お知らせ
お知らせ
CLOSE

職場を上手にモチベートする科学的方法~無理なくやる気を引き出せる26のスキル~(全8記事)

経験・勘・度胸に頼らない「チームの空気感」設計 科学で実装するウェルビーイング

【3行要約】
・チームのウェルビーイングを高める科学的手法が注目されていますが、多くの リーダーは「リソースがない」「時間がない」と悩んでいます。
・グロービス経営大学院教員による新刊では、「レンズを変える」「環境を 変える」「人を変える」という3つのアプローチが紹介されています。
・「わくわくしてきた」と唱えるなど、予算や制度がなくても実践できる 方法で、チームの空気を変え、メンバーの自発性を引き出しましょう。

著書のテーマは「チームのウェルビーイング」

米良克美氏(以下、米良):こんばんは。グロービス経営大学院教員の米良です。みなさま、本日はお忙しい中、ご参加賜りまして誠にありがとうございます。著者を代表して最初にご挨拶をさせていただきたいと思っています。

本書は、チームのウェルビーイングがテーマとなっています。チームの体温を上げるということで、もうすでにお読みになった方は、どれぐらいいますか?

(会場挙手)

米良:ありがとうございます。ぜひ、読んだ感想も踏まえて、後ほどのパネルディスカッションの中で質疑応答も受けたいと思っています。この本は、(完成までに)けっこう時間がかかっています。構想に2年。チームのウェルビーイングを上げるための3つのアプローチを主に書いています。

詳細は講演のパートでカバーしますが、レンズを変える、環境を変える、人を変える。その具体的な26のアプローチをご紹介しています。

チームの温度感、空気感を良くするための方法論としては、これまで経営者や現場のマネージャーのKKD(経験・勘・度胸)みたいな、実践で培ったものをまとめた書籍が多かったのですが、今回はできるだけ科学的な裏付けに基づいたものにしようと思って、書いています。

みなさんに少しでも役に立っていただけるよう、今日の会も最後までお付き合いいただければうれしいです。それでは、本の中身のご紹介ということで、著者の1人である若杉さんからご講演をいただきたいと思っています。お願いします。

「さわやかな春の高原」をチーム内に作る

若杉忠弘氏(以下、若杉):みなさんこんばんは。若杉です。よろしくお願いします。グロービス経営大学院の教員をやっておりまして、本書は4人で執筆をしました。

職場を上手にモチベートする科学的方法 ー無理なくやる気を引き出せる26のスキルー』。この本に書いてあるのは「チームのウェルビーイングを高めよう」という、先ほど米良さんが言ったことです。これを提案しています。

チームリーダーのみなさん、現場で奮闘するみなさん、「リソースがない」「時間がない」「業績が出せない」「負担がますます増える」「業務が降りてくる」「マネジメントもしなければいけない」。みなさん日々大変ですよね。そうですよね? いろいろな解決策が提案されてますが、チームのウェルビーイングを高めるという解決策をぜひみなさんに試していただきたい。

少しイメージしてください。これから9月、10月、11月、12月、1月と、季節が深まると、寒くなりますね。朝起きた時、寒い。体がかじかんでいます。どんな気分がしますか? みなさんイメージしてください。あまり動きたくないですよね。布団から出たくないですよね。そんな感じがしませんか? 



さぁ、次です。場面が変わり、さわやかな春の高原。みなさん、ここに出向いていることを想像してください。空気がさわやかですね。暑くもなく、寒くもなく、どんな気分がしますか? みんな、顔が微笑んでいますね(笑)。ありがとうございます。誰にも言われなくても、歩きたくなりますよね。スキップなんかもしてしまいますよね。



鼻歌も口ずさんでしまったり、ちょっと困っている人(がいたら)助けたり。こういうことですね。こんな季節、春の高原。実はチームのウェルビーイングを高めるというのは、まさにこの「さわやかな春の高原」をチーム内に作ることなんですよ。体温を調えていくわけです。上げていくわけです。



そうするとどうなるかというと、チームのメンバーが自発的に動き出すわけですよ。助け合い、率先垂範してくれるわけですよ。(スライドを示して)この環境、この状況を作っているということです。でも多くのチームは、寒い冬になっている。そうするとリーダーは大変です。「ああしろ」「こうしろ」と、1つずつ指示を出していかなきゃいけない。リーダーに負荷が寄っていってしまうんですね。

(スライドを示して)一方で、右側。春の高原を作っていくことによって、リーダー自身が楽になっていく。そしてみんな活き活きと働ける。こういうことなんですね。

予算や制度がなくてもウェルビーイングは高められる

若杉:でも、「いや、うちのチームには、それすらやる予算も、時間も、リソースもありません」と思った方もいるかもしれません。いますか? けっこう頷いてますね(笑)。

よく「ウェルビーイングを高める」というと、制度を変えなきゃいけない、予算を投下しなければいけない、いろいろなプログラムをやらなければいけない、大がかりな研修をやらなければいけない(と思われます)。もちろんそれも大事です。でも「違う方法論もたくさんありますよ」ということを、この本では提案していきたいと思うんですね。



