部下が成果への執着がない場合
ご質問をいただきました。「マネージャーの評価を部下の成果を指標とすることにはチャレンジしてみたいと思います。ただ、部下そのものが成果への執着がない。動かない者がいるとします。当然(部下の成長を)評価として運用しているものの、何か対策はないでしょうか?」。
あぁ、なるほど。いわゆるマネージャーとしてプレイヤーの成果と部下の成果の両軸にしているんだけれども、部下そのものが成果への執着がないと、管理職が評価されなくなっちゃうじゃないかということですよね。
これは経営者の方だったら同じ視点になると思いますが、それこそが管理職の成果だと思うんですよ。だから、部下を成果への執着がない状態にさせてしまっているのは管理職のせいだなと思わないといけないんですよね。
じゃあどうやってこの社員、部下に成果への執着を持たせるのか。執着っていう言葉がマッチしているかどうかわかりませんが、成果への責任感だとか行動量だとかを持たせていくのか。
1つ、僕には答えが明確にありまして、行動管理なんですね。これは一般社員も管理職もそうなんですが、最初は強制力を持って「これをやりなさい」って言ってやらないと駄目なんですよ。
モチベーションっていうのは内発的動機付け、自分でやろうと思ったことはすごく強くて、外部から「これ、やりなさい。がんばったらこれがあるから。対価があるから」っていう外発的動機付けはすごく弱いんですね。なので、自分がやりたいと思って動くのがもちろん最高なんです。
ただ、待っていられないですよね(笑)。待っていられないし、いつそういう状態になるかわからない。なので、ビジネスにおいては強制的に、「これはルールだからこういうことをやって」ってやらせる。
質のいい行動を取らせる。質のいい行動が取れていれば成果につながる。成果が出れば手応えがある。「もっとやりたいな」と、初めてそこで内発的動機付けが行われる。
なので目標管理、行動管理なんですよね。ここをやはり管理職は徹底していくのが、僕は非常に大事なのではないだろうかなと思っております。
答えを今一度まとめさせていただくと、部下が成果への執着がないということであれば、管理職は部下に対して行動管理、目標管理を徹底せよ。ということは、管理職は目標管理や行動管理のスキル、知識があるかないか。ここがポイントになってくるということでございます。
きちんと部下の行動管理をして、定期的な報告を受ける
最後に、最近ウェビナーの最後に重要なので毎回このお話をさせていただいているんですが、みなさんの会社に、これをぜひ作っていただきたいという僕なりのビジョン。
逆に言うと、PDCAの学校の浅井とお付き合いいただきましたら、みなさんの会社に最終的にはこれを作っていただく。これが僕のゴールなんですね。逆にこれができたら、もうウェビナーを視聴する必要はなくなるんじゃないかなと思っております。
まずはきちんと部下一人ひとりが行動管理、目標管理をして、それを元に定期的に上司に報告が上がる。好ましいのは週に1回です。お仕事的に週1回が厳しいってなったら2週間に1度です。定期的にちゃんと上がる。これについて上司は適宜フィードバック、コメント、アドバイスをするということですね。まずここのコミュニケーションをしっかりしましょう。
縦だけじゃなくて、今度は横軸。メンバー同士で「もっとこうしよう、ああしよう」と。現場ならではのノウハウがありますよね。ここを情報共有していく。このコミュニケーションを取れば取るほど、いわゆる関係構築が進みますし、組織知、いわゆる組織としての能力が高まっていくんですね。
最後にこれを言ってしまって大変申し訳ないんですが、「うちの管理職、育たないんですよね」とか「管理職が仕事しないんですよね」って言っている社長さん、経営幹部の方が、正直課長レベル(の育成)を放置しているんですよ。そんなことないですか、すみません(笑)。
たぶんこれが本質だと思うんですよね。だからもっともっと介在して、課長を育てる、部長を育てることをやはりしていく必要があります。
忙しい時こそ部下を育成するタイミング
というところで、みなさんの会社の幹部社員、中間管理職にちゃんと言いたいことが言えているかどうか。社長、役員、経営者層の代弁者になっているかどうか。それから「忙しい」という言い訳を許していないかどうか。
忙しいからこそ部下を育成するタイミング、組織を変えるタイミングなんですね。これはすごく簡単で、みなさんの会社が忙しくなくなった時の第一優先順位は何かというと、売上・利益を上げることですよね。だから部下育成とか組織改革なんて言っている余裕がなくなっちゃうんですよ。だから忙しい時こそやる必要がある。これをぜひ管理職にも伝えていただきたい。
「ちゃんとせぇ!」って言いたいんだけど言えない状況や、「忙しいからね、しょうがないよね」と許しちゃっていると、統制が取れない。ガバナンスが効かない状態になりますので、やはり管理職にもちゃんと言うべきことを言うというのは非常に重要であろうと思っております。