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「管理職の罰ゲーム化」からの脱却 ~マネジメントを“分かち合う”新常識~(全5記事)

管理職の負担は複数人に分散する 海外事例に見るマネジメントシェアリングという選択肢

【3行要約】
・「管理職の罰ゲーム化」の風潮がある中、複数人でマネジメントを分担する「マネジメントシェアリング」が注目されています。
・ジェイフィールの重光氏によると、マネジメントシェアリングには「ツインズ型」と「アイランド型」の2つの形態があり、各々に特徴があります。
・後半では研究チームが「MSを通じて生み出される新しい価値」をテーマに調査結果を発表し、その効果を探ります。

一人で抱え込まない、新しいマネジメントのかたち

北村祐三氏(以下、北村):それではお時間になりましたので、これからマネジメントシェアリング研究会の第1期研究会のご報告ということで、ウェビナーを始めさせていただきます。

研究会のメンバーは後ほどご紹介がありますけれども、ここからは私、ジェイフィールの北村と重光の2人で司会進行していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

重光直之氏(以下、重光):よろしくお願いします。

北村:マネジメントシェアリングという言葉を聞き慣れない方もいらっしゃるかと思います。なので最初に少しマネジメントシェアリングの話をさせていただいて、「なんでこの研究会をやったのか?」をお伝えします。

その上で、3チームにわかれた研究会のメンバーから発表していただきたいと思います。

発表のテーマは、チームAが「日本版MS(マネジメントシェアリング)の可能性と提言」。チームBが「MSを通じて生み出される新しい価値とは?」。チームCが「MS導入ポイントの探求」。というテーマで3チームに研究していただきました。最後に少しまとめをして終了となります。

それではさっそくですけども、まず「マネジメントシェアリング研究会とは」ということからスタートしていきます。

では、ここから重光が説明していきますのでよろしくお願いします。

オランダでは校長先生が2人いる学校も

重光:マネジメントシェアリングっていう言葉自体、初めて聞かれる方がいらっしゃるかもわかりませんが、マネジメントを複数の人でシェアする、複数の人でマネジメントしていくという概念です。

なぜこんなことに取り組もうと思ったのかというと、今日のセミナーのタイトルにもありましたけども、やはり今、「マネージャーの罰ゲーム化」ということがすごく言われています。非常に多くのことが1人のマネージャーにのしかかっているんです。

現在の多くの企業では、それに対する対策は、「マネージャーは、それに対応できるだけ強化をしよう」という強化策一辺倒です。それをなんとか軽くすることはできないだろうかと思ってスタートしました。

うちのメンバーがオランダに行った時に、(オランダの学校では)2人の校長先生が重責を担っているというお話を聞きました。その時に「何かできるんじゃないか?」と直感的に思いました。ただ、どうすればいいかわからないので、我々が懇意にしている会社にちょっとお声掛けをして研究していきました。

マネジメントシェアリングという言葉をちょっとだけご説明させていただきたいと思います。

次のページなんですけれども、(スライドの)左下の表に「ツインズ型」「アイランド型」とあります。「ツインズ型」とはまさに「双子」というか、2人で1つのマネジメントや役職の全機能を担っていくかたちです。

(スライドの)右側に写真が2つあります。上は、BMWのHRの責任者を2人の女性で行っているものです。ヨーロッパではわりと多いんですけども、1つの職務を2人で担当する。ジョブシェアリングというかタイムシェアということです。

Netflixなどの海外企業に見る実施例

重光:特に女性の場合がわりと多いんですけども、ライフステージの都合で、時間的にフルタイムがなかなかできない時があります。その時に2人でマネジメントすることによって、ちゃんと(業務を)カバーできるし、自分のマネージャーとしてのキャリアも中断されません。

その下には「共同CEO」とあります。これは、例えば有名なグローバル企業で言うとNetflixは、今2人の共同CEOでやっています。これはさすがに「月曜日、火曜日」と「水曜日、木曜日、金曜日」でわけるんじゃなくて、フルタイムで2人のCEOが経営をしている。2人で行うことによってマネジメントの質がそれだけ上がるということですね。

そんなことをやっているケースがあるのがツインズ型の2つのパターンです。

(スライドの表の)下に「アイランド型」とあります。これはわりと日本で先行事例として多いのは、例えば「人のことを見るマネージャー」「業務のことを見るマネージャー」みたいに、機能でわけるというものです。この場合はフルタイムで、その担当分野については全責任をその人が負わないといけないんですけども。こんな形態があるかなと思っています。

こんなことを、いろんな文献調査やインタビューをして研究してきました。

次のページですね。2025年1月からスタートして、途中でゲストの方のヒアリングも入れて、7回プラス1回で、全部で8回の研究会を行ってきました。(以上が、)第1期の研究会の概要と、それからマネジメントシェアリングにどんなパターンがあるのかのご説明でした。

MSを通じて生み出される新しい価値とは?

