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“伝えるだけ”から“動かす”へ!成果を生み出す評価面談の魔法(全2記事)

評価面談の冒頭で部下に伝えておきたい事項 コミュニケーションの質にも影響する事前準備の重要性

【3行要約】
・月次評価面談が形骸化し「特にないです」で終わる状況は、多くの職場で課題となっており、部下育成の機会を逃しています。
・宮地尚貴氏によれば、近年はリモートワークの普及で上司が部下のプロセスを把握しづらくなり、成果だけで評価する傾向が強まっています。
・面談の効果を高めるには、事前準備や目的の明確化、評価制度の説明など丁寧な対応が必要であり、業務時間内のコミュニケーションの質を担保することが重要です。

前回の記事はこちら

こんな面談になっていませんか?

宮地尚貴氏:(スライドを示して)「面談でこんなかたちになっていませんか?」というのがこちらのスライドです。目標達成するために、上司としてサポートしましょう。「何かありますか?」と聞くと、「特にないです」。終わり。みたいな面談です。

前提として、距離感が遠いと「何かありますか?」と言っても「大丈夫です」しか出てきません。最初の評価面談とか、1on1の面談とかもそうなんですけども、こちら側からある程度テーマを用意して関係を築いていかないと、特に悩み相談だとか課題の抽出みたいなところは挙がってこないことが非常に多くあります。

こういった機会が続いて「いや、この人に言ってもなぁ」となってはもったいないなと思っているので、今日は残りのお時間で評価面談のスキル、「月次面談って、じゃあ何をしていくんですか?」というところをお伝えできればなと思っています。

このあたりがテーマです。ただ正直、各回によって変わってくると思うんですよね。例えば初回は1番と2番と6番、7番だけだったりとか。次の月は1番と3番と4番と6番だけだったり、月によって抽出する内容は変わってくるとは思っているので、「これを全部やらないといけないのか」と重たく思ってほしくないなと思っています。

月次評価面談は「MUST」が伝わる機会

(スライドを示して)よく一般社員の方々で勘違いしてしまうのがこちらです。「やりたいこと」とか「自分ができること」ばかりに目が行く。キャリアなんて、まさに典型例だと思うんですね。「自分は将来こうなりたいです」ということが先行しすぎて、興味あることだけが視界に入ったり。当たり前だと思うんですけども。

本当に会社から求められている「やらないといけないこと(MUST)」の項目が抜けてしまう方って、なかなか評価できないじゃないですか。自分のやりたいことばかりいって、やらないといけないところがおざなりになっている方って、評価できないと思うんですよね。

ただ、自分の役割がしっかりと伝わっていないので、そうなってしまうことが多いと思うんですよ。ですので、月次評価面談は「MUST」がしっかりと伝わる機会にもなると思ってもらえればなと思っています。

やはりある程度の準備が必要かなと思っています。初めて月次面談などをやる場合に、何の準備もなしでいっても、行き当たりばっかりになってしまう可能性がありますので、あらかじめ伝える内容を整理しておく。面談の日時・場所もこちら側から指定して、セッティングをしておく。

事前に部下にも「今月の良かった点、課題、次月に取り組むこと」を、ある程度整理してきてもらった上で参加してもらう。

準備をお互いにするとかなりスムーズにいきます。「とりあえず面談をしよう」みたいなかたちでやっても、あまりうまくいかないのかなと思っております。

面談の目的、全体の所要時間、評価の全体像の伝え方

(スライドを示して)特に雑になりがちな部分がここですね。「面談の目的、全体の所要時間、評価の全体像を伝える」。上司の方も、事前準備しないとここはしっかり伝えられないと思います。

例えばこんなかたちですね。「お疲れさまです。本日は月次の評価1on1面談の時間です。本日の内容は主に3点あります。1点目は先月の業務の振り返りの実施。2点目に今月の目標と課題について確認をすること。そして最後は評価項目Bについて話をしたいと思います。全体でだいたい30分程度を予定しています。

