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職場を上手にモチベートする科学的方法~無理なくやる気を引き出せる26のスキル~(全8記事)

「仕事、楽しくない」を否定しない “つらさ”を認めて整えるポジティブ心理学 [2/2]

負荷を減らし山をならす

太田:別の質問を読み上げます。「今の職場は、12人のチームで比較的心理的安全性の高いチームです」。とてもすばらしいですね。「みなさんとても士気も高くて、『もっともっと高みを目指したい』という状況なんですが、繁忙期になると一気に疲弊してギスギスしちゃう」と。これはよくありますよね。やる気に燃えて、文化祭状態、あるいは体育祭状態で「ウォー!」っていくんですが、途中のほうでへばっちゃって、お互い相手のミスを指摘し出したりなど、ギクシャクしてしまう。

こうした高低差が悪影響を及ぼすこともあるのですが、高低差をなくすためにチーム運営として、テクニック、Tips、あるいはアドバイスみたいなものが、もしお二人の中にあればぜひいただきたいと思います。

若杉:その一番本質的な問題は、やはり仕事の負荷なんですよね。仕事の負荷が高まると、燃え尽き症候群に直結します。燃え尽き症候群の一番のインパクトファクターは、仕事の負担です。なので、繁忙期が入ってくるのであれば、やはり仕事の負担を減らすというのが王道のやり方です。要は、その時だけリソースを増やすということです。そこをまず考えるというのが、基本的な王道パターンですね。ど真ん中ですよ(笑)。

それから、「ピークを平準化できないかという発想はないか?」ですね。ピークになっちゃうから大変なので、ピークをなくせばいいんですよ。例えばクリスマス商戦のケーキ。あれ、今からコツコツ作っていますよね。それで凍らせているわけです。12月に慌てて作っていないんですよね。コツコツ、コツコツ、冷凍をして、ボンッと出すわけです。そういうふうにして、仕事を平準化しようとしているわけですね。

これが2つ目に考えるべき根本的な話です。要は仕事のリソースと、仕事の負担のバランスをきちん取っていくための抜本的な策を取る。これを取った上でも難しいのであれば、ぜひこの本を読んでいただきたいと思います。


“自作肩書き”で誇りをつくる

若杉:その1つに、自分自身の肩書きを自分で考えてもらうというのがあります。例えば秘書の方で、笑顔を振りまいている方は「笑顔のエバンジェリスト」とか(笑)。こういう、自分で自分が好きだと思う仕事のパーツを肩書きにしちゃうんです。これはちょっとお遊びのように聞こえるんですが、これでけっこう仕事の疲弊感が緩和するんです。

先ほどの、レンズを変えるの部分にあたるんですけども。要は自分の仕事に誇りを持てるんですよね。疲れている時に自分の仕事に誇りを持てると、がんばれるんですよね。どうですか? みなさん! 自分の仕事に誇りを持てたら、むしろ大変なこともがんばれますよね。自分で自分の肩書きを決めてもらうことで、それを引き出してあげるということです。

なので、まずは王道作戦を取っていただく。それでも難しければ、レンズを変えるという追加の施策を組み合わせて、乗り越えていただきたいなと心から願っています。

太田:これはまさに本書を書こうと思ったきっかけの1つでもあります。チームで仕事をうまく回そうとした時は、人を増やすか、仕事を減らすかのだいたい2択ですよね。ただ現実的には難しいじゃないですか。仕事はどんどん増えてくるし、人もぜんぜん増えない。そうした時に、個人のリソースをどう増やしていくのか。

つまり今回のウェルビーイングの話になるんですが、レンズを変えるというところで認知を変えて、その人が持っているリソースを増やす。リソースというのは物理的なものだけじゃなくて、身体的な資本とか、精神的な資本とか、その人たちの資本です。これを上げることによって、なんとか打開できないかという問題意識で本書を書きました。

先ほどいただいたご質問は、まさに本書がお役立ちできる1つのポイントじゃないかなと、あらためて感じました。

「試しにやってみる」で十分

太田:最後に1問、お二人に、それぞれお答えいただいて、この場を締めていきたいと思います。「チームビルディングの初期にこそ、この本書が機能するんじゃないかなと読み始めた」と。そこはとても良さそうだと感じていただいていたみたいなんですが。

一方で「今のチームの温度を変えたいと思う時に、明日から『チームウェルビーイングを高めましょう!』と言っても、まぁ周囲は驚くし、足並みも揃わないんじゃないかと感じた」ということです。「こういう状況の中で、しっかりとこの大切さを伝えようとした時に、どういうふうに伝えればいいのか。あるいは伝え方以外でも何かテクニックみたいなものがあれば、ぜひ教えてください」という、ご質問です。

米良:チームビルディングであったり、チームのウェルビーイングを高める施策をする時にということですかね?