重光:じゃあ、さっそくみなさんからの発表にいきたいと思います。北村さん、お願いします。

北村:ありがとうございます。先ほどテーマについてお伝えしましたけども、これから、チームA、チームB、チームCの3チームに発表していただきます。

発表の順番は、チームBが少し概念的な研究をされていたので、チームBから始まって、(その次に)チームAが「これからの提案」みたいなかたちになります。その後、実践して研究をしてきたチームCの順番で発表していっていただこうかなと思っています。

ではさっそく研究会メンバーによるチーム発表に移っていきたいと思います。最初はチームBの「MSを通じて生み出される新しい価値とは?」ということで、萱岡さん、高橋さん、田中さん、野崎さん、野平さん、水戸さんの6名の方に発表いただきたいなと思います。

では、チームB、「チームIKI WAKU」のみなさん、よろしくお願いいたします。

重光:よろしくお願いします。

話者1:よろしくお願いします。みなさんこんにちは。あらためましてチームB、「チームIKI WAKU」の発表を始めさせていただきます。メンバーは今ご紹介がありましたが、高橋さん、田中さん、野平さん、水戸さん、野崎、本日欠席の萱岡さんで構成されております。よろしくお願いします。

まずチームIKI WAKUのリサーチクエスチョンですが、「マネジメントシェアリングを通じて、生み出される新しい価値とは何か?」です。

メンバーの声を出発点に、誰もがイキイキ・ワクワク働き、いつでも挑戦できる会社・地域であり続けたいという思いから、こちらのリサーチクエスチョンが誕生しました。

この問いに対して、最初にチームとして「価値の循環プロセスを通じて、アップデートされた価値と新たに発見する価値」という仮説を立てました。抽象的な表現ではありますが、ここに至るまでにチーム内で対話に次ぐ対話を積み重ねてきました。そこが私たちの出発点となり、この仮説にたどり着きました。

ここで重要なポイントとしましては、「マネジメントシェアリングはマネージャーがラクをするためではなく、マネージャー自身がイキイキ・ワクワク働き、価値を生み出すためのアプローチである」という前提に立ちました。

半年にわたる調査と議論を実施

話者1:次のスライドにいきます。研究を進めるに当たりまして、まず全員でイメージを共有するために対話を重ねました。その中で生まれたのが、(スライドの)価値の循環プロセスという図です。

(価値を生み出す接点は、)個人、組織、会社、社会、それぞれが起点になり得る。新しい価値の発見だけではなく、既存の価値を再発見することも多いのではないか。そうした気づきを対話の中で発見し、こちらのモデルにたどり着きました。

次のスライドにいきます。さらに、アップデートされた価値と、新たに発見する価値につきまして、個人の価値、組織の価値、会社の価値、それぞれの切り口からどのような価値があるのかを、解像度を上げるために議論してまいりました。

それぞれに考えられる価値は記載のとおりとなっております。チーム内で仮説をどう具体化し、どう検証していくのか。そのための対話を重ねてまいりました。

次のスライドにいきます。先ほども少し、「研究会が何回も行われてきた」というお話もありましたが、こちらも含めますとチームIKI WAKUとしましては、この半年で延べ65時間、15回にわたり議論・対話を重ねてまいりました。

MSによって心理的余裕が生まれる

話者1:強みを活かした役割分担を中心に活動を進めていく中で、仮説検証のためにアンケートやインタビューも実施しました。そしてやはり、このご時世ですのでAIにも協力を求めました。

けれども、やはりAIのまとめはそれっぽいんですが、それだけでは、私たちチームIKI WAKUらしさが足りないということで立ち止まり、再び対話を選びました。やはりこちらは心理的安全性と信頼関係があったからこそできた選択だと認識しております。

次のスライドは、アンケートの結果を、先ほどお伝えした個人の価値、組織の価値、会社の価値にわけて、どういった価値が想定されるかをAIにまとめてもらったものです。こちらは参考情報としてご覧いただければなと思っております。

次に、こちらのスライドもインタビュー結果を先ほどと同様にそれぞれに想定される価値が何かをAIにまとめてもらいましたが、やはりこちらも参考程度となっております。検証は参考程度にとどめまして、私たちはそこからの対話を重視してまいりました。

こちらのスライドなんですけれども、私たちの対話を表したものをちょっと作成してみました。先ほどのアンケートとインタビューは(経営チームがマネジメントシェアリングを実施している)ジェイフィールさんに協力いただきました。ここで田中さん、野平さん、水戸さんに、そのインタビューとアンケート、その後のチームIKI WAKUでの対話を通じて感じたことをお話しいただこうと思います。

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