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脱マイクロマネジメント! 信頼して任せる部下育成のコツ(全3記事)

部下が「ここで働きたくない」と思う“上司のNG行動”4選 離職にもつながるマイクロマネジメントの弊害とは

【3行要約】
・部下を細かく監視するマイクロマネジメントは効果的な場面もある一方で、部下の成長の阻害や離職、パフォーマンス低下を招く問題にもつながります。
・過度な指示や報告要求が部下を「作業者」にしてしまい、組織の長期的な成長を妨げることも。
・管理職は状況に応じてマイクロマネジメントを使い分け、信頼して仕事を任せる育成スタイルへの転換が求められます。

部下の仕事を細かく監視する「マイクロマネジメント」

宮地尚貴氏:では、時間になりましたので始めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。今回(のWebセミナーのテーマ)が「脱マイクロマネジメント」ということで、だいたい30分から40分ぐらいを予定しております。

「脱マイクロマネジメント! 信頼して任せる部下育成のコツ」ということで、マイクロマネジメントという言語の解説と、具体的にどんな行動がマイクロマネジメントにあたるのか、どんな育成の方法がおすすめなのか。このあたりをお伝えできればなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

では、さっそく始めさせていただきます。あらためまして、PDCAの学校の宮地と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。では、内容に関してなのですが、まずは「マイクロマネジメントとは何なのか?」。そして「マイクロマネジメントの何が問題なのか?」。それから「任せたつもり」が起きる職場の実態について。

あとは、「信頼して任せるマネジメントの実践ポイント」や「明日からできる行動」というところで、極力「すぐに実践できる」をテーマにしながらWebセミナーを進めることができればなと思っております。

じゃあ、まずは「マイクロマネジメントという言葉は何なのか?」というところからお伝えできればなと思っております。「ミクロマネジメント」とも言われていたりするのですが、上司が部下の仕事を細かく監視・監督することで管理しようとするマネジメント手法のことです。

マイクロマネジメントを行う上司というのは、部下の仕事に過度に干渉する傾向があります。なので、やり方についても「このやり方じゃないとダメだ!」といったように、業務上のプロセスにすごく干渉するケースのことがマイクロマネジメントと呼ばれております。

マイクロマネジメントそのものが問題というよりは、場合によってはやり方が誤っているケースもあり得ることがございます。ただ逆に、もちろんマイクロマネジメントが機能する瞬間もあるんですよね。

なので、どういう行動が問題なのか、どういう時に(マイクロマネジメントが)機能してくるのか。このあたりの棲み分けを含めて、しっかりとお伝えできればなと思っております。

マイクロマネジメントの典型的な問題パターン4選

日常の中で上司が細かく細かく介在しすぎると、やはり部下が考えなくなるんですね。チャレンジしようとしなくなるとか、正解を探そうとしすぎるようになったりと、場合によってはいろんな弊害が起こってしまいます。なので、マイクロマネジメントの典型的な問題パターン4つについてお伝えできればなと思っています。

まず1つ目が「過度な指示・介入」ですね。必要以上に細かく指示を出して、常に自分の指示どおり実行させようとしていく。「この流れどおりに進めてくれ!」みたいな感じですね。プロセス一つひとつに、「この階段を踏み外してはダメだ」とか「なんでこのやり方をしないんだ」というような介入の仕方をします。

もしかしたら業務内容によっては、「ゴールがある程度合っていればやり方は個人の工夫でいい」という瞬間もあると思うんですが、プロセス一つひとつに介入をしようとしすぎることで、部下が「作業者」になってしまいます。

2つ目は「過剰な報告要求」ですね。「あれ、どうなった?」「今、何しているの?」とか頻繁に確認をすることで、細かな進捗報告を何度も求めてくる。3つ目は「部下の判断を許さない」。「まずは自分に確認をして」「勝手に進めないで」と、部下の意思決定を認めずに、すべての判断を上司が行うようにする。

そして4つ目は「過度な失敗防止」です。失敗防止行動として、ミスを極端に恐れて「ちょっと見せて。そのやり方だと失敗するから」と、常に先回りをして口出しや手出しをしていく。だいたいこの4つが当てはまります。これは塩梅がすごく難しくはあるんですけれども、「過度」というのが1つポイントなのかなと思っています。

過度な報告要求、過度な指示・介入、過度な失敗防止行動。これらが常識の範疇を超えるといいますか、やりすぎになってしまうと、場合によってはハラスメントみたいなものにもつながっていってしまったりします。「ここで働きたくない」と部下に思われるとか、自主性がなくなるとか、いろんなところで弊害が起こります。

進捗確認もせずに仕事を丸投げするのはNG

ただ、やはり使い分けも一部はできる必要があるのかなと思っておりますので、(マイクロマネジメントが)OKな場合とNGな場合があると思うんですね。

特に、新入社員や未経験者に対してマイクロマネジメントが使われるシーンが比較的多いと思うんですよね。なので、未経験の最初の業務内容については、むしろマイクロでいったほうがいいと思うんです。作業の手順を一つひとつ確認して、「あれは大丈夫そう?」と、定期的なチェックや品質確認を行っていく。

