。これまで教わってこなかった、あるいは自力でなんとかしてきたため、マネジメントのやり方を体系的に学ぶ機会がない。その結果、放任や属人的な指導になり、再現性がないという課題が生まれています。

データで見ても、教育を受けずに管理職になる人は非常に多いです。多くの企業では新入社員に対してOJTを軸に教育を行いますが、管理職にはそれがありません。例えば「初めての業務をメンターが支援する」という仕組みは新人には必ずありますが、「初めてのマネジメント」に対して同様のOJTを行っている企業はほとんどありません。

「管理職になったから任せます」と放任してしまうケースが多く、当人も「どうしたらいいのか」と迷ったまま、これまでの延長で仕事を進めてしまう。結果として経営層からは「物足りない」と感じられる状況が生まれます。

もちろん、中には立場が変わることで視座が上がり、試行錯誤しながら成果を出す方もいます。しかし全員がそうではありません。立場が変わっても、会社からの期待や行動指針が明示されなければ動けない人も多くいます。

今の時代は情報があふれており、会社として仕組みを整えなければ、管理職ですら離脱してしまうリスクがあります。したがって、会社側にも一定の整備が求められていると感じています。

ジョブディスクリプションを作ったのに運用できていない企業の課題

では次に、思考を変え、行動を促すためのポイントについてです。まず必要になるのは、先ほどお伝えした「責任」と「役割」、つまりあるべき姿の明確化です。行動を変えるためには、まず概念的な土台をしっかり固めることが重要です。

その代表的な手段が「職務記述書(ジョブディスクリプション)」です。職務定義書、役割定義書、等級表など、呼び方は企業によってさまざまですが、目的は共通しています。

すでに整備されている企業も多いと思いますが、「運用できていない」ケースが非常に多いのが現状です。例えば、「20年前に作ったまま更新されていない」「形だけあって実際には使われていない」といった話をよくうかがいます。それではせっかくの仕組みが機能しておらず、もったいない状態です。定期的にブラッシュアップしていくことが必要だと思います。

よく言われるのは、職務記述書を中期経営計画の見直しとセットで更新するという方法です。会社には中長期の目標があり、その達成のために各階層に何を求めるかを明文化したものが職務記述書です。

したがって、経営方針を策定するタイミング、3年、5年、あるいは7年ごとなどで見直すことが理想です。その際、管理職に求める役割を役職ごとに具体的に書き込み、更新することが重要です。

役割定義を“伝わる行動例”に落とし込む工夫

さらに、作って終わりではなく、「どう発信し、どう運用するか」までを考える必要があります。経営層が明確に発信し、可能であれば管理職が多い組織では説明会などを通じて共有する。

ここで、代表的な「求められる行動」の例があると、より伝わりやすくなります。役割定義書などを展開する際には、例えば「適切な経営戦略の策定にあたり、外部・内部環境を正確に分析する」「市場トレンドを予測し、先行的な戦略立案を行う」「全社の営業目標・計画を立案する」「営業目標の達成に向けて、再現性のある具体策を設定する」といった立派な言葉が並ぶことが多いと思います。

ただし、こうした文言をそのまま掲げるだけでは意味が伝わりづらい。ですので、「この文章が意味するところは具体的に何か」という部分を、事例を交えて共有していくことが重要です。

そうでないと、現場の管理職は「目の前の仕事が忙しいから」「とりあえず売上を上げればいいんでしょ」といった発想にとどまってしまいがちです。したがって、行動の具体例まで示して展開していく必要があります。

また、役職ごとの差異を明確にすることも大切です。例えば「権限の範囲」や「予算の決裁基準」などを明示することです。「何円以上の予算はどの役職が決裁を取るのか」「どの領域の事項はどの役職以降が決裁するのか」といったエスカレーションのプロセスを整理しておくことで、判断基準や責任の所在が明確になります。

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