メンバー・部下に本音で向き合い、人を動かす“令和版鬼軍曹的リーダー”の育て方(全8記事)
時間は減らして成果は伸ばす “量より質”で組み直す人材育成設計図
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【3行要約】・努力と時間をかければ成果が出ると信じられているが、実際は非効率な練習で伸び悩むケースが多発――そんな問題がスポーツや企業研修で見られます。
・EAST WINDの田中氏は、各分野の専門家による指導とチームビルディングに注力することで、「圧倒的な変化があっという間に起きる」ブレイクスルーを体験。
・リーダーは迎合し過ぎず、メンバーの成長に必要な専門的スキルを適切に伝授し、効率的な人材育成を実現することが重要です。
前回の記事はこちら 専門家とチームビルディングへの投資
小澤郷司氏(以下、小澤):どうなんですかね。最近のEAST WINDの練習をSNSなどで拝見していると、けっこう昔よりチームで行う練習量が増えているんじゃないかなと思ったりするんですが、その点はいかがですか?
田中正人氏(以下、田中):そうですね。これもケースバイケースですが、時間的には昔より減っています。
小澤:あっ、そうなんですね。
田中:物理的な時間は減っています。ただ質はすごく高まっているかなと思います。
小澤:へぇ。その質の部分を少しおうかがいしたいんですけど、どんな点で?
田中:そうですね。昔は、とにかく量をこなしていた(笑)。
小澤:(笑)。
田中:とにかく努力と忍耐だけで長い時間やり続けるみたいな。でも、最近はもっと効率良く(するために)、やはりまず専門家から指導を受けるようにしています。
マウンテンバイクはマウンテンバイクのスペシャリストの人から指導を受けます。カヤックはやはりカヤックのスペシャリストの人から指導を受けます。あとは、トレーナーの人に体の動きをきちんと見てもらってレクチャーを受けたりします。そうやって的を射た努力をするようにしていますね。
あとはチームトレーニングというわけじゃないんだけど、チームビルディングの取り組みにすごく時間を(使っています)。だからフィジカルなトレーニング時間はちょっと減っているけど、チームビルディングの時間がめちゃくちゃ増えていますね。
専門家コーチで一気にブレイクスルー
小澤:それは興味深いですね。僕から2点聞きたいことがあります。まずは、そういった専門家からしっかりとした密度の濃いトレーニングを受ける(ことにしたのは)、メンバーの方からの意見だったのか、田中さんの意見だったのか。これはいかがですか?
田中:これは両方ですかね。僕(たちは今まで)は散々時間をかけてやっていたけど、特にテクニカル的な(面の)伸びが(課題で)、やはり指導を受ける(ことにしました)。
でも、長くやっていた分だけ指導を受けた時の物わかりはすごく良かったかなとは思います。だから、時間をかけてやったことは無駄ではなかったなとは思いますが、「今まで何をやっていたんだろう?」って思うぐらいの圧倒的な変化があっという間に起きるんです(笑)。
小澤:(笑)。なるほど。
田中:あと、自分ではできているつもりが、見てもらったらできていなかったということがあったので、やはり見てもらったほうが断然いいですね。
あとは、別の面なんですけど、チームの活動の資金的にちょっと余裕が出てきたんですね。
小澤:そうなんですね。
田中:おかげさまで、ありがたいことにお金もきちんとかけて指導を受けられる体制に徐々になってきたので。
小澤:すばらしいです。オリンピックや世界陸上の日本代表選手のトレーニングには、1人に対して年間で最低2、3,000万円は普通にかかると言われています。
やはり日本のトッププロチームとして1人3,000万円×4人。もしチームに8人所属しているんだったら、それくらい資金があればめちゃくちゃ強いチームになりそうですね(笑)。
田中:そうですね(笑)。
現場に効くスキル伝承の設計
小澤:なるほど。トレーニングの質とお金もけっこうつながっています。企業活動に(置き)換えると、「長く働くのがいいんだ」と言って、ゴリゴリ時間をかけて努力している人もいるかもしれません。
けれども、もしかしたら先輩の適切な指導をもとにやれば、もう少しそこを効率的にスキルアップできる可能性があるというお話だったのかなと思っています。
工場とかで(新人に対して)なかなか強く言えなくなっている(ために)なかなか技術習得もできず事故が多いというお話を聞くと先ほどお話ししました。そこはやはり専門家である諸先輩方から適切に、内容的にしっかりと正しいトレーニングを受ければ早く技術習得もして、けがや労災事故が減っていくことにもつながるのかなと思います。
なので、迎合型リーダーとして迎合し過ぎるわけではなく、適切にメンバーの方を育てるために必要なスキルを伝授しましょうというふうに受け取りました。 続きを読むには会員登録
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