NG行動といたしましては、一切の判断機会を与えない。これを新入社員の段階からやってしまうと、やはり考えなくなってしまい、受け身を助長することになってしまいます。

ですので、「この手順どおりにやってみよう。その中でここは考えてほしい」とか「ここで迷ったら、どういうふうに進めていくのかを自分なりに考えて報告をしてほしいんだ」というように、考える機会の提供はあえてやっていかないといけないのかなと思っています。「手順どおりやっていって」というかたちにしてしまうと、作業者の育成になってしまいますので要注意です。

もう1つが、ミスが許されない業務や高精度が求められる業務。こういった時に確認体制がまったくない状態で任せる、イコール放置みたいなことにしてしまうのはNGだなと思います。

なので、むしろしっかりとチェックリストを作って段階的に確認をしていくとか、例えば先方にメールを送る前には必ず事前の確認を義務化していく。このあたりの重要な業務の前は、(上司の確認が)どうしても必要になってくるのかなと思ってます。

あとは緊急時の対応ですね。「クレームが来た」とか、そういった時は明確な指示と頻繁な状況確認をしていく必要があると思います。

部下の成長を阻害する“上司のNG行動”

新入社員や未経験者への指導、ミスが許されない業務や難易度がかなり高い業務、あとは緊急時の対応においては、マイクロマネジメントによる過度な介入はどうしても一定必要になってくるシーンがあります。ただ、NGな場面といいますか、マイクロマネジメントそのものが効果的ではない場面がまた3つ存在いたします。

1つ目が、経験豊富な社員に対する指導。2つ目が、ある程度本人のアイデアとかクリエイティブ性みたいなものが求められる仕事。3つ目が、部下・チームの成長を促進させていきたい場面。そういった時には、マイクロマネジメントが機能してこないところがございます。

例えば経験豊富な社員に対する指導で、本人の考えとか今までの経験を無視して、こちら側の考えだけを一方的に提示していくとか。あとは、ある程度のクリエイティブ性や自発性が求められる業務において、スケジュールやアプローチを考える余白なしで、細かく何度も介在してしまうと、仕事の意義とかやりがいを感じにくくなってしまう。

あとは、部下・チームの成長を促進させていきたい場面についてです。誰でも失敗の経験ってどうしても出てくるのかなとは思います。なので小さな失敗だとか、「自分のやり方とはちょっと違うけれども、これは失敗ではないんじゃないか?」というものは容認する。

よくあるのが、「自分のやり方とは違う=間違い・失敗」とみなすことです。自分のやり方とは違うものを間違い・失敗とみなすことによって、部下の成長を阻害することってすごくよくあります。

なので、どこまでの失敗は許容できるのか、どこまでの「違う」は許容できるのかというところは、管理職の中である程度の目星をつけていかないといけない。「何でもかんでも言えばいい」ということになってしまいますので、ここは要注意かなと思っております。

マイクロマネジメント型の管理は離職につながる

マイクロマネジメントそのものは、人、業務、状況を問わず、管理職のやり方を伝承していくようなかたちになるので、もしかしたら安定した成果につながるかもしれないです。ただ一方で、その管理職の人がいないと成り立たないチーム状態を作ってしまうことにもなります。

なので、「じゃあ、5年後、10年後を見据えた時にどうなのか?」みたいなところで言うと疑問がすごく残ってしまうので、次世代リーダー育成という観点では(マイクロマネジメントを)控えたほうがいい場面がかなり多くあるのかなと思っています。

実際に、マイクロマネジメント型の管理の下では「部下の辞職が多い」とか「パフォーマンスが低い」というのが、データとしても出ているんですね。パーソルさんの研究結果なんですが、「マネジメントの方法としてマイクロマネジメントをやっているか・やっていないか?」ということを調査していたんです。

部下の離職率で言うと1ポイント違いますね。そして、個人のパフォーマンスも下がっているし、組織のパフォーマンスも下がっている。なので会社として、「いかに自発性を促す職場作りをしていくか」というところでは、マイクロマネジメントという考え方は押さえておいたほうがいいポイントなのかなと思っております。

マイクロマネジメントをやっていくと、表面上は部下が指示どおり動くとか、統制が取れるとか、業務への取り組み姿勢が若干上がっているように見えます。ただ実際は、本来は不要な社内調整に時間がかかってしまったり、影で「あれもこれも言われて大変なんだよ!」と不満や批判を口にするようになって、統制が利いているようで利いていない、みたいなことが起きてしまっています。

なので、結果的にその管理職がいないと成り立たない職場になってしまいますので、能動的に動いている部下が育たない。イコール、組織パフォーマンスが低下していく。

それでストレスと不満が蓄積をして離職につながったり、人間関係が破綻してしまうと、「ハラスメントだ!」といった問題も別で浮上してしまう可能性があります。なので、要は使い分けが重要なのかなと思っています。

使い分けに関しては、「こういう時には効果的」「こういう時には効果的ではない」というのも先ほどの図にまとめさせていただいておりますので、少しでもご参考にしていただければなと思っています。

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