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数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
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前野:私たちが幸福学(Well-Being Study)でお伝えしているのは、こちらの1枚にまとまっています。「地位財型」の幸せ、長続きしない幸せを目指すものではないんですが、どうしても私たちは、目に見える一番わかりやすいこちらの幸せに引っ張られてしまいます。でも、なぜ幸せじゃないのか。それは、他人と比べられる財だからです。

一方、「非地位財」型の幸せということで、長続きする幸せというのは、私たち自身にしかないものや、安心・安全な環境、そして健康な体、身体に基づくものがありますが、心的要因に関する私たちが研究した結果を、この下にあります4つの因子でご紹介したいと思います。
こちらは「やってみよう」「ありがとう」「なんとかなる」「ありのままに」と4つありますが、これを覚えていただいて、ぜひ自分の心をコントロールし、いい状態に持っていくために使っていただきたいと思います。

学術的には「自己実現と成長」。強みや主体性ですね。やらされ感で仕事をしているのではなくて、ワクワクしながら自分で主体的に関わっていけているか。そして、その中で成長を感じられるか。この「成長を感じられるか」ということが、とても幸福度と強い相関があります。
やはり私たちは、成長を感じられた時にドーパミンも出ますし、フロー状態に入ってワクワクしながらわーっとやる。これが大事なんですが、一方でそれだと、バーンアウトしてしまうことがあるんですね。フロー状態に入ってそこに気づけない、自分が疲れていることに気づけなかったりするんです。
前野:2番目の「つながりと感謝(ありがとう因子)」は、オキシトシンやセロトニンが出てくる因子です。優しい気持ちになったり、温泉に浸かったり、人と対話をしたり、いろいろなことに感謝したり。そうしますと、オキシトシンとセロトニン、脳内ホルモンや幸せホルモンが出てきます。ですから、ドーパミンとオキシトシンとセロトニンのバランスを取っていただきたいんです。
よく企業で従業員満足度の調査をした時には、仕事に対しては別に不満はないのに、幸福度を測ると実は低いという方がいらっしゃって、「なぜなんだろう?」と。「成長を感じられない」というところにポイントがあるのではないかと、私は思っております。
やはり、今ある仕事に満足してしまって、卒なくこなし、仕事が終わってプライベートが充実している。でも、なんとなく何かが足りない。それはやはり、仕事における成長だと思うんですね。仕事というのは、成長を感じられるすばらしい場であって、これを活かさない手はないと思っています。
そして、「前向きと楽観(なんとかる因子)」ですね。ここは自己受容の因子で、自分のいいところも悪いところも含めて、自分のことを好きである、受容しているということが、チャレンジできる原動力になりますから、ここもとても大事です。
前野:そして最後、「独立と自分らしさ(ありのままに因子)」ですね。自分らしくいる、自分の基軸がしっかりしている、人と比べないことがとても大事になってきます。
ふだんは忘れていてもいいんですが、自分が何かにつまずいた時、この4つの指標を思い出していただいて、自分自身を捉え直していただく。部下からの相談なども、この4因子で捉え直してお答えしていただけると(いいかと思います)。これは幸福度が向上するという研究結果に基づいておりますので、ぜひみなさん、うまく使っていただけたらと思います。
「ありがとう因子」が関係性の質で、あとは個人のあり方なので、これを企業で使っていただく場合には、まずは「ありがとう因子」を整えてから、他の3つをやっていただきたいと思います。
整えずに「ありのままに因子」だけを磨いていくと、わがままな状態になってしまいます。「自分らしい」というのは決してわがままなことではありません。第2因子と第4因子をセットにするとわがままにはなりませんから、安心していただけたらと思います。
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