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「リーダー1年目のマネジメント大全」刊行一周年トークイベント ~「優れたリーダー」を大解剖する夜~(全4記事)

600人規模プロジェクトを支えたPMの問題解決力 火種を未然に防ぐ論理思考の磨き方

【3行要約】
・木部智之氏は、プロジェクト管理そのものは教科書どおりに計画と管理を行えば難しくないと述べ、真に難しいのは問題を早く察知して未然に防ぐことだと強調しました。
・同氏は、問題解決力は読書と実践を何度も往復することで鍛えられると説明し、ロジカルシンキングの実装には継続的な試行が欠かせないと語りました。
・現場で得た知見を言語化して書籍にまとめる理由を述べ、次世代のリーダーを育てながら自らの経験を構造化して伝承していく姿勢を示しました。

前回の記事はこちら

“管理”は簡単、難しいのは“問題の早期察知と未然防止”

松尾美里氏(以下、松尾):そうだったんですね。想像を絶する大変さがあったのではないかなと思います。600人とか、多くの方を束ねていって、要件どおり遂行していく中で「こういう力が大事だ」とか「こういう能力が必要だ」というものがもしあれば、知りたいなと思いますが、どうですか。

木部智之氏(以下、木部):プロマネですか。逆張った話をすると、プロジェクト管理って、超簡単なんですよ。

松尾:えぇ~、逆説的ですか?

木部:こういうことに携わっている方は、『PMBOK』というのを聞いたことがあると思います。プロジェクト管理の教科書があるんですね。

それが何を言っているかというと、「プロジェクトを計画して管理せよ」と言っているだけなんですよ。「スケジュール計画立てたり、要員計画立てたりして、それがきちんといっているか管理しなさい」と言っているだけなんですよ。簡単なんですよ。

何が難しいかといったら、プロジェクトって絶対なにかが起きるんですよ。仕事も一緒ですけど、絶対になにかが起きるんですよ。その起きたものをいかに早く検知して、もしくは起きる前に検知して、それを潰す。これが難しいんです。

これって、プロジェクト管理じゃなくてどちらかというと問題解決力とか論理思考力だったりします。あとはリーダーシップだとか、人と人とのコミュニケーションとか、そういうのが必要になるかなと思います。

ロジカルシンキング力は“読む→実践→挫折→また読む”で磨く

松尾:問題解決能力はどうやって磨かれたんですか?

木部:めっちゃ勉強してましたよ。若い頃にはロジカルシンキングの本を読みまくりました。読みまくっても実務では難しくてぜんぜんできなかったです。ロジカルシンキングって書いていることは超簡単なんですよ。でもそれを実践するのは超難しいです。あとは、通信講座でロジカルシンキングの講座を取ったりしていました。

松尾:本とか通信講座からの学びと、実践なんですね。やはりそういう自己研鑽が大事なんですね。

木部:そうだとは思います。こう見えても真面目に勉強しているので。ちょっとこんがり焼けてますけど(笑)。

(一同笑)

現場の知見を言語化し、次世代に引き継ぐ

松尾:おもしろい(笑)。そうでしたか。そんな大変なところを乗り越えて、今はリーダーシップとかマネジメントにつく方々に対して助けになるような本を書かれているのかなと思います。

私自身も、本当に少人数ですが、マネージャーを何年間かやっていている中で、マネジメントは大変だな〜と思っています。

任せ方とか、年上のメンバーとどう接していくかとか、『リーダー1年目のマネジメント大全』は読みどころいっぱいだったんですけども。この本を執筆されたきっかけというか、どんな思いがあったかみたいなところをお聞かせいただけますか。

木部:そうですね。「2軸思考」というロジカルシンキングを私が編み出したと言うと少し大げさかもしれませんが、現場でよく使っていた手法をまとめた本(『複雑な問題が一瞬でシンプルになる 2軸思考』)があるんです。その本も、「本当はこう書きたかったな」と思うところがあって。自分が身につけたものを、媒体を通じてきちんと伝授したいという思いがありました。

リーダーという観点でも、先ほどお話ししたように、これまで規模の異なる組織でいろいろな経験をしてきましたし、厳しい状況もたくさん乗り越えてきました。一般的に見ても、経験の幅という意味ではかなり広い方だと思います。せっかくそのような経験をしてきたので、それを「本」というかたちで伝えられたらと思っていました。

松尾:あぁ、そうだったんですね。今はマネージャーを育成したり指導したりすることも多いですか。

木部:そうですね。自分のポジションも少し上がって、(自分の)下に次のリーダーがいます。そのリーダーも何層かいて、任せながら、こけそうになったらちょっと手助けするというのをまさに昨日も今日もやっていましたけど(笑)……そういう感じです。

現場経験を構造化する“執筆スタイル”

松尾:マネジメントの本と言うと、ちょっと小難しさがあったりするところを、(この本では)チェックポイントで「あ、自分こういうことはできているかな」と振り返られるようになっていたり、イラストもかわいかったり。

マネジメントを体系的に、そして楽しく学べるというところに私は魅力を感じました。本を作る中でのこだわりはありますか。

木部:職業病かもしれないんですけど、網羅的に構造化しないと気持ち悪くなっちゃうんですよね。ふだん自分がリーダーとしてやっていること、過去やってきたことを全部洗い出して、どういう切り口、どういうカテゴリにするときれいになるかなぁと思っていました。

本を書く時はいつもそうなんですけど、自分でコピー用紙を小さく切って、自分がこれまでやってきたことをそこに全部に書いて、束にして、似てる塊を作って「この章立てがいいかな」「いや、こっちのほうがいいかな」ってやって、クリップで留めて、本書いていくという感じでやっています。

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