特に今日は、評価項目BのクライアントXの案件についての成果と、デジタルマーケティングのスキルアップについて重点的に話しますが、それ以外にもAさんが話したいトピックがあれば教えてください。では、お願いいたします」と。

事前に準備して周知した上で、「あらためて今日は何かありますか?」「あれば教えてください」と伝えていくかたちです。

(スライドを示して)ポイントといたしましては、この5つが入っているなと思っています。面談の目的が明確になっている。所要時間もしっかりと明示している。面談の内容を明確に、1点目、2点目、3点目と説明している。重点的に何を話すのか。そして「部下の話したいこともしっかり聞くんですよ」も提示できているのが良いポイントですね。

やはりどんな打ち合わせ、商談でも、目的を伝える方のほうが多いと思うんですよ。部下との会話だと、そういったところがけっこう雑になるのが非常にもったいないなと思っています。部下育成も本気で取り組むとなると、このぐらい丁寧にやられたほうが一番いいのかなと思っています。

評価の全体像の説明方法

あとは2番目、評価の全体像をどうやって伝えるのか。「本日は月次面談ということで、あらためて評価制度について話していきますね。この評価制度では、Aさんががんばった分だけ評価されるようになっています。Aさんにはもっと自己成長してもらい、周囲から認められる存在になってほしいと思っています。

今回の制度はそれを実現するために、そしてもっとAさんが仕事のやりがいを感じて能力向上につなげるための評価で、3つの軸で評価しています。1つはこれ、2はこれ、3はこれ。これらを達成することで、Aさんにとってキャリアアップにつながるし、賞与にも直接的に関わっていきます。この1年間、あらためて一緒にがんばっていきましょう」。

こういった説明を評価者の方ができますか? というところなんですね。できない場合は、そもそも評価の仕組みを評価者が理解していないので、評価上の不安・不満みたいなところがすごく挙がってくると思うんですよ。

なので、評価の全体像を管理職に説明してもらうように仕組み化していくと、濃淡がすごく出てくると思います。

全体像を共有する重要性

じゃあ評価者に対して「定期的に評価者研修をやっていこうか」とか、「評価の理解を深めていくように何かマニュアルを作っていこうか」とか、「何か評価の解説動画を作っておこう」とか、そのあたりの施策も新たに出てくると思います。

このあたりを仕組みに入れてしまって、評価者がしっかりと話せるように、会社として何か整備していくのも同時に必要かなと思っています。

ここのポイントも5つですね。評価制度の目的の明確化。軸の明確化。あとは各評価軸の意味の説明。評価とキャリアアップの関係性。サポートをするという姿勢を示す。

「全体像を共有する」というのが、特に一番やってほしいポイントではあります。

全体像を共有することで、共通認識を持てる。行き違いが起こらない。あとは面談の効率化にもつながります。部下も評価の基本理解が深まるので、ある程度「何をがんばれば」も伝わると思うんですよね。あとは、質問や意見の準備もできます。

業務時間内のコミュニケーションの質を担保する

他のウェビナーでもよくお伝えしているんですけども、「部下が育っていない」と感じている管理職の方が年々増えているというデータが他だとよく出てきていたりもします。その背景は、恐らくコロナが問題だったんじゃないかなと思っています。

コロナでリモートワークとかが少し流行ってきたと思うんですよ。それがきっかけで、上司・部下間のコミュニケーションとかが減っていると思うんですね。部下の状況を上司が把握しづらくなっている。

プロセスが見れなくなっているので、結果、成果でしか評価できていない。全員が全員、すぐに結果が出るわけではないと思いますので、結果が出ていない、結果が思わしくない、イコール「伸びてないな」という判断になってくる。

少し前だと、要はそのプロセスのところも、例えば飲み会でコミュニケーションが取れていたりと、いろいろな機会でコミュニケーションを取ることができていたと思います。そこでなんとなく部下の状況を把握できていたからこそ、部下が伸びていると思っている方も一定数いらっしゃった。

ただ、今はどちらかというと、業務時間内のコミュニケーションの質をうまく担保していかないといけないのかなと思っています。そういった取り組みの一環として、月次評価面談みたいなところはけっこう有効です。

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