じゃあ、さっそくやってみましょう! 1個目。「大きなイベントを目前に、チームメンバーのみんなが緊張しています」。大きなカンファレンスの企画かもしれない、運営かもしれない。大きな商談を取りにいく大事なミーティングかもしれない。チームのみんなが緊張しています。みなさん、チームリーダーだったらメンバーに、何と声をかけますか。



この本で紹介する方法は、簡単です。「わくわくしよう!」「わくわくしてきた」。こういうふうに、みんなで唱える。多くのリーダーは「落ち着いて」とか「焦るな!」って言いますよ。これは、意外と効かないです。

緊張している人に「落ち着け」と言って、みなさんは効いたことがありますか? 自分が緊張している時に、自分に「落ち着け」と言って、うまくいったことがありますか? だいたいうまくいかないんですよね。これ、(感情に)逆らっているのでうまくいかないんですよ。そうではなくて、「わくわくしてきたね」と言えばいいんです。


合言葉は「わくわくしてきた」

若杉:実は、この「わくわくしてきた」ことと、緊張していることは、生理的な反応は一緒なんですよ。心拍数が上がっていますよね? ドキドキしていますよね? 冷や汗をかきますよね? わくわくした時もそうなるんですよ。ドキドキして、心拍数が上がってくるんです。なのでそれを「わくわくしてきた」と一緒に唱えるということです。じゃあ、ちょっとみなさんも一緒にやってみましょうか。はい(笑)。オンラインのみなさんも、部屋で大声を出せるようであれば、ぜひ唱えていただきたいんです。

いきますよ? 僕の後に言ってくださいね。「わくわくしてきた」。せーの!

会場:わくわくしてきた。

若杉:もう1回いきましょうかね。「わくわくしてきた!」。せーの!

会場:わくわくしてきた!

若杉:今、どんな気分がしますか? なんかいい感じがしますね! どうですか? ちょっと雰囲気が高まりましたね。温まりましたね。これをチームで円陣を組んでやればいいんですよ。これはアスリートがやっていることですよね。野球選手やサッカー選手もやっていますよね? 試合前の緊張した時に、円陣を組んでみんなで大声を出していませんか?

科学が裏づける“わくわく”効果

若杉:それをやればいいんですよ。この効果は、けっこう侮れません。このフレーズが人を前向きにし、成果を高めます。いろいろな研究があるんです。例えばカラオケ。任天堂のカラオケソフトがありますが、歌う前に「わくわくしてきた」と言うと、カラオケの点数が69点から81点に上昇。すごくないですか(笑)!? 

プレゼン。これも、専門家に評価をしてもらいます。「わくわくしてきた」と言うチームと、「わくわくしてきた」と言わないチームに分けて比較すると、「わくわくしてきた」と言ったほうが説得力・能力・自信の評価が向上するということです。第三者に評価してもらったら、プレゼン能力が上がるということがわかりました。

IQテスト。「わくわくしてきた」と言った人のほうが、なんと点数が24パーセント良かったということです。これらはすべて、きちんとした心理学の研究から引用をしています。実はこういう方法論が今世の中ではたくさん学術的に研究されているし、知っている人は、やっているんですよ。それをぜひみなさんにも多く知っていただきたいなと思います。



ウェルビーイングというのは、ある意味個人と組織のツボを刺激しにいくことです。体にもツボってありますよね。そこを押すとレバレッジが効く。体のいろいろなところが刺激されて、体が整ってくるということですが、組織と個人にもそういうツボがあります。

まさにウェルビーイングというのは、そのツボを刺激していくことによって、みんなをハッピーにし、かつ業績を出していくということです。


※本記事にはAmazonアソシエイトのリンクを含みます。記事内のリンクから商品を購入されると、当サイトに収益が発生する場合があります。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
スピーカーフォローや記事のブックマークなど、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

すでに会員の方はこちらからログイン

または

名刺アプリ「Eightをご利用中の方は
こちらを読み込むだけで、すぐに記事が読めます!

スマホで読み込んで
ログインまたは登録作業をスキップ

名刺アプリ「Eight」をご利用中の方は

デジタル名刺で
ログインまたは会員登録

ボタンをタップするだけで

すぐに記事が読めます!

関連タグ:

この記事のスピーカー

同じログの記事

この記事をブックマークすると、同じログの新着記事をマイページでお知らせします

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

人気の記事

    新着イベント

      ログミーBusinessに
      記事掲載しませんか?

      イベント・インタビュー・対談 etc.

      “編集しない編集”で、
      スピーカーの「意図をそのまま」お届け!