太田:そうですね。いきなり言われても「まずウェルビーイングって?」って、多くの方が思いますよね。今日来ていただいている方は、おそらく感度の高い方だと思うので、ウェルビーイングと言われたら「大事だよね」と思っていただけると思うのですが。まぁ、ほとんどの方がその大切さに気づいていないし。「ウェルビーイング……。なんか新しい横文字が流行りだしたよ」と思ってしまっている状況だと思うんです。

その中で、あらためてチームウェルビーイングの大切さを伝える時に、何を意識したらいいのか。どういうコミュニケーションを取ったらいいのか。あるいは、すぐにアクションを取って、効果実感を得ていただくために、どんなことをすればいいのか。

米良:僕だったら「どっちに転んでもラッキー作戦」を取りたいので「本で読んだんだよね!」とか「教えてもらったんだよね」と言うと思います。それでうまくいってチームが改善したら、それはそれでいいじゃないですか。万が一、チームがうまくいかなかったとしても、学びになるし、かつ「この上司はチームを良くしようとしてくれているんだ」というメッセージが伝わるじゃないですか。

なので私だったら、どっちに転んでもいいように「これ、勉強してきたんだよね。ちょっとやってみていいかしら?」という感じで伝えるかなと思いました。


「良い行動」を1人3つ、毎日記録

太田:まずはやってみてから考えようと。それで失敗したり、うまくいかなくても学びになるよというので、基本的には前のめりで進んでいると受け取りました。若杉さんはいかがでしょうか?

若杉:100パーセント賛成ですね。それでも「どうかな?」と、戸惑う人向けのアクションとしては、まず明日から、各チームメンバーの具体的な良い行動を1日3つずつ書いてください。5人配下にいれば、1日15個。1週間(笑)。15×5、いくつですか?

太田:75。

若杉:75! 75個のリストを来週作るというのを1つ目標にしてみてください。75個リストがあったら、絶対何か言いたくなります。思いが迸ります。まず75個のリストを、コツコツと作ってください。それで、その中で「あ、これはやはり伝えたい!」「ありがたかった!」「すごかった!」というものを伝えていけばいいんじゃないかなと思います。

太田:じゃあ私からも、とっておきのテクニックを最後に伝えておきたいと思います。この本を買って渡してください。これが一番だと思います(笑)。実は、私の今の会社のチームメンバーが、なんと一人で3冊買ってくれたんです。それで周囲のそうした方にプレゼントしてくださったんですよ。

本をプレゼントされるとうれしいですよね。しかも、この本はチームウェルビーイング本なんですけど、チームウェルビーイングを感じさせないタイトルになっているんです。『職場を上手にモチベートする科学的方法』というかたちで、科学的に職場でも使えそうだと感じさせるようにけっこう工夫したんです。

いろいろな候補があったのですが、どんな方でも受け止めやすいように、考えました。ぜひ、チームウェルビーイングに対して理解がないチームがいたら、買ってください。それでうまくいったら、それはそれでいいと思いますし、うまくいかなかったら私まで書籍代を請求してください(笑)。

この書籍を渡すというのも1つ。宣伝も兼ねて、ぜひ使っていただければなと思います。明日から使えるテクニックがこの本にたくさん込められていると思いますので、みなさんぜひ小さなことを1つずつ積み上げていって、幸せになってください。

みなさんで一緒に幸せになっていきましょう。会場に来ていただいた方、そしてオンラインでご参加された方、数多く来ていただきまして、本当にありがとうございます。引き続きみなさんと一緒に良いチームを、良い組織を作っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

(会場拍